いまどきの「常識」
ごぞんじ香山リカ――俗に?リカちゃん人形と言われる――の新著。いまどきの「常識」といわれるものへの違和感、疑問、それでいいのかと問いかける1冊。「『反戦・平和は野暮』『お金は万能』『世の中すべて自己責任』…。身も蓋もない『現実主義』が横行し、理想を語ることは忌避される。大きく変わりつつある世間の『常識』を浮き彫りにし、それらを形作る現代社会を考察する。
エッセイって感じで書かれているもので、緻密に書かれているわけではありません。ここんとこたくさん本だしているしね。だから、少し矛盾してんじゃないとうけとられるところもないわけじゃありません。でもね、それはそれ、いろんな問題の答えは1つじゃないし、多様であっていいんだよって十分感じさせてくれます。
正直、この言論界というか、マスメディアが「常識」ってしているものには、すごく、しんどさを感じる今日この頃です。そんな思いを十分代弁してくれているという思いにさせられます。マスメディアの世界にも彼女のような存在があるから、救われるのです。ほんとうに。たぶん出勤の行き帰りで十分読み終えることのできる本。でも彼女が紹介する、こんな見方ができるんだよっていうものからは、そこに紹介されている本や議論もふくめ、もうちょっと知ってみたいと思えるような内容がたくさんつまっているのです。
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