歴史教育と教科書
前回2001年の教科書問題のさいに出された岩波のブックレット。もう一度読んでみました。ドイツの教科書をめぐって、過去の克服という視点で、おこなわれているポーランドをはじめとした国々との教科書対話。ヒトラー・ドイツの重要な構成部分としての過去に長らく蓋をしつづけた戦後の反省から90年代になってとりくまれたオーストリアのとりくみを紹介します。どちらの国も日本の同じ課題を戦後抱えてきただけに、示唆にとむ視点がしめされます。そして日本の問題につて、著者は、たんに教科書にとどまらない戦後の歴史教育のありように切り込むとともに、今求められる隣国との対話は、対等な対話ではなく、日本の歴史認識のゆがみの克服のための鏡として必要だと説きます。今読んでも、あらための学ぶことの多い一冊です。
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