若者が働くとき
昨日のシンポジウムをうけて、シンポジストの本を読み始めています。いちばん関心をもったのが、乾さんの『18歳の今を生きぬく』で、この本から読み始めようと思っていたのですが、ちょっとしたことで、熊沢さんの『若者が働くとき』を読み始めた。熊沢さんの話は、昨日がはじめてではなく、数年前に、職場と人権研究会が東京で研究会をおこなったときに聞いたことがある。若者の劣悪な労働実態への関心はするどいものがある。この本も、まだ読み始めたばかりだが、労働関係を専門にしてきた人だけに、その他の若者論にはない視点がある。とくに、フリーターやニートの問題が、過酷な若者の労働実態と地つづきだという問題意識は、とても大事だと思う。熊沢さんは、朝日のあるコラムを紹介します。
夏の終わり、この春に卒業した若者がキャンパスの就職相談室に訪れる。「こんな会社に後輩を入れないでくれ」の話。……一日一二時間労働。一ヶ月にたった二日の休日、その賃金が手取りで一三万円、半年働いて一〇キロやせた、といった話を聞くと、今時の若者はこらえ性がない、などとは言えない。なんで半年我慢したのだ、と怒鳴りつけたくなってくる。……労働組合によって職場を住みよくする、という発想をもてなくなった現代人は退職するか、我慢するか以外に方法はないのかも知れない。……規制緩和は「自己責任」の領域を限りなく広げる。……「朝日」〇四年九月一四日
どこに変革の展望を見いだすのか、しっかり読んでみたいと思う。
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