孔子の言葉と小泉首相
小泉首相が、靖国参拝を合理化する発言で、「罪を憎んで人を憎まずは孔子の言葉なんですよ!」と言ったことが波紋を呼んでいます。どうやら、原典は、「孔叢子(こうそうし)」という孔子の子孫が、孔子一族に伝わるものをまとめたとされる書物の中にあるようです。「罪を悪みて人を悪まず」というのがその言葉だそうですが、それもどうも日本に入ってくるときに、かなり変形しているようで、もともとは刑罰でものごとにあたるなという言葉だったという説もあります。
昨日に東京新聞の夕刊には、梅原猛氏が、漢字学者の白川静氏の怒りを紹介しています。今日の朝日では、中国文学者の一海知義さんが「私は五十数年来、専門の対象として中国古典を読んできたが、孔子がこんなことを言っているとは知らなかったからである。少なくとも、信頼できる文献には見あたらない。」とのべ、「加害者だった側が使うべき言葉なのか。首相発言は中国民衆の立場を無視している。目の前で日本兵に親を殺された体験を持つ人々に、 『罪を憎んで…』と説教しているのである」と批判しています。
原典がどこにあるのかは別としても、相手の文化までも弄んで、相手の感情をふみにじる、どう考えても一国の首相の態度だとはとうて思えません。
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