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2005/07/23

靖国・遊就館フィールドワーク

 とある大学の学生・院生たちが、とりくんだ靖国・遊就館フィールドワークに同伴させてもらってきました。某大学の現代史の先生を講師に、1時間半の講義と、2時間近い靖国・遊就館の見学です。大灯篭の戦争画のレリーフからはじまって、いろいろ見てきました。パール判事の碑ができていたのは驚きでした。
 遊就館は約1年ぶり。私自身としては、3度目の見学になります。1階には零戦とともに、多くの捕虜や現地「労務者」の犠牲者をだした泰緬鉄道を走っていた機関車が展示されています。幕末からはじまる展示の1つひとつ、とくに日清戦争、日露戦争、そして中国への進出から、アジア・太平洋戦争の展開の過程の展示を見ていると、この遊就館の展示が、戦前の主張そのまま、つまりかつての大本営発表そのままを展示していることがよくわかります。だから、朝鮮や中国、そしてアジアの人々の犠牲や抵抗はまったくふれられていません。この神社と、この博物館の性格をよくあらわしていると妙に感心させられます。
 この遊就館のクライマックスは、なんといっても特攻の展示です。桜花、回天、震洋などの展示とともに、伏竜という、潜水服でもぐって棒の先についた爆弾を、海のそこから船に突き上げるというきわめて原始的なもの。飛行機などが調達できないために、こういう特攻がとりくまれたそうです。あの戦争が、日本の軍隊がいかに、非人間的であったかを示している展示です。
 問題は、この特攻をどう解釈するのか、です。名誉の戦死という名で、戦争そのものに意味と意義をもっていたという解釈をこの展示は無理やりつくりだします。つまり、戦争そのものが、日本にとって必要な戦争だったという論理です。ここからも、戦争による加害の視点はすっぽりと消えていまいます。
 おそらく、靖国という空間を包む、この異様な、狭い、戦争認識は、多くの国民が共有できるものではないと思います。問題は、そこに日本の首相が参拝をするということなのです。

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