沖縄よみがえる戦場
NHKスペシャルの「沖縄よみがえる戦場――読谷村民2500人が語る地上戦」という番組を、二男といっしょに見ました。住民の4人に1人の命を奪っていった沖縄戦。1945年4月1日、米軍が上陸した読谷村では、米軍の包囲が狭まる中での集団自決(集団死)がおこなわれました。3年前、息子たちといっしょにいったチビチリガマもその舞台です。読谷村の村民の多くは、北部ヤンバルに疎開します。原生林を逃げ惑う中での飢餓やマラリア、味方であるはずの日本軍から受けた虐待……。読谷村民の犠牲者は、3000人を超え、その3分の1は餓死だと言います。そして、生き残った村民たちが長く口を閉ざしてきた後、運命を後世に伝えるためにと口を開いた証言は、ショッキングでもありました。その歴史は決して過去のものではなく、はっきりと現在に続く歴史であることを感じさせてくれる番組でした。二男にとってはやはりアブチラガマの体験が何よりも大きかったようですが……。
ちょうと、帰りの電車のなかでは、『沖縄戦と民衆』を読んでいます。沖縄に部隊が配置されたのは、太平洋で日本軍が大敗し、戦局が悪化して後のこと。サイパンがあぶないということで、急遽、第32軍が編成されます。沖縄を捨て石にすることが前提の軍隊、志気も規律もない軍隊が沖縄になにをもたらしたのか。日本軍が植民地支配の現地でおこなったことと重なる前史が、沖縄戦にあることを学んでいます。
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» 沖縄県民、かく戦えり [マイ・ラスト・ソング]
◆昨夜のNHKスペシャル「沖縄よみがえる戦場〜読谷村民2500人の証言〜」は、かなり胸をうつものがあった。沖縄本島の中部、広大な米軍嘉手納基地のそばを通り抜け、巨大レーダー施設「象のオリ」が目に入ると、そこが読谷村(よみたんそん)である。戦争末期、米軍はここから上陸した。
◆昭和20年4月1日、アメリカ軍が艦砲射撃の後、読谷村に上陸、有名なチビチリガマの「集団自決」事件はその翌日のことである。波平地区の避難住民約140人のうち83人までが亡くなったという。「集団自決」といわれるが、実際は「集団的な... [続きを読む]
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