「理解できない」という言葉
最近、新聞に掲載されている言葉で気になっているのが「理解できない」という言葉です。そう、小泉さんがよく使う言葉です。たとえば、靖国参拝にかかわって、大阪高裁の判決に対して、彼はこの言葉を使いました。
この言葉には、相手の主張にたいし、聞く耳をもたないという強い意味を感じます。同時に、こう言ってしまうことで、理解できない主張をしている人に対して、異常で、異端な人、もしくは、ある種の特権を守ろうとするとんでもない人というふうに決めつけてしまうという効果をねらっているように思えます。
昨日、自民党の与謝野政調会長がこの言葉を使っていました。中教審の義務教育部会の議論の対してです。中教審は、いわゆる義務教育国庫負担を地方に移管することに反対の報告をだそうとしています。心配なのは、メディアが、こうした言い方に、のせられてはいないのかということです。
今日の東京と北海道新聞が、この義務教育国庫負担問題にかかわる社説を掲載、いずれも、地方分権をいうのなら義務教育費の国庫負担は地方に移管すべきとの主張です。地方にまかせれば創意工夫が働いてうまくいくと何の検証もなくのべています。
はたして、社説子は、少しでも、中教審の報告素案や議事録を読んだのでしょうか。反対の論陣をはる、小川さんや藤田さん、苅谷さんたちの著作を読んでの発言なのでしょうか。何の検証もない決めつけで、世論が形成されるあやうさを、感じてしまうのです。
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