ドイツの戦後教育
ドイツの国際教科書対話で有名な近藤孝弘さんが去年出した本が、この本。岩波のHPには次のような紹介がある。
国家による国民教化としての公民教育から,生徒一人一人の批判的「政治判断能力」を涵養する政治教育へ.市民の非政治的態度がナチズムを生んだ,という反省から,現代ドイツは歴史認識や右翼急進主義など,現実社会のさまざまな問題を直視する教育を模索している.日本の社会科教育,政治と教育の関わりにも重要な示唆を与える書.
「中立性」という名のもとに、教育基本法8条の2項を拡大解釈し、政治を忌避しがちな日本の教育にも重要な示唆を与える。この紹介だけでも刺激的。
本を読むとき、自分の考えが整理されたりするものと、新しい知識や、新しい論点を提示される本があると思おう。この本は、自分にとって、後者。全く知らなかったドイツの教育の顔をたくさん発見できる。戦後直後のドイツを支配した教育方法、アメリカが持ち込んだ教育方法と、ナチスの教育方法の近似性などなど。戦後のドイツの試行錯誤はほんとうに興味深い。やはり68年がキーワードなのも、この国の戦後史をきちんと学んで、日本との違いをちゃんと、理解しなければと思う。さまざまな政治勢力の緊張関係のなかで、その緊張のなかで、政治的成熟をすすめたドイツ。日本も立ち止まっている場合ではないのだ!!
« 自民党は殺された! | トップページ | アンゼラスの鐘(予告) »
「教育」カテゴリの記事
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 河野大臣「自由に働き方を決められる制度が大事」 希望者には“勤務時間の上限廃止”も 働き方の規制緩和を表明(2024.09.05)
- 小1の不登校が2年で倍増 「幼・保・小」の連携で対応(2024.09.01)
- 自衛隊、宮古・八重山や奄美に新拠点検討 2025年度の概算要求 訓練場や補給の適地有無を調査 2027年度には那覇に対空電子戦部隊(2024.08.31)
- 2学期がはじまっています(2024.08.29)
「平和」カテゴリの記事
- 「日米軍事同盟・「戦争する国」づくりの新段階」 日米の統制の一体化などなど(2024.09.14)
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 沖縄県の原告適格性、二審でも認めず 県は上告を検討 高裁那覇支部 新基地建設を巡る県と国の14訴訟で最後の係争案件 玉城デニー知事「残念」(2024.09.03)
- 自衛隊、宮古・八重山や奄美に新拠点検討 2025年度の概算要求 訓練場や補給の適地有無を調査 2027年度には那覇に対空電子戦部隊(2024.08.31)
「読書」カテゴリの記事
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「歴史抹殺の態度を変えさせなければ」8月31日に都内で関東大震災朝鮮人・中国人虐殺犠牲者の追悼大会(2024.08.25)
- 木原稔防衛相、終戦の日に靖国神社に参拝 韓国「時代錯誤的」と反発 :「ニライカナイには行けない」(2024.08.15)
- 9月号ができています(2024.08.12)
- 『沖縄県知事 島田叡と沖縄戦』と「島守の塔」(2024.07.28)
「政治」カテゴリの記事
- 「日米軍事同盟・「戦争する国」づくりの新段階」 日米の統制の一体化などなど(2024.09.14)
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 赤旗日曜版にJCJ大賞 自民派閥の政治資金不記載(2024.09.09)
「歴史」カテゴリの記事
- PFAS 公害裁判 そしてトラツバ(2024.09.12)
- 10月号ができました(2024.09.11)
- 「エイジアン・ブルー 浮島丸サコン」(2024.09.10)
- 関東大震災の朝鮮人虐殺、否定論やまず 公的記録、相次ぐ「発掘」(2024.08.30)
- 「歴史抹殺の態度を変えさせなければ」8月31日に都内で関東大震災朝鮮人・中国人虐殺犠牲者の追悼大会(2024.08.25)
戦後の、ドイツと日本の大きな差は学校教育にある、と思いつつ、そのことをきちんと学ぶ努力を怠っている私です。
YOUさんの読書力には、ただただ、すごい、と思うのみ・・。
投稿: さくらおばさん | 2006/06/30 11:34