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2005/10/10

教育

4000270079 ご存じ?広田照幸先生による、岩波、思考のフォロンティアの1冊である。結構、挑発的であり、たくさんの刺激をうけた1冊だった。

 新自由主義の「改革」は未来像を提示しているのである。彼らなりの社会像が提示されているという。たしかに、それは言えるかもしれない。では、新自由主義に対峙する側からは、オルターナティブな社会像は提示されているのか。
 われわれは、たしかに子どもたち一人ひとりにとって、大切なものを大事にしようとしてきた。が、その議論は、現実政治のなかでは、新自由主義を補完するような議論にはならないのか。我々の側が提案する、子ども1人ひとりをケアしていくような提案が、実際には、格差を承認し、それを拡大する議論にからめとられないのか。

 なぜ、そうなるのか社会構造的な分析がほんとうは大事なんだろうなという思いに駆られる。マルクス主義の陣営が、そういった現実に効果的な議論を提示できているのか? 

 「公共性」、「福祉国家」と「分配」――実は、自分自身消化しきれていない課題があまりにも多いように思える。うーんちゃんと勉強しなくっちゃなあ。ここは若い人に負けずに、原点にもどって挑戦すべき課題は多い。

 氏の議論は、現象をどう考えるかという議論であり、決して、本質に迫ったものではないと言ってしまえばそうだけど、自分たちの議論に反省を突きつける、そういう課題をたくさんもらったような気がする。そんな1冊だった。

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