連合の憲法見解
14日に、共同通信が、「連合(笹森清会長、約670万人)が14日までに、憲法や安全保障問題について、国民的合意を前提に、憲法9条改正も選択肢にすることなどを盛り込んだ見解をまとめたという。今後、加盟する産業別労組で議論し、10月の定期大会で承認を得て正式な見解とする方針」との、報道を流しました。詳しいことを知りたいと思っていろいろ調べたのですが、情報がなかなか入りません。
やっと「河北新報」の次のような報道を見つけました。
連合の見解要旨 憲法問題など
連合がまとめた憲法問題などに関する見解の要旨は次の通り。
一、日米安保体制が他国の侵略を防止し戦後の経済発展を支えた。ただ沖縄に偏る基地提供、日米地位協定や日米同盟の範囲が極東を地理的、概念的に超えつつあること、米国の単独行動主義などに重大な懸念を持つ。
一、日本の領土、領空、領海で攻撃があり、市民の安全が脅かされる場合、日本は自衛権を発動し、日米安保条約に基づき米軍とともに行動する。日本の領域外においては、同盟関係を理由に共同した武力行使は行わない。東アジア地域の安全保障構築に努力する。
一、日本は国連平和維持活動、国連平和維持軍に参加することを基本的な考え方とする。それ以外の国連の集団安全保障活動への参画は、国民的合意が存在するとは言えないため現段階では認めることはできない。国際社会との協調と世界平和の構築のため、自衛隊の改編による国際協力部隊の新設も検討されるべきだ。
一、憲法9条は必ずしも「改正すべき」が多数派になっているとは言えない。防衛、安全保障、国際協力の在り方についてまず国民的合意を得ることが肝要だ。その上で憲法をはじめとする法体系の整合性を確保するために(1)9条を改正し、さらに詳細を規定する安全保障基本法(仮称)のような法律を制定(2)9条は改正しないが、安全保障基本法を制定--などの方策がありうる。
国連の名による武力行使の容認という点、民主党案に近いとも言えるでしょうが、いずれにしろ、9条改憲の呼び水をねらったものにはちがいないでしょう。一方で、明文改憲のない安全保障基本法の提案などもしているところが新しいところ。海外での武力行使の抑制的表現だとか、いろいろなオブラートが準備されていて、さまざまな、平和運動との接点も意識されています。9条の改憲という争点をずらす、ずるいやり方には注意しなければならないと思うのですが……。
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