フリーター漂流(本)=書き換えました
今日、未明?のエントリーが不十分だったので、書き換えて再度、アップします。昨年2月、見た人に衝撃をあたえたNHKスペシャル「フリーター漂流」が1冊の本になった。番組の取材をベースに新たな取材も重ねられている。また、番組では出されていない内容もあり、よりリアルに迫るものとなっている(活字の力も捨てたものではない)。
90年代後半から、急激に増えるフリーター。規制緩和と競争力強化の裏側で、確実に使い捨てられている若者の姿がそこにある。つまり、金融の投機による利益を最大限追求する資本主義は、製造の現場、サービスの現場でも、最大限の利益も求めて、はいえなのように若い労働力に襲いかかる。いま、若者の働く現場は、どのように過酷で、無権利か。私たちは正直、直視しなければならない。追加取材では、模索する高校教員やフリーターとなっていく若者の姿も描かれている。そして30代を迎えるフリーターの絶望がそこにある。読者にとって、それはすべて共感できるものではないかもしれない。同時に、描かれていない現実もある。たとえばフリーターの対極にあり、ぼろ布のように働きづめで、命をけずらされる若者たちの姿だ。
これが資本の本性か、はたまた日本でこそあらわれている現象なのか。そのどっちもなんだろう。そして、この本を読んで、思うことは結局こういうことだ。彼ら、そして、私たちは、安心や安定を望んでいるわけではない。人間らしい生活を望んでいるんだ。その人間らしい生活を許さないのが、いまの社会なのではないのか。著者は言う、「むしろ大切なのは私たち『大人』の覚悟だ。経済大国として享受している豊かさを取り崩してまで、若者たちを育てる場所を社会のなかにつくらなければ、根本的な問題の解決にはつながらない」と。だからこそ、人間が大切にされる社会をと、問い続けなけれなばないのではないのか。
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