東京裁判
「人間の条件」の小林正樹監督が、5年間かけてつくったといわれる「東京裁判」のDVDを、たまたまTSUTAYAで見つけて、思わず借りてきてしまいました。何しろ、5時間を超える大作です。仕事から帰ってきて3日間ほどかけて見たのですが、少し眠ってしまったり。ひっしになって見ました。
第二次世界大戦後の1948年、東京都市ヶ谷の旧陸軍省参謀本部において開かれた「陸軍国際軍事裁判」の模様を収めた米国防総省の記録フィルムを基につくられています。第一、こんな映像が残されていたことが驚きです。それだけでも貴重な昭和史の生々しい真実を綴るドキュメンタリーとして見る価値は、十分あると思います。
裁判の進行にそくして、この裁判の争点となったものが、紹介されます。そもそも、この裁判所に裁く権利があるのかというところからはじまり、共同謀議の真理性、天皇が裁かれなかったこと、アメリカなどの戦争犯罪は裁かれなかったことなどなど。そして、裁判の論点のなった事実審理についても、さまざまな映像を駆使して紹介されています。
たしかに、東京裁判は、その評価のむずかしい裁判です。個人的には、大きな国際法の確立過程の裁判ですから、たんに法理というだけですべて議論できるわけではないとも思います。つまり、歴史のなかにおくなかで、評価をしなければなりません。
その評価にかかわっても、さまざまな角度から切り込んでいます。どちらかと言えば、弁護人側の主張がていねいに紹介されていると言えるかもしれません。パル判事の主張なども紹介されています。が、同時に、東京裁判の問題を指摘しつつ、パル判事は、日本の行為が正当かできるわけではないと考えていたことも紹介されています。
戦争被害、つまり日本軍国主義の加害などについても、さまざまな角度から描かれています。もちろん、裁判にそくしていますから、従軍慰安婦(日本軍「性奴隷」)や強制連行、731などにはふれていないし、 泰緬鉄道について、またシンガポールでの華僑の虐殺などもにふれていません。
東京裁判は、この映画がいうように、その時代を反映した国際的な裁判です。肝心なことは、私たちが、もう一度、この裁判を歴史の中において位置づけ直しながら、もう一度、私たち自身の手で、戦争の責任という問題をとらえ直すことではないでしょうか。そんなことを考えさせられた映画でした。
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