アジアの日本観・日本のアジア観
最近はまっている内海愛子さんが10年前に書いた、「アジアの日本観・日本のアジア観」という論文を読みました。岩波の「日本通史」に載っていたのですが、もう発刊されて10年もたっているんですね。
論文では、日本の戦争が「アジア解放」の戦いだったという認識がどうつくられたかを追っています。戦前の早い時期からこの考えは日本のなかで広げられていたことがわかります。
一方でアジアではどうだったか、日露戦争で日本に期待し、また「大東亜戦争」・アジアでの戦争でも日本にたいする期待は生まれるのですが、それが直ぐに裏切られていくことが明らかにされています。ここにアジアと日本のあいだで戦争についての認識の乖離が生まれるです。それは戦後にも引き継がれます。
この10年、この論文で指摘している認識の乖離は今日の問題でもあります。まず、戦後、東京裁判での論陣を前後してくりひろげられた、アジアの解放戦争観は、いまなお靖国神社を中心に生き続けているわけですから。そんなことを感じさせられました。
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