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2006/09/06

小沢イズム

 民主党の小沢一郎代表が、書き下ろしたと言われる『小沢イズム』という本を読んだ。当初言われていた『日本改造計画』の改訂版が、来年の参議院選挙前まで、延期になったので、現在の小沢氏の政治姿勢がわかる本として、注目して読んだ。
 一読しただけなので、まだ、かつての『日本改造計画』などとくらべてどうなのかという作業をしたわけではない。すこし、じっくり読みこなす必要があるだろう。
 どうしても安倍晋三氏の『美しい国へ』とくらべたくなる。読んだ印象としては、小沢氏のほうが、論を立てようとしているという感想をもつ。まあ、小泉改革にたいして批判者であるわけだから、さもありなんだろうけど、ここのところは、小沢氏の特徴でもある。とくに、9条解釈や、安全保障の問題に氏の主張の特徴がよくあらわれている。彼は、外交でも、筋のとおした主張が必要だという。あらためて別の機会で論じたいとは思うが、彼の9条論については、90年代以降、それなり情勢の変化に対応した(アメリカ等の動向に対応したといってもいい)、一定の変化があるのだけれど、そのときに応じた論を立てようとしている。現在の主張は、国連のもとでの派兵は可能だという議論だ。
 ただ、論を重視しているからといって、自民党の議論と大きくちがうのかといえば、そうではない。彼の議論は、論証を省いた前提がある。改革は必要だ、日米同盟が外交の中心だ、などなど。実は、政治の大枠は、論証抜きで、国民のコンセンサスがあるという前提に立っている。この立場は、実は、自民党のそれといっさい変わりはない。
 したがって、彼の議論の帰結は、現在の自民党政治の枠内での、かっこつきの「改革」「外交」の競いあいに行き着かざるをえないという性格がある。自民党の総裁選が終われば、再び、二大政党の選択という視点でメディアは政治を論じる危険もある。われわれは、それを乗り越える政治論議を巻き起こさなければならない、そんなことを強く感じさせる本であった。
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» 小沢一郎氏について [Medical Marketing Lab. ]
私は、ITの進化、社会のフラット化により、個人が急速に力を持ち、国民が政治に期待する部分が少なくなってきていると認識しています。しかし、「剛腕維新」を読み、小沢一郎氏の政策実現を期待をこめて見守りたいと思いました。... [続きを読む]

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