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2005/07/16

「つくる会」の教科書について

 「つくる会」の教科書をテーマにエントリーすると、TBがたくさんつきますね。それほど、この世界での関心事ということなのでしょうか。1つひとつ反論するわけにもいきませんので、ここで私の考えを短くですが、書いておきたいと思います。
 前提の1つとして、私個人の意見としては、いっぱんの出版物としては、あらゆるものが保障されるべきだと思います。千葉の図書館の問題をまつまでもなく、たとえ「つくる会」のものであっても、その表現の自由は保障されるべきだと思います。ただ、ドイツなどでは、この点でも違った選択をしているということは知っておくべき問題だと思います。
 前提の2つとして、あらゆる教科書が自由であるべきか否かの問題です。たしかに、教科書の検定制そのものがこの表現の自由との関係で問題があることは事実だと思います。ただ、すべての教科書が自由であるべきかどうかとなると、現実の教科書をとりまく、出版や採択、そしてその教科書の活用などあらゆる面で、現在の社会で、自由が保障されているわけではありません。こうした実態の中では、教育がその公共性を担保するうえで、検定制度の存在は、有用な面もあることは否定できません。
 その前提のうえでの「つくる会」の教科書です。私は、この検定制のもとで、「つくる会」の教科書を合格させたことそのものが間違いだと思います。したがって、教育現場にこの教科書をもちこむことは反対です。なぜなら、この教科書は、日本のかつての侵略戦争を正当化する立場に明確にたっています。このこと1つをとっても、国連憲章や日本国憲法の土台となっている戦後の国際社会と日本の戦後政治の原点そのものとあいいれないからです。一般の書物でなく、一定の教育内容の基準というものにもとづいた教科書であるならば、この点は重要なことだと思います。
 ただ、こうした点をふまえたうえでも、教育はあらゆる価値観から自由であるべきだという意見はありうるとは思います。しかし、そうであるからこそ、この採択、そして学校へのもちこみという地点で、社会は、高い良識というものを発揮するべきだと思います。

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