新自由主義とは何か
この夏に読んだ本の紹介もそろそろしていかなければなりませんね。まずは、敬愛する友寄さんの『新自由主義とは何か』という本。著者は、雑誌『経済』の編集長。
新自由主義を論じたものと言えば、どうしても、イデオロギーとしての新自由主義や政治理論としての面を論じたもの、その関係で議論を展開したものが多い。そのなかで、本書は、経済理論や経済政策をていねいに論じているところが、最大の魅力と言えようか。
読んでいておもしろかったのが、「『新自由主義』は、労働者をどう扱うか」の章。心に残るのは、最後の、市場経済の理論をおさえたところ。
個人的には、現在の日本経済の局面との関係で、問題意識をもつ。とくに金融の投機化という問題。生産の発展の局面と、アジアでの隣国の経済発展のなかで、金融の投機化がすすんでいる。新自由主義の経済政策のなかで、金融ビッグバンがもった意味は小さくないと思うが、こうした問題なども、聞いてみたい気もした。
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