心に届く言葉をもてるのか
お正月に、久しぶりに会う人がいたり、年賀状で久しぶりにあいさつをする人がいます。活字を生業にしている人間にとって、そんなとき、たいてい自分が精魂込めておこなっている仕事が読まれていないことを知って、あらためて自分は、心に届くような言葉をもてていないのかなあと考えさせられてします。
少しして、落ち込んでいても仕方がないと、考え直す。自分は何もわかっていないのではないのかと。
たとえば、数日前(9日)、ロイターで「米国のイラク戦費、政府予想大きく上回る2兆ドル超に=調査」という記事が配信されていた。「イラク戦争の費用に負傷米兵への終身保険など長期的なコストを含めた場合、総費用は2兆ドルを超え、開戦前の政府試算をはるかに上回るとの調査報告が発表された。調査は、コロンビア大学のエコノミスト、ジョセフ・スティグリッツ氏らが実施したもので、負傷兵1万6000人に対する障害手当が含まれている。負傷兵の20%は、脳や脊椎に深刻な障害を負っている。それによると、米軍がイラクから撤退した後も、米国の納税者は長期にわたり、こうした費用の重荷を背負わされるとしている」というのだ。
たとえばアメリカについて論じる。「覇権国家」から「帝国」へと。ことは、そう単純ではない。平和秩序を求める世界と、アメリカ自身の困難とのサンドイッチのなかで、アメリカ外交にも変化がある……。何重にも重なる複雑な世界、いったい自分は何がわかっているのだろうか。それらを紐解き、心に届く言葉をもちたいと思う。
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