« たっぷり眠ったけれど | トップページ | 過去の克服 »

2005/04/25

半島を出よ

434400759X ちょっと時間がかかりましたが、やっと『半島を出よ』を読み終えました。一言、ものすごく凄い小説です。ネタバレになるので、出版社の紹介は、「北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉」です。
 村上龍は、それほど強く政治的主張をする人ではありません。ただ、たんたんと、国際的に孤立し、経済的にも破綻した日本の姿を描きます。アメリカと接近する北朝鮮。その兵士たちの姿もリアルです。物語にほうりこまれた登場人物たちは、そのなかで生きている人物のように感情をもち、行動します。1章1章、主人公となる人物が違っていて、読者は、あるときは社会に受け入れられなかった少年に、あるときは北朝鮮のコマンドに、あるときは、官僚や、懸命に生きる市民に感情を移入することになります。そして、むかえる結末は……。いつものように、作者はそこに明確な希望を提示はしてはいません。が、おのずと、閉塞が強まる日本で、どう生きるのかはみつめざるはえません。そこで聞こえてくる作者の声は、問題から目を背けるな、権力や多数に従うな、自分の頭で考えろ、そして、マイノリティーの声を聞け、でしょうか。

« たっぷり眠ったけれど | トップページ | 過去の克服 »

読書」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 半島を出よ:

» 半島を出よ(上) [楽天売れ筋ランキング集]
半島を出よ(上) 2005年05月06日 楽天 本・雑誌・コミック デイリーランキング第1位 著者: 村上龍 出版社:幻冬舎 ISBN:434400759X サイズ:単行本 / 430p 発行年月: 2005年 03月 本体価格:1,800円 (税込:1...... [続きを読む]

« たっぷり眠ったけれど | トップページ | 過去の克服 »

無料ブログはココログ
2019年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30