メディアと選挙
『論座』の11月号が、総選挙特集を組んでいます。そのなかで、「メディアと選挙」という企画をおこなっていて、興味深く読みました。その1つは、もともとNTTの広報マンだった自民党の世耕参議院議員のインタビューです。先日、紹介した『現代』の記事を、本人が語っているような内容です。なるほど、CMの作り方やPR会社の使い方、メディアへの広報活動のやり方、そして、世論の調査のあり方など、これが、大企業の広報のセオリーなのかと驚きました。
その特徴をうまく解説しているのが、R30さんの小論です。自民党のメディア戦略は「広告」から「広報」へと大転換したというのです。
選挙プランナーの三浦博史さんの分析は、もっと、前段というか前提になるような小泉自民党の戦略を民主党と比較しています。
興味深かったのは、東大の蒲島さんたちの共同調査の分析です。今度、自民党を勝たせたのは、「柔らかい構造改革派」だと言うのです。これは、政治や経済の知識は豊富ではないが、構造改革を支持している層だという分析です。
ここと、自民党のメディア戦略とが合致したというのなら……。いま私たちは何をすべきなのか?
杉田敦さんが、同誌に「わかりやすく透明な政治とは何か」というインタビューを載せています。今度の選挙での、「一年後に、郵政民営化が焦点化した理由を、筋立てて言える人はいないと思います」「あらゆる既得権を打破するという議論は、すべての人の生活を不安定化させかねません」と論戦を分析・批判をしながら、その結果をもたらしら小選挙区制が、「派閥政治・利益政治の解消、そして政権交代の実現を目的と考えていた」とし、「党中央の権限が強化され、政党が政策本位でまとまるとした」が、「政治的な決定は、さまざまな声のせめぎ合いの中なら、なされていくもの」と言います。そして、「選挙制度の変更によって人為的に一定の方向に進めることは許されるのか」と問うています。
杉田さんは、「政治が漫画のように面白くないとしても、仕方がないことなのです」とも言います。
大事なのは、対話であり、討論であるんだと、つくづく思います。
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