自民党は殺された!
元自民党の総務会長、堀内派という派閥の長でもあった堀内光雄氏による本が、この本。痛烈な小泉批判の本であるが、自民党という政党が、どこまでゆきずまり状態にあるのかがよく分かる本のようだ。
今日から読み始めているのだが、さすがに政党政治の中核に長くいた人だけに、自民党の政調や総務会の法案の事前審査なるものが、政党政治の知恵としてつくられてきた過程がよくわかる。
日本の憲法は、戦前の反省から、権力の集中や暴走をさけるさまざまな制度がとりいれられている。議院内閣制という知恵も、その1つだと言うことができる。この議院内閣制の精神のうえにたってつくられたのが、自民党の事前審査だと言うわけだ。これは一面、あたっている。政府が、議会の同意をえて、安定的に政治をすすめるシステムとしてはある面ではきわめて民主的だと言えるかもしれない。
ただ、それが、政調の部会という族議員を生み、さまざまな利権を生み出したことも否定でない。それを壊すためにすすめられた小泉「改革」なるものが、この議会制民主主義のうえにたった制度のすべてを洗い流さざるをえないものだったことに、自体の深刻な側面がある。
そこからは、政治は民主主義から乖離し、国民から乖離せざるをえないという結論しかない。そう思いながら、読んでいる。
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