パレスチナから報告します
著者は、イスラエル人のジャーナリスト、イスラエルの新聞の特派員として、パレスチナの占領地域に住む。そこからイスラエルに住む読者に訴えるレポートが本書。アミラ・ハスというこの人の話は、アジア・プレスの土井敏邦さんが、インタビューした映像を見たことがあります。とても感動しました。彼女の書いたものを読みたいと思っていたところ、やっと邦訳が筑摩から出版されました。
情勢の悲観的な側面が集約されているのが、ある意味で、このパレスチナの問題かもしれません。ときおり、新聞では、「和平」という文字が並びましが、どう考えても実態は、武力の圧倒的優位を誇るイスラエルが、パレスチナを強引に引きずっているという図式です。パレスチナの抵抗には展望がありません。武力であれ、その他の物理的な抵抗であれ。ただ、彼女のような仕事や、彼女が伝えるような人の姿には、ものすごく展望を感じたりもします。
人は、生きている限り、意味のある仕事をしたいと願います。そう思っている人の真摯なとりくみがあるかぎり、世界の未来は暗くないのでしょうね。自分もできれば、意味のある仕事をしたいと願うのですが。
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