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2006/01/27

白バラの祈り シンポジウム

 白バラの祈りの公開を記念して白バラ映画祭が開催されています。昨日と一昨日は、82年につくられた『白バラは死なず』そして『最後の5日間』が上映され、今日は、シンポジウムです。出席者は、フランツ・ミュラー(元白バラメンバー 81歳)、マルク・ローテムント(『白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々』監督)、ミヒャエル・ヘルホーファン(『白バラは死なず』監督)、レナ・シュトルツェ(『白バラは死なず』『最後の5日間』主演女優)です。今日は、このシンポジウムに参加してきました。

 感想は、ものすごく面白かったです。まず、白バラの生き残りであるミュラーさんの話。その発言は、ナチの政権が、本来のドイツの憲法にももとづかない不当なものという強い信念に貫かれています。日本では、侵略戦争をおしすすめた政権に反対してたたかったのは共産主義者ですが、ドイツの白バラはいったい何の信念にもとづいていたのか。少しわかったような気がします。とくに、ナチ政権が長続きするはずがないという、戦場研修でみた事実をもとにもった希望というものの強さというもののすごさを感じました。
 ゾフィーの信念は何にもとづいていたのかは興味あるところです。ローテムント監督は、1に虐げられた人々への共感、2に好奇心と言われていました。もちろんその契機は宗教的なものであったことは想像できますが、話を聞いていて、もう少し普遍的なものであるような気もしました。会場で『白バラの声』というショル兄妹の手紙の本を買いました。感想は後日。

 今では、白バラのたたかいは、ドイツでは誰でも知っている事実です。が、戦中のナチによる人民裁判の見直しがおこなわれたのは80年代半ばのこと。見直しには長いたたかいがドイツであったそうです。82年のとき映画をつくる苦労と、今回の映画作りとはまったく条件がちがったと監督は言っていたことが、印象的でした。同時に、この若い監督が、「我々は歴史から学ばなければならない」と言っていたことが大事だと思いました。今の日本に暮らしていると、つくづくそう思います。

 『白バラの祈りーゾフィー・ショル、最期の日々』公開記念の「ゾフィー・ショルと白バラ展~ヒトラー政権に抵抗し、命を散らした学生たちの記録~」が 2月3日(金)~2月8日(水) 、有楽町朝日ギャラリー 11Fでおこなわれます。
ドイツ・ミュンヘンの白バラ財団が当時のメンバーたちの写真を展示した「白バラ」展の日本語版に映画『白バラの祈り―ゾフィー・ショル、最期の日々』の名シーンを加えたゾフィー・ショルと白バラの回顧展です。映画とともに、こうしたものにもふれるなかで、いまの日本を考えたいものですね。

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