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2005/10/21

党首討論と医療改革についての大手紙の社説

 最近の社説には、よく驚かされる。すでに昨日となった20日の大手紙の社説は、党首討論と、医療改革が二大テーマである。

 とくに驚いたのが、前者。全国紙は、どの紙もおおむね好意的だ。ちゃんと見ていたわけではないが、それほど、岡田代表時代に比べて、緊張感があったと言えるのだろうか。内容的に充実していたと言えるのか。前原氏の外交を中心とした質問は、日米関係重視という点を全面的に押し出したものだ。小泉首相が、岡田氏の際とちがった、わけのわからないかわしのような答弁をしなかったのは、基本的に、岡田氏以上に、日米関係を前提とする、前原氏の質問にこそわけがあるのではないか。

 つまり、かわす必要がないほど、前提が一致しているのだ。本当に、「日米関係」=日米同盟というものをすべてすべての前提にしていいのだろうか? 普天間の移設もテーマになっていたが、結局、そこからは、どう沖縄を説得するのかということしな生まれないのではないのか。

 医療改革の社説にも驚きを禁じ得ない。厚生労働省が発表した、「医療制度構造改革試案」というものの前提にしている、医療制度の問題点を、そう簡単に認めてしまっていいのだろうか。最近の新聞は、「構造改革」という名が付くと、無批判に追随しているように思いえてならない。

 そもそも、日本の医療制度そのものが、国の政治(財政の支出)という点でも、ふさわしい位置にあるのかという検証はなされなければならない。もともと、医療制度そのものがゆたか、ふさわしいものではない。それをことさら、このままで破綻すると「危機」を叫ぶことで、覆い隠そうとする。いちばん隠されるのは企業の負担の少なさや、薬剤メーカーや医療機器メーカーの利権ということではないのか。

 もう1つ気になるのが、結局、いちばん弱い人が切り捨てられるということをまともに検討されていないこと。この間の「改革」の特徴だが、数字を優先するあまり、個別に、深刻な影響をうけざるをえない人たちの問題が、ほとんどまともに検討されない。たくさんの人の存在が、この「改革」の外に投げ出されているというのに……。

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» 医療制度改革『厚生労働省試案』批判-その① [医療制度改革批判と社会保障と憲法]
 厚生労働省の医療制度改革試案が発表されました。 既定方針に加えて、小泉首相が総選挙で大勝したことから、 さらに露骨な案になっているように思います。 順次批判していくこととします。      医療制度改革『厚生労働省試案』批判‐その①  2005年(平成17年)10月19日厚生労働省は、06年度(18年度)から実施する医療制度改革の『試案』を公表しました。  この試案を『国民的議論のたたき台』として、... [続きを読む]

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