働きすぎの時代
途中、ほかの本を読んでいたりしていたので、やっと読み終えることができました。
さて、本の内容は、岩波のホームページには
6月中旬の土曜日、学会主張のついでに岩波書店に立ち寄り、本書の編集について打ち合わせをした。そのなかで「働きすぎ」に関連して、書店のアマゾンが「一分一秒の世界」だという話を聞いた。
帰宅後、ネットで検索し、アマゾンの巨大な物流センターでは、時給900円で注文された本を「一分に三冊」のノルマでひたすら探し回るという新聞記事を探し出した。翌日曜未明、アマゾンに先の記事に出ていた本を注文した。すると「二四時間以内に配達する」という触れ込みどおり、月曜の午前中には家に届いた。送り元は千葉県、家は大阪府。この間600キロを宅配便はひたすら走ったのだろうか。
アマゾンや宅配便のことは他人事ではない。今この国では正社員もフリーターも働きすぎで悲鳴を上げている。
本書では、さまざまな職場の過重労働の実態を掘り下げ、世界に広がる働きすぎの原因に迫る。そして、まっとうな働き方ができる社会を創っていくために、いま何が必要なのかを提起する。
との著者からのコメントが紹介されています。このアマゾンのエピソードはあまりにも象徴的。
働きすぎということが、いまや世界に広がっている。東アジア諸国、アメリカ、イギリス…。経済のグローバル化、情報化社会の進展で、24時間、それも家庭のなかまで仕事はおしかけてくる。消費社会で、その働きすぎは生活すべてを包み込みことになり、一方でその形態は、労働の規制緩和で2極分化していく。フリーターの時代である。働き方のみならず、人生のおくり方そのものが、その方向で追いつめられている。社会の根本から変えなければならない。
21世紀のグローバル経済と情報化社会のなかで、働きすぎにブレーキをかけるには何をすればいいか。著者は、最後に提言を多面的におこなっている。「市場」が人間のすべてを支配し、命までも奪っていくこの社会。この本で提起されている問題はものすごく重い問題だと思った。
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