過去の克服
石田勇治さんの『過去の克服―ヒトラー後のドイツ』を読み終えました。歴史の事実と向き合うという点で優等生と言われるドイツ、しかし、そのドイツでも、この問題は、まっすぐすすんできたわけではないことが本書を読むとよくわかります。ナチスの犯罪を目からそむけようとした戦後10年間。外圧のもとで、変化の兆しが現れた60年代。68年の変革をへて、ブラントの下での変化。くり返される、歴史修正の動き。保守政治もふくめたコンセンサスの広がり。ドイツ統一があたえた影響と、強制連行への補償のはじまり。などなど、過去の克服をめぐるせめぎあいのなかですすんできたことがよくわかります。日本の政治の課題は大きいけれど、だからこそ、このドイツの戦後史からは学ぶことが大きいと思います。
« 安全か利益か | トップページ | 常任理事国入りは?? »
「読書」カテゴリの記事
- (ひと)堀由貴子さん 岩波書店「世界」を四半世紀ぶりにリニューアルする編集長(2023.11.28)
- 「七生『性教育バッシング』から20年-勝利判決から10年 『包括的性教育』の実現めざす集会」、「格差を広げる観点別評価」と「教員政策と長時間労働」(2023.11.25)
- 「貧困大国ニッポン」でこれほど貧困者が増えたワケ…「先進主要国」なのに「高すぎる貧困率」(2023.11.21)
- 書評会『教育DXは何をもたらすか―個別最適化社会のゆくえ』(2023.09.10)
- 「シモーヌ フランスに最も愛された政治家」(2023.08.05)
「政治」カテゴリの記事
- 「新しい資本主義」論と経済安保体制の危険性――岐路に立つ世界・日本・地域(2023.12.02)
- 生活保護費引き下げで国に賠償命令 名古屋高裁 全国初(2023.11.30)
- 屋久島沖「オスプレイが墜落した」118番通報 アメリカ軍所属8人搭乗(2023.11.29)
- (ひと)堀由貴子さん 岩波書店「世界」を四半世紀ぶりにリニューアルする編集長(2023.11.28)
- 4日前の記事――国の責任、二審も認めず=原発避難訴訟―名古屋高裁(2023.11.26)
コメント