未来創造としての「戦後補償」
ちょっと、思い立って、このブックレットを読んでみました。中国の戦争被害者の賠償求めるとりくみの現状について、若い憲法学者と、戦後補償にかかわる活動家、そして、日中韓の若い世代の討論によって構成されています。
戦後補償を求める裁判は、中国関係だけでも2003年の時点で、73にのぼります。その現状、なにが障害になっているのかが、よくわかります。司法の点では、国家無答責という法理。これは、国家賠償法が制定される以前は、国家無答責という国家のやることは神のやることだから間違いないから責任は問われないという法理が支配的だったので、戦争時の国家がおこなったことは責任が問われないというもの。そして、時効。その問題や、裁判をめぐっての変化がよくわかるように解説されている。そして、政治の責任。
政治の責任という点は、いまは厳しい状況にある。では未来への希望はどこにあるのか。それは若者たちの行動と交流にこそあるんだろう。このような若者は、日本でも中国でも韓国でも決して少数ではない。
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