靖国問題と日本のアジア外交
いよいよココログは明日からメンテナンスに入ります。したがって、明日の昼過ぎから2日ほどエントリーはできません。それで、調子はよくなるでしょうか。いまだ絶不調。したがって、この本の写真も今日は、アップできません。
さて、松竹さんの新刊は、いつものように、刺激的です。ある意味、主張は明確なのです。もともと、ある雑誌に掲載された戦後日本のアジア外交史についての論文に、今日にいたる靖国参拝の変遷を織り込みながら、サンフランシスコ条約から今日にいたるまでの戦後日本の対米従属外交を検証しています。雑誌に掲載された論文の比較しても、彼が、どんな勉強をして、どんな問題意識がわかります。
さて、いま日本は明らかにアジアから孤立しつつあると思います。その背景のひとつには、戦後一貫してとられてきた対米従属外交があるのです。もうひとつが、靖国参拝に象徴される歴史認識の問題です。その経過を、出発、展開、分岐、格闘、そして融合に区切って展開し、日本の外交政策の問題の根源を鋭く解明しているのです。
アメリカの占領と、サンフランシスコでの「独立」のありよう、この原点から、たどっていまの日本政治の異常とその矛盾を深さをさぐるうえで欠かせない一冊だと思います。
ところで松竹さんの本とは、少し離れるのですが、最近私がよく考えるのは、そんな日本の戦後史の展開を、もっと立体的に語れないのかという問題意識です。つまり、与党の政策の対極には国民の運動があります。運動の背景には、国民の意識があります。そして、それを反映した、支配層のなかの相克というものがあるときは政局という形で表面化します。アジア外交についても、その相克の深さは、いまの政治のゆきづまりを現しているんだろうなと思います。そんなことをもっと知っていきたいなあなどと感じています。戦後史というものは、興味が尽きないですね。
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