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2006/10/16

検証 戦争責任Ⅱ

027193140000 やっとほぼ読み終えつつあります。Ⅰの最初のころのトーンから考えると、かなり普通の(保守にとって)になっています。専門家に言わせれば、これまでの支配層の議論のほぼ延長線上にあるとか。やや評価が厳しくなっているのが、広田弘毅、鈴木貫太郎、東郷茂徳 あたりにたいしてとか。
 とくにこのⅡは、時系列で記述されていることもあり、大半が、そのときの戦争指導者の判断の誤りにその対象が偏っています。その対象には、資料が不十分という理由で、侵略の実相などはかなり部分的なものになってしまっています。きわめて狭義の戦争指導責任論にとどまっているというのが感想です。対外的な責任などは除外され、国民の被害にたいしてどう責任があるかという視点に終始しているのです。また、天皇の戦争責任も結論としては、免責されています。ここはⅠとかなりちがうところです。
 ただ、だいじなことは、ことの発端となった、靖国問題とこの戦争責任問題が重なったことを通じて、パンドラの箱をあけてしまったということでしょうか。結局、天皇の戦争責任も免罪しているといっても、天皇が何をしたのかについては、かなりふれざるをえないのです。
 ある意味で、この本は、現在の戦争責任問題をめぐっての、保守の内部が抱える矛盾や問題点を、実にリアルにあらわしているということが言えるのかもしれません。
 この本をすすめるかって? 他に、読むべき本があることは事実ですが。
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コメント

「他に読むべき本がある」ですか・・・

一度読んでみようかと思っていましたが、「他の読むべき本」の方を優先させるべきですね。
ちなみに、推薦するものはありますか? 吉田裕、藤原彰、吉岡吉典といったラインナップで読んで行けば、いいでしょうか??

 歴史はGAKUさんの守備範囲でしょうね。
 ほんとうは、それこそ外務省編纂『日本外交年表竝主要文書』と朝日新聞社出版の資料集を読み込むのが大事なんでしょうね。朝日のほうは、古本屋で3800円でゲットしました。外務省のほうは、かなり高いんで…。
 私が、30代のころは、先輩から、通史をちゃんと読むようにとは言われましたね。日本の現代史でいえば、小学館の昭和の歴史のシリーズを読みました。今は文庫も売り切れかもしれませんが、amazonか日本の古本屋でそろえることはできるかもしれません。図書館にはたぶんあるでしょうね。

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