放送中止事件50年
「テレビは何を伝えることを拒んだか」とのサブタイトルがある。この点をテレビ五〇年のあいだにおこった一六五の「事件」をとおして検証したのか本書である。
五〇年代の「ひとりっ子」、六〇年代の「ベトナム海兵大隊戦記」など、放送中止事件と聞いて、連想する事件は少なくない。時代を正面から描いたドラマやドキュメンタリーは権力と衝突し、その介入を招くことになった。七〇年代に入ると、放送局が権力との衝突をさけ、娯楽化路線に舵をとる。八〇年代以降、極端な自主規制がすすみ、NHKなどの政治報道は、政権政党のためのものという色合いを強く出すようになっている。まず政治家に説明する――先のNHK政治介入問題が明らかにした問題だ。放送の到達点を鋭く問う一冊となっている。
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