大惨事の現場
毎日新聞の記者が、事故の一両目の車両の乗っていて、その手記が、WEB上にのせられています。
事故の生々しいようす、その後の動きなど、貴重な手記です。
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毎日新聞の記者が、事故の一両目の車両の乗っていて、その手記が、WEB上にのせられています。
事故の生々しいようす、その後の動きなど、貴重な手記です。
今日は、飲み会。学童保育のOBの集まりです。リラックスした楽しいひととき。
今日は、朝少しゆっくりできるかと思っていたら、昨日、夜にかかってくるはずの仕事の電話が入らず、今朝、電話でたたきおこされました。それはそれでよかったのですが、ちょっとバテバテです。だるい体をひきずっての昼からの取材でした。論壇誌をつくるには、僕にとっては、今日のような講演会は、刺激になり、企画をつくる源泉にもなるので、欠かせません。が疲れてます。話が面白かったので、眠くなるようなことはありませんでしたし。
来月は6日にインタビュー、8日に座談会が入り、その8日の午前中に、学習会の講師の予定もあります。それぞれ準備がなかなかたいへんです。ちょっと、ピンチだなあ。家事や子どもの相手もありますし、休まる時間がなかなかとれないというのが厳しい現状ですねえ。
浅井基文先生のホームページに日中首脳会見における胡錦涛発言が全文掲載されています。浅井先生は、全文をぜひしっかり読んでほしいとよびかけられています。読んでみてなるほどと思います。この会見で、中国側は5つの点を主張しているのですが、そのなかに、「歴史への正しい認識と対応とは、つまり、あの侵略戦争に対して表明した反省を実際の行動に移すことであり、中国やアジア関連諸国の人民の感情を傷つけるようなことを決して繰り返さないということだ」というものがあります。そして、小泉首相は、これにたいし、「日本は胡主席の提案した5つの主張の精神に基づき、日中友好協力関係を積極的に推進したい」と答えています。これはかなり踏み込んだ発言です。一般の新聞ではなかなかわからないことです。やはり、こうした問題は、実際に、自分の手で、なにが語られたかを確かめなければなりません。
ほんとうにそのように行動できるのか。今後、日本政府の言動は厳しく問われなければなりません。
高橋哲哉さんたちがつくっている季刊雑誌「前夜」の対話集会にいってきました。「『戦後』とは何だったのか」というテーマでしたが、今回は、高史明さんのお話が中心です。高さんは、戦後を問いときに、「満州事件」以降の戦争の戦後ではなく、明治以降作られた日本がすすめた「戦争」の総体の戦後を問うという問題提起、とてもよかったです。会場討論の時間で、20代の若い人たち、とくに「在日」の青年たちの発言が印象的でした。新しい力ですね。同時に、私たちが、いま歴史認識を問うとき、「在日」の問題をふくめ、戦後の問題もどう問いかけていくのか、たくさんのことを考えさせられました。この場でもいろんなことを考えていきたいと思います。
またまた、ローカルネタですが。高遠菜穂子さんの講演会が、GWに長野で行われます。私は直接面識はありませんが、森住さんの写真をとおして、身近に感じる存在です。元気で、全国を講演にまわっています。4日の上田での講演会には、今春、長野にいった長男が実行委員会でなにやらがんばっているみたいです。お近くのかたはぜひ高遠さんの講演会にご参加を。
リンク: @nifty:NEWS@nifty:過密ダイヤでプレッシャー=遅れで集中できず事故と推察-JR西現役運転士が会見(時事通信).
事故の死者はついに106人に達しました。歴史的な大惨事になってしまいました。事故の原因については、いまだはっきりしませんが。その1つの要因にJRの厳しい労務管理があったのは事実のようです。今日、テレビなどでいっせいに報道された「日勤研修」は、かつての人活センターを彷彿させます。出発が、非人間的だったJRは、体質として、非人間的なものがあるように思えます。リストラと大競争時代を迎え、いっそうヴァージョンアップしているのかもしれません。人間的な、人間が大切にされる社会をつくること、この事件は、そのことも問いかけているのだとも思います。
リンク: @nifty:NEWS@nifty:薬害エイズ1審無罪の安部英・元帝京大副学長が死去(読売新聞).
薬害エイズ事件の1人の主人公がこの世を去った。私も、この事件にかかわって、何人かの人に取材する機会があった。カミングアウトした川田くんの勇気、若者たちの連帯。
個人の刑事責任を問うた、安部氏の裁判は、結果として無罪の判決のまま終わった。この事件で、何が裁かれ、何が裁かれずに残ったのか。
実際には、薬害はヤコブの問題もふくめ、その後の続いている。権力犯罪はまだまだ後をたたない。この社会にメスを入れていくためにも、この事件を風化させてはならない。
今日は、ひさしぶりに少し早めに家に帰ってきました。テレビをつけるとBSで「郡上一揆」、地上波で「釣りバカイレブン」が入っています。どちらも近年の日本映画のなかでは。数の少ない秀作だと思います。「郡上一揆」の神山監督には、この映画の企画がはじまったころお会いしました。自分のふるさとの岐阜から市民の力で、映画作りがはじまったことをうれしそうに話されていました。それでも予定よりずいぶん時間もかかったように思います。「釣りバカ…」の本木さんとは、この映画ができたころにお会いしました。私より若い、私の連れ合いと同じ富山出身の監督です。松竹の亜流というか、本人曰く、「社内インディーズ出身」。エネルギッシュな作品づくりで、このころははまっていましたね。その後、山田組とはあわないなあと感じてしまいましたが。
江戸末期の農民一揆と、現代のリストラ社会と、描いた舞台は違います。ただ、単純に、この2つの作品を見ていると、その作品のよってたつ場所、だれの目線で社会を見るのかということが、私たちにとっていかに大事なのかということを教えてくれているように思います。
今日、帰りの電車で、ばったりKさんに会った。ずいぶん久しぶりである。クラブは別だが学童保育の活動などで何年かいっしょにいろんなことをとりくんだ。農業関係の職場に勤めるKさんは、逆風が強いなか、仕事も忙しそうだった。
いろいろな雑談のなかで、小泉内閣の4年が話題になる。彼は小泉首相を暴走族という。理屈抜きで、政策を暴走させるというわけだ。この4年で何がおこなわれたのか。私も、結局、残ったのは、意味のない「改革」の結果の経済格差の広がり、外交のゆきづまりだけだったと思う。なぜ、それでも、支持率は高いのか。答えは補選の結果にある。Kさんは、低投票率こそが問題だといった。国民にとってほかに選択はないのか。ここをもっと示していかないと、この閉塞はうち破れない。
憲法調査会の報告が出され、いよいよ憲法「改正」をめぐる動きも新しい段階にはいります。一橋大学の渡辺治教授は、講演会でいつも、憲法そのものは、1枚の紙切れにすぎない。憲法を生かすたたかいこそが、憲法に命を与えると訴えます。ならば、いま、憲法を変え、戦争をする国につくりかえようとする動きに、私たちは何ができるか、そんなこともいつも真剣に考えたいと思います。もちろん、仕事が仕事ですから、仕事の場で、改憲の動きを批判し、憲法を生かす動きを励ます、そんな仕事をしたいと思います。同時に、自分の生活の場で、もっと、みんなといっしょに考えていきたいと思います。何ができるかなあ。でも、まず立ち上がらないとなにもはじまらないのですから。
韓国では、いま日本はドイツに学ぶべきだということが盛んにいわれています。新聞でも、たとえば中央日報が3回にわけて、「過去の歴史の反省、ドイツは進行形」という特集をおこなっています。これにたいし、町村外相をはじめ、日本の保守政治家たちのなかからは、ドイツと日本とは比較できないという声が聞かれます。ほんとうにそうでしょうか。
保守政治家たちの言い分は、民族の虐殺をやったナチと比較するのはいかがなものかというものがあります。しかし、ドイツでは、ユダヤ人の虐殺だけではなく、周辺国民の野蛮な虐殺や強制連行なども問われ、その反省や補償もおこなわれているのです。
もう1つは、ドイツはナチに責任をおしつけることで、国民の戦後意識が形成されたというものです。日本も、不十分であっても戦争責任についての国際的なとりきめや東京裁判の受け入れがおこなわれています。それが国民意識の形成にふさわしい規模や質で十分に追及されきらなかったことにこそ問題があるわけで、それこそ日本の政治における歴史認識の不十分さをあらわすものではないのでしょうか。だからこそ、いま、私たちは歴史を直視しなければならないのです。そんなことを考えながら、この石田さんの著書を読んでみようと思います。
ちょっと時間がかかりましたが、やっと『半島を出よ』を読み終えました。一言、ものすごく凄い小説です。ネタバレになるので、出版社の紹介は、「北朝鮮のコマンド9人が開幕戦の福岡ドームを武力占拠し、2時間後、複葉輸送機で484人の特殊部隊が来襲、市中心部を制圧した。彼らは北朝鮮の「反乱軍」を名乗った。〈財政破綻し、国際的孤立を深める近未来の日本に起こった奇蹟〉」です。
村上龍は、それほど強く政治的主張をする人ではありません。ただ、たんたんと、国際的に孤立し、経済的にも破綻した日本の姿を描きます。アメリカと接近する北朝鮮。その兵士たちの姿もリアルです。物語にほうりこまれた登場人物たちは、そのなかで生きている人物のように感情をもち、行動します。1章1章、主人公となる人物が違っていて、読者は、あるときは社会に受け入れられなかった少年に、あるときは北朝鮮のコマンドに、あるときは、官僚や、懸命に生きる市民に感情を移入することになります。そして、むかえる結末は……。いつものように、作者はそこに明確な希望を提示はしてはいません。が、おのずと、閉塞が強まる日本で、どう生きるのかはみつめざるはえません。そこで聞こえてくる作者の声は、問題から目を背けるな、権力や多数に従うな、自分の頭で考えろ、そして、マイノリティーの声を聞け、でしょうか。
仕事の山場を越え、土曜日は、8時間寝て、出勤。日曜日は9時間寝て、出勤。今日は、12時間近く寝て出勤です。それでも、身体の芯のほうにドーンと疲れがたまっている、そんな感じが続いています。こんなときは、身体がもとに戻るまで、だいぶ時間がかかるんです。いつもの集中力を発揮できるようになるまでは、まだだいぶ時間がかかりそうです。やっぱり働き過ぎですかね。
大きな事故が起きてしまいました。50人をこえる死者ということに心が痛みます。通学時間帯ということもあり、若い大学生も多かったようです。いまは、とりこのされている人の一刻も早い救出を願うばかりです。
私が大阪にいたころは、宝塚線なんて、電化もされていない、ローカル線でした。その後、地下鉄の乗り入れにもなり、通勤線と変貌したようです。
なぜ、事故が起きたのか。正確で科学的な調査ものぞまれます。ただ、「安全神話」は大きく崩れることになりました。安全でない社会がなぜ、生じているのだろうか、よく見つめなければならないと思います。
今日は、つくる会の教科書に反対する東京の集会にいってきました。予想を上回る、会場いっぱいの500人の参加で、熱気のある集会でした。
最近の、日中、日韓の問題の原因の1つがこのつくる会教科書でもあります。なぜ、この教科書が問題なのか。あらためてみつめていくことが必要だと思います。
1つは、国際公約にも反する、世界やアジアの諸国がとうてい受け入れることができない教科書だということです。国際公約もいろいろあると思いますが、たとえば、この教科書に端を発し、結局、すべての教科書から消えてしまった従軍慰安婦の問題です。1993年の河野内閣官房長官談話に次のような一節があります。
われわれはこのような歴史の真実を回避することなく、むしろこれを歴史の教訓として直視していきたい。われわれは、歴史研究、歴史教育を通じて、このような問題を永く記憶にとどめ、同じ過ちを決して繰り返さないという固い決意を改めて表明する
やっとこさ、ボクカノをDVDで見ました。とってもとっても面白かったです。猟奇的な彼女以上に、たくさん笑わせるし、たくさん泣かせるし。チョン・ジヒョンの魅力も満載だし。映画としてていねいに作られているし。とてもとても満足した2時間でした。
挿入歌にはXJAPANのTearsも使われています。こんなに共感しあったりできるのに。最近の日本と韓国のあいだなどについてもふと考えさせられたりします。
最近、何人かの友人たちも、ブログをはじめています。毎日のぞくのですが。ちょっと交換日記みたいで楽しかったりします(笑い)。それはそうと、TBをつけていただいたブログをたどりながら、いろんな人のブログを読みます。ユニークなブログ、情報満載のブログ、そして切れ味のいい論説をのせているブログがたくさんあります。そんなものを読んでいると、自分の書くブログが、切れ味のない、飛躍の多い文章だらけだなあと反省させられます。まあ、仕事から帰って、短い時間でパパット書いているので、と言うのもありますが。やはり、自分の思考をもっと鍛えないとと、ファイトがわいたりしますが。
一番あぶない国は日本!――
韓国の「中央日報」のWEB(18日付)に次のような記事が
韓国の安保における最大の脅威国」を問うアンケート調査を行なったところ、韓国民の認識が、昨年とは大きく変わったことが分かった。
世論調査専門機関「リサーチアンドリサーチ(R&R、代表:ノ・ギュヒョン)によると、韓国安保にとっての最大の脅威国は、日本(37.1%)、北朝鮮(28.6%)、米国(18.5%)、中国(11.9%)の順だった。
……「韓国安保のため協力すべき対象国家」には、米国が第1位(62.25)に選ばれた。その次は中国(16.5%)、北朝鮮(8.1%)、日本(3.5%)の順。
今日で、仕事もやっとひと山越えたという感じでしょうか。つれあいの方は、転勤歓迎会だと言って、今日も飲み会だ。もう何回目だ? 今月はほとほと疲れました。編集の仕事はどこでもそうだと思いますが、いわば個人プレーが多く、誰も助けてくれるわけではないのです。自分がやりたいことが多いと自分で首を絞めるのです。来月もまた忙しそう、ちょっと仕事のやり方を変えないと、やばいなあなんて反省はするのですが、どんどん目先の課題だけ増えていって、走り続けるというのが実態だったりします。
これだけ、アジアの諸国から批判が集中しているというのに、国会議員80人が靖国神社に参拝しました。まあ、個人が神社に参拝するのは自由でしょうが、このなかには副大臣や政務官など、政府の公的な地位にあるひとも含まれています。
「戦時に亡くなった方の御霊を参拝するのは自然な姿」と言いますが、靖国神社はもともと、天皇のためにたたかって死んだ人を祀る、戦前の天皇制国家の国家的追悼施設だったわけですから。しかも、A級戦犯も合祀されています。その延長線上に、この神社があることを靖国自身は隠そうとはしていません。それが、遊就館という展示施設です。文字どおり、この神社が先に行った性格のものであることをたくさんの展示物が語っています。いっしょに遊就館に行ったあるドイツ人の方が、遊就館を見て、靖国問題とは遊就館問題だと言われましたが、ほんとうにそのとおりだと思います。
しかも、A級戦犯が合祀された以降、昭和天皇もいまの天皇も、一度も、靖国神社には行っていません。なぜでしょうか。そこにもこの問題の本質が現れているように思います。公式参拝推進派の方々はこのことをどう考えているのでしょうか?
セガの遊戯機の事故が社会的に注目をあびている。安全管理が大丈夫だったのかと。そういえば、最近はJALだとか、三菱自動車だとか、技術に関わる、企業の不祥事が続いている。一連の事故を見ると、会社を運営する中軸が、技術というものにあまりにも無理解、無関心であるような気がしてならない。もちろん、高度がした技術を文系の人間が理解するのはちょっとむずかしい。ただ、経営の論理が、マネーゲームの論理にどんどんなっていって、基本的な技術の管理というものから遠くなっているような気がする。90年代以降、ドラスチックに、市場の論理に引き込まれていった日本は、このあたりをコントロールする訓練もなければ、ルールもない。まだまだこれなの不祥事は続発するような気がする。
昨日、衆院に続き、参院の憲法調査会も報告なるものを提出しました。ざっとの感想は、参院のほうが、嫌らしい報告書です。衆院にくらべ、全体の改憲のトーンはやや低めです。しかし、「5党で一致している意見」だとか「おおむね共通の認識がえられたもの」なんていう記述をして、いわば改憲にむけた議論の整理みたいのことをしているのです。だいたい、調査会にはそんな権限はないですから。あくまでも、憲法にかかわる調査で出発したはずです。しかも、改憲反対政党が、そのようなことに反対しているにもかかわらず、「一致した」という表現の報告書を出すのですから、巧妙というか。やさしい顔をしているからと言ってだまされてはいけません。
今日、家に帰ると、妙に部屋の中にお花がいっぱい。実は、今日は、つれあいの離任式だったのです。丸13年勤めた前任校を離れ、つれあいは、今春から新しい学校にいっています。いろいろな思い出と想いがあるんだろうな。とても、きびしい曲がり角にさしかかっている、障害児教育の分野です。実践で模索し、組合の中心をにない、そして、主任などもつとめながら、苦労していたからなあ。まあ、あっさりした人だから、いまは新しい職場での課題に向き合っているんでしょうが。本当に、お疲れさまでした。これからもがんばろうね。
猛烈に、仕事が忙しく、ほとんど意識がとぎれそうな気配です。思考能力がだいぶ低下しています。こういうときは、ミスを犯さないように注意しないといけないんですが。まあ、誰もほめてくれず、誰も助けてくれず、ひたすら、1人でがんばります。ほめてもらうために仕事してるんじゃないしね。
マスメディアの、中国報道は、すごく気持ちを苛立たせます。ものすごく、反中トーンのキャンペーンがくり返されているわけですから、暴力は悪いのは当然です。でも、在日の中国関連施設に対して10日間で25件の嫌がらせや不法行為があったそうなんですが、そんな全体像なども報道はされません。ことの本質は、歴史認識にたいする中国国民の問いに、どう答えるのかにほかならなわけでしょう。韓国大使館のホームページに、日本もドイツを見習うようになどの言葉が目に入ります。日本の歴史認識は、国際的には絶対に通用しないのです。そんな基本的なことをなぜマスコミは、大きく取り上げないのか。日本の国民を世界の孤児に誘導しているように感じてしかたがないのです。
まもなく、障害者自立支援法案が国会に提案されます。国際的に障害者の権利について注目が集まるなか、日本の障害者施策が大きく前進させることが期待されます。が、今度、提案されようとしている法案はどうなんでしょうか。いくつかの前進面はあるようですが、何よりも大きな問題は、応益負担の原則が導入されようとしていることです。障害者も介護など益をうけるんだから、負担もしなさいというわけです。全盲ろうの障害がある東大助教授の福島智さんが、先日の朝日新聞で、障害者が自立するために必要なことが「益」なんだろうかとのべられておられました。最低限の保障なのではないかという氏の問いは説得力があります。たしかに、応益負担という言葉は、正しいことのように聞こえます。が、その益の内実が問われないと、とんでもない間違いを犯すことにないrます。
そう言えば、最近、国益と言う言葉もよくつかわれます。イラクへの派兵は国益になる云々。ここでも、国益の益の内容が問われていません。
最近、自分の言論がよって立つ位置はどこにあるのかを、意識して問わなければならないと、感じることが多くなりました。流されて生きたくないと、そう思うのです。
9条の会の人たちにたいして、こういう論評がある。僕にとっても、9条の会の人たちは、それぞれいろいろな思い入れがある。井上ひさしさんは、もっとも身近に感じる。高校の時から、井上さんの本は、むさぼるように読んでいた。演劇青年だったのでよけいにそうだ。加藤周一さんと大江健三郎さんは、まさに「知の巨人」。たぶん、うちの家にある、個人の著作では、古典的なものをのぞけば、この2人のものが5本の指に入る。最近、加藤さんの新著、対話集5『歴史の分岐点に立って』を読んでいる。大江さんや姜尚中さん、樋口陽一さん、寺島実郎さん、池沢夏樹さん、網野善彦さんなどとの対談集で、超豪華です。それぞれが、知的刺激に満ちている。言葉というものの重み、それを個人がどうつむぎだすのかということも意味、まちがいなく、たくさんのことを教えてくれます。
9条の会の方で、唯一、お話をしたことがあるのが、奥平康弘先生。やっぱり天才というのでしょうか。たくさんの知識のなかから、憲法のもつ力を語ってくださいました。小田さん、鶴見さんは若いころから、親しんだ本の著者ですが、自分とは、かなり別世界の、ものごとのとらえ方の方向が少し違いのかなと思っていました。それだけに、最近、多いように思います。澤地さんのルポというかノン・フィクション作品は大好きです。多くのことを学びました。三木さんは、少し、遠い存在でした。
できることなら、こういう大きな運動にとりくまれる時期、この人たちからたくさんのことを学んでいきたいと思います。
リンク: @nifty:NEWS@nifty:サマワの現地取材は中止に(共同通信).
これって何?です。どうやら、サマワの自衛隊にいわゆるエンベッド取材が計画されていたようなのです。エンベッド取材をマスメディアが受け入れていたそのものが、驚きです。
同時に中止になったということのもつ意味を、政府もメディアもどう考えているのでしょうか。今日の朝刊は、どこもベタ記事です。不測の事態を排除できないって、サマワは戦闘地域じゃないんでしょう?!
今日、防衛庁長官が記者会見し、日程の再度検討するということだそうです。イラクの民主化といいながら、実際には自衛隊は、民主的なイラク国家の建設にどうやら役だってはいない様子です。政治のあり方も、メディアのあり方も、この問題は問いかけているんではないでしょうか。
日中関係は、かなり深刻な領域に来ている気がします。マスメディアの報道もかなりヒステリックになってきています。なぜ、この問題に、中川や安倍晋三みたいな政治家がくり返しテレビに出てくるのでしょう。外相が、町村というのも最悪です。これでは歩み寄りのしようがありません。町村外相にいわせれば「日本の教科書であの戦争を美化しているものはない」のだそうです。その程度の認識というか、そういう確信的認識の持ち主なんです。
朝日が、北朝鮮や中国報道に関しては、トラウマをもっているのか、暴動への批判に傾斜しています。もちろん、中国の暴動への批判は必要ですが。メディアがここまで、反中感情をかりたてるような報道一色でいいのでしょうか。私は、中国は、この間の、新「防衛大綱」や「従軍慰安婦」問題にかかわるNHKの事件など見ていたと思うんです。もともと、韓国のノムヒョン大統領にしても数年前日本に来たときから、有事法制や憲法「改正」などにふれ、韓国を安心させるような政策をすすめないことには警鐘を鳴らす発言をしていたのですから。冷静になり方をもう一度考えたいものです。少なくとも「日本の教科書であの戦争を美化しているものはない」と言うような外相を許していたり、そんな発言をしても何も言わないメディアのままでは、冷静な議論などすすみようがありません。
フリーライターの黒沼克史さんがなくなりました。まだ、49歳です。『援助交際』や『少年にわが子を殺された親たち 』などの著書があります。私も、2度ほど一緒に、仕事をしたことがあり、いろいろご無理をしていただきました。少年事件からはじめ、阪神大震災、そして少年事件被害者と、誠実・真面目で、ていねいな取材をされる方で、とくに少年事件に、ほんとうに少年の目線から接近されていました。お子さんは私のところより小さかったのではなかったでしょうか。一度、いっしょにキャンプでも言って、だらだらとビールを飲みたかったのに。子どもを、中高一貫にやるか、私立にやるかという話をしたとき、中高一貫出身の私が、「子どもはのびのび公立がいい」と言ったのにたいし、「厳しい生存競争があるけどね」と、笑いながらいっておられたのを思い出します。
最近は、闘病生活をおくっていることを人づてには聞いていましたが。あまりにも早すぎます。連絡をとったのは、現代の連載のさいに、はがきのやりとりをしたのが最後でしょうか。最近の、二者択一を迫られる、メディアの状況を、どんなふうに感じておられたのでしょうか。ご冥福を祈ります。
リンク: @nifty:NEWS@nifty:フジTVとライブドア、資本・業務提携合意を発表(読売新聞).
結局、ライブドアは何をしたかったのでしょうか。フジは何を守りたかったのでしょうか。残ったものは、フジが高い高い授業料を払ったと言うことなのでしょうか。何か、すっきりしないものだけが残った。フジvsライブドア事件でした。誰が得をしたのか。お金がこれだけものを言う社会というのも少し悲しい気がします。
大学の恩師筋の方からいただいた本です。京都大学教育学部2期生有志著です。1950年に入学した方たちの本ですから、計算してみると私は29期ということになるのでしょうか。本のコピーは、「いまだから、伝えたい。戦後、激動の改革期を生きた「あの頃の大学生たち」、今日の大学改革・教育のあり方を考える」「草創期の気概にみちた大学教育。ひもじいが、読書し、思索し、友と語らい、天下国家を論じた大学生たち。戦後の激動の時代に、学生として生きた著者たちの熱い思いから、21世紀の教育のあり方を考える」とあります。大学が新制大学に変わり、日本が大きく教育改革をすすめたときの話です。
大学教育を考えるとき、ずっと気になっているのが教養教育という問題です。これは何度か書きました。村上龍の『半島を出よ』にも、ナチスやフセインなど独裁政権が崩壊したのは、教養の差が出たからといった記述が出てきます。たしかに、この困難に時代を生き抜く力と教養という問題は、無関係ではないと思う。
ならば、あの時代の学生たちは、教養と言うことをどう考え、何をどう学んだのか? いまの時代に生かすという点では簡単に答えは見つからないだろうけど、そんな問題意識で、ぱらぱらと読んでいます。私の近場の専門誌に紹介の一文を書くつもりです。
草取りのあと、ただちに仕事へ。やっと座談会を決着をつけ、いま帰りの電車のなか。休みの日の出勤のときは、取材以外はラフか格好にしている。今日もジーパンにティシャツ、よれよれジャケット。髭もそらない。ささやかな抵抗?である。
今日は朝から草取りた。団地を共同で管理する管理組合は、その活動の一環としてみんなで、草取りをする。草木も自主管理だ。管理組合活動もけっこうたいへんである。みんなの財産を区分所有法という法律にもとづいて管理する。
近所づきあいをきちんとできるのは利点だ。今日、草取りをしながらおしゃべりをしたのは、ある外資の系列下にある大手流通の本部の人。自分の知らない世界が垣間見えて興味深い。
昨日、2005年版の「外交青書」が出されました。「日本の国連安保理入り」を最重視した内容になっていますが、同時に「東アジア共同体」づくりに言及しています。たとえば、EUの出発点は、独と仏のふたたび戦争をしないための関係づくりから出発している、いわば不戦の共同体です。これにたいし、青書は、あいかわらず、日米同盟を絶対視し、むしろアメリカのための自衛隊の海外派兵を「世界のなかの日米同盟」を具体化した「典型」ともちあげています。不戦の共同をきずくとき、歴史認識問題は、避けて通れません。町村外相は、昨日の国会で、ドイツとの違いを問われ「単純にドイツとの比較はいかがなものか」「日本とナチスは違う」と答えているのです。
さて、外相の中国訪問です。どんな事態になるのか。今日も中国でははげしい反日デモが繰り広げられました。暴力事件など問題はたくさんありますが、日本政府がこの溝をうめようとしないのは心配です。これでは東アジア共同体などは夢のまた夢です。
今日、なんとかGWの後半に、キャンプ場を予約しました。ずいぶん久しぶり、学童キャンプをのぞけば、一昨年の夏に家族でいったキャンプ以来でしょうか。久しぶりにのんびりしたい。それをめざして、まず今月、乗り切らなければなりません。
新聞に今年のGWは連続6・3日休みと載っていました。29日、30日、1日、3日、4日、5日、7日、8日と。私は29日は取材です。30日も仕事で、1日はメーデー。7日も8日もすでに仕事が入っています。3連休ぐらいは休みたいですが、どうでしょうか。キャンプでも行きたいんですがね。
できることなら、休みたいほど、だるいが、がんばって仕事。集中しろ! インタビューを仕上げて、座談会にとりかかる。
知り合いのフォトジャーナリストから電話。今から一ヵ月アメリカで取材だと言う。来月にはアメリカでNPTの会議もあり、大きな反核平和の国際行動も予定されている。
米国防総省元日本部長・ポール・ジアラ氏「辺野古への移設計画はすでに死んでいる。この計画は全く非現実的だ」、元国防次官補代理・カート・キャンベル氏「別の案の決定に向け日米間の緊密な対話が進んでいる」「2、3ヵ月で具体化するだろう」など、識者の判断も「普天間基地の辺野古への移設は無くりつつある」ということです。しかし、日本政府は正式に「辺野古移設断念」と発表はしていません。それどころか、政府・那覇防衛施設局は、来週にも辺野古への海上基地建設のためのボーリングを強行することを明らかにし、今回は阻止行動をおこなっても強行する覚悟でいるといわれています。
琉球新報は、今日、「21日にも台船設置 辺野古沖調査」と伝えています、「掘削作業の前段で、リーフ外での作業の足場となる台船の設置作業が21日にも行われ、本格的なボーリング作業に着手する」というのです。今回は、大がかりな人数でやってくるという情報もあります。地元の人たちは、「(辺野古断念は)市民を一喜一憂させ混乱させ分断を狙う『陽動作戦』。『本丸』はやはり辺野古。陽動作戦は許さない」との決意です。全国からの連帯が緊急に求められています。
いよいよ明日、衆院憲法調査会は、5年間の調査を終了し、報告書を議長に提出します。調査会は、午前10時から開かれ、最終報告書(案)にたいして、中山会長の「まえがき」と各会派代表の意見表明が付け加えられ、報告書議決後(共産、社民が反対)、議長に提出されるそうです。
調査会の報告そのものは、国会法や申し合わせで決められた権限を大きく逸脱し、改憲へと誘導する内容をもっています。同時に、改憲勢力にとっても、この課題の困難さをしめすような、「後退」?とも言える? ためらいなども感じさせる部分がたくさんあるようにも思えます。国民の改憲にたいする具体的なイメージと、改憲勢力の思惑とは大きな乖離があると言えるでしょう。
5月3日には、今年も憲法集会が、共・社両党をふくめ開催されます。ぜひ大きく成功させたいものです。
2005年5・3憲法集会
* 日時:5月3日午後1時30分開会
会場:日比谷公会堂(第2会場も用意します。)
* 入場無料 * 手話通訳あります
* 主催:2005年5・3憲法集会実行委員会
http://www4.vc-net.ne.jp/~kenpou/
今日の、朝日新聞に、「米第1軍団司令部の座間移転、政府が受け入れへ」という記事がのっています。米陸軍第1軍団とは、「アジア太平洋地域の紛争に増派部隊として即応するのが任務で、48時間以内に現場に展開、米太平洋軍司令部の指揮下に入る」部隊です(西日本新聞より)。陸軍の緊急展開部隊と言えます。これまで自衛隊や韓国軍と朝鮮半島有事を想定した合同訓練に加わったこともあるそうです。
これまで日本には、沖縄に第三一海兵遠征軍司令部、横須賀に第七艦隊司令部、横田に第五空軍司令部が存在。第一軍団司令部の移転によって、陸・海・空・海兵の米四軍すべての前線作戦司令部がそろうことになります。
これらの部隊はいったいどこに向かっているのでしょうか。アジアとの関係を考えるとき、いまアジアにうまれている平和な地域間関係をつくりあげることに貢献できるのか? これは重要な問題として考えなければならないと思います。
昨日、めずらしく夢を見ました。下宿生活をはじめた長男が、休みに帰ってくる夢です。ところがしばらくすると、その息子の姿が小学校低学年のころに変わっているのです。ちょっと恥ずかしい夢です。なかなか、子離れできませんね。
二男のほうは、最近はすれ違い生活です。中三で、塾などもあり、なかなかゆっくり話す機会がありません。もっとも向こうは、父親はうざったいんでしょうが。ただ、いろんなことを話さなければと思うのだけれど、どう話していいのか、とまどうばかりです。考えてみれば、私の中・高時代は、父親とは一言も話をしないという関係でした。生活サイクルもあり、母親ともほとんど話した記憶はなく、おそらく母親は、いつも不機嫌な私をみて、ハラハラしていたんだろうなと思います。そんな経験しかないので、子どもにどう接したらいいのかよくわからないというのが正直なところでもあるんです。まあ、あまり構えないようにとは思っていますが、少しでも、子どもの力にはなればとは思うのです。
午前中は、インタビュー原稿と引き続き格闘。午後は、シンポジウム形式の座談会の収録です。予定を大きくこえ4時間近くになってしまいました。インタビューもまだあがっていないのに、この座談会を30ページほどに5日ほどでまとめなければなりません。論旨は明快なので、それなり構想はあるのですが、実際の作業はたいへんです。そのうえ、発注している原稿も、数本ここ数日のうちにとどくでしょうから。これから1週間は、ほとんど地獄の日々になりそうです。よって、しばらく休めそうにありません。トホホ……。
綿井健陽さんの「Little Birds」というドキュメンタリーがまもなく封切られます。同じ、大阪出身で、しゃべっていてもところどころ、大阪弁が出るところがなんとなく、うれしいです。
イラク戦争で、現地での取材をつづけ、攻撃される側から、この戦争の真実を伝え、2003年度「ボーン・上田記念国際記者賞」 特別賞と第41回(2003年度)「ギャラクシー賞」(報道活動部門)を受賞。みなさんもテレビで見たことがきっとあると思います。今度も映画も、戦争下の家族を追ったものです。今週のニュース23に登場し、この映画の家族と衛星回線で対話もするそうです。
71年生まれだから私よりも、14も年下です。仕事でごいっしょしても、はっきりと自分の意見をいい。ほんとうによく勉強していると頭がさがります。戦争報道という困難な現場で活動されているだけあって、事実を追求する姿勢は、だれにも負けないものが感じられます。暴力団などの取材で有名な溝口敦さんが、自分の取材がどんなに危険でも、戦争報道には比べものにならないとどこかで書いておられました。こういう若者から、私も大いに刺激をうけ、いっそうがんばりたいと思います。
満開だった桜も、今朝見ると、すでに葉桜に。雨に舞う桜の花びらは、少しもの悲しさを感じます。でも、新緑の季節も嫌いではありません。
仕事はあまり順調ではありません。納得のできないことが少なくないというのが、実際です。こんな仕事をしていると、いまの日本社会の「闇」ばかりが見えてきます。なぜ、こんな不正義と不公正が許されるのか……。では、どうすればいいのか。その道が簡単に見えてこないことへの苛立ちばかりです。自分は、その答えをだせるわけではないのです。が、イライラするのはどうしょうもないんでしょうね。雨のせいかもしれません。
リンク: @nifty:NEWS@nifty:フリーター、国挙げて正社員化=来月にも「宣言」採択-厚労省(時事通信).
厚生労働省は11日、「フリーター」と呼ばれる非正規雇用者や無職の若者の社会的自立を促す施策の素案を作成、公表したそうです。日本経団連の奥田碩会長を議長に官民・労使の代表でつくる「国民会議」の初会合を5月にも開き、パート、アルバイト、派遣社員などを正社員化する取り組みをすすめるため、雇用対策を核に、将来の社会経済を支える人材を国を挙げて育成するための「国民宣言」の採択を目指すといいます。
たしかに、青年雇用の実態は、すでに日本社会の存立を脅かす、重大事態になっていると思います。問題は、なぜ、このような異常な事態がすすんだのかです。実際に、奥田さんのトヨタのラインも、多くは請負労働者がしめる実態があるのですから。はたして、実効ある政策をうちだすことができるのか。注視したいと思います。
中国での反日運動が大きな問題になっています。ついに暴力事件にまで発展してしまいます。こうした事態は、私もたいへん心配です。今日の新聞の社説は軒並みこの問題をとりあげています。社説についてのコメントは、メディアの海をどうぞ。
日中両国で、偏狭なナショナリズムが相互に昂進することは、どうしてもさけなければなりません。両国の政治は、この点でお互いに努力するべきだと思います。ただ、よく考えてみると、中国の反日運動の主張の中心は、教科書問題や首相の靖国参拝など日本政府の歴史認識にあります。だとすれば、暴力の抑制などはあるていどできても、本質的な解決は中国政府の努力だけでは不可能ではないか。
一方で、中国は、いま周辺国との平和外交に力をそそいでいます。今日の新聞には、中国とインドの間での国境交渉の基本合意が報道されていました。そして温首相の南アジア訪問です。この両国は、TAC(東南アジア友好協力条約)に調印し(日本もおくれて調印したのですが)、東南アジアの集団安全保障づくりに力をそそいでいます。これに比して、日本と中国との関係はどうでしょうか。中国政府にとっても、日本政府の歴史認識の問題は頭の痛い問題なのではないでしょうか。私には見えてくるのはアジアのなかで孤立する日本のなのです。
今日、若者相手に話した中身の1つに安保条約の話があります。安保条約には、その出発、旧安保の段階から、極東条項があります。でも冷静に考えると、これはおかしな条項でもあるんです。アメリカと日本の条約なのに、なぜ、極東における国際の平和と安全」なのでしょうか。他の国から見れば大きなお世話でしょう。そうです、安保条約の出発から、日本はアメリカの側に立って、ある意味ではアジアと対立することが義務づけられていたのです。
今日、日本は韓国や中国のあいだで、大きな問題をかかえています。政府や新聞は、冷静な議論をとよびかけます。でも、考えてみれば、日本の特殊な歴史認識=侵略戦争に対する総括というのは、アメリカの庇護のもとで、形成されたものであり、そのアメリカとの関係で、アジアとの対立する外交をつくりあげてきたのです。冷静な議論も必要でしょうが、まず問われているのは、そういう日本外交のありようについての総括なのです。
午前中は、学習会の講師。なかなか、うまくいかないものです。人を引きつける話っていうのはそう簡単にできるんものではありません。学習会のあとはだいたい落ち込みます。そもそも人とつきあうと、私はたいてい落ち込みます。仕事も、雑誌の編集なんて、人格の切り売りだって。人に言われたことがありますが、1冊終わったら後悔だけが残ります。近所の人づきあいも同じかもしれません。自分がうまく立ち回れたのか、どんなときもだいたい落ち込みます。でも、いつのころからか、「なあいいか」という技術を覚えることができました。自分の立ち回りがふさわしくなくても、1割2割、きっと意味があるんです。だから、まあいいかです。そう考えると心が軽くなるし、悩んだりしている自分もいとおしく思えたりしています。今日の学習会も、少しは、役に立ったかもしれないなあって、思いながら。ポジティブに生きることも案外大切かもしれませんから。
吉本興業の名プロデューサー、木村政雄さんが「マガジン9条の会」のホームページで、「大阪力が日本を救う」と題して、9条について語っておられます。曰く「勝ち負けを決めないか、自ら負けていくのが大阪のやり方」「幸せの価値観をそろそろ変えた方がいい」という主張は、全面的に共感です。これこそ大阪人の魂ですね。ディープ・大阪出身の私としては、うれしい限りです。
今日も、仕事でした。午前中はインタビュー原稿と格闘。午後からは、それを中断して、明日の講義の準備です。思いの外時間がかかってしまいます。そして、明日は講義です(仕事)。
どこかで休んだ方がいいなとは思います。ただ、生活にはメリハリをつけながらも、肩の力をじょうずに抜きながらも、背筋をピンとはった生活はしていたいなとこのごろ思います。とくに、子どもたちが、なかなか、将来に夢をもったり、こんなことをしたいという思いを強くもっていないだけに、何かしら親の姿をうまく伝えられたらと思います。
村上龍の『半島を出よ』をいま読んでいますが、2011年、世界からも孤立し、閉塞した日本の姿が描かれています。そこに生きる人々には生きる意欲はありません。これがリアリティがあるのです。肩を抜く、メリハリをつけるのは案外むずかしいのですが、うまくやれればなんて感じています。
つくる会教科書問題をアジアはどう見ているか。中国の人民日報は、「日本の右翼教科書は反面教材」と題する評論員論文を掲載しています。その内容を紹介すると……
日本で4年に1度行われる教科書検定が4月5日に終わった。右翼勢力の支持を受けている「新しい歴史教科書をつくる会」(略称・つくる会)が編纂して史実を歪曲した「新しい歴史教科書」も検定を申請して合格した。
……侵略を美化し、史実を歪曲し、罪の責任から逃れようとする日本の右翼教科書は、人類の正義と良知への挑発であり、被害国人民の感情を著しく傷つけるものであり、また日本の青少年の思想に対しても有害だ。これが中国人民を含むすべてのアジア被害国人民の、強く激しい非難を浴びるのは当然だ。もちろん、一般の教科書をどう編纂するか、そうした教科書をどう検定するか、青少年をどう教育するかは、確かに日本人自身の事情である。だが、この日本の教科書は普通の教科書ではない。これはアジア近隣諸国に関する記述や、日本軍国主義の対外拡張という歴史的事実の粉飾、改ざんにかかわる問題だ。これは明らかにすでに日本の内政の範囲を超えており、日本と近隣諸国との関係や、近隣諸国の人民の感情を傷つけるか尊重するかにかかわることだ。
……教科書問題の本質は、日本が日本軍国主義による侵略の歴史を正しく認識して対応できるかどうかであり、正しい歴史観で若い世代を教育できるかどうかである。日本政府がこの分野で大きく後退したことには、警戒を禁じえない。
読売が恒例の憲法意識にかんする世論調査を発表しました。今朝の新聞では、「憲法改正『賛成』二年連続六割超す」「改正論議活発化に期待」「『現憲法に限界』認識定着」という文字が踊っています。たしかに調査では、今の憲法を改正する方がよいは六〇・六%にのぼっています。もともと、読売のこの世論調査は、1つ1つの質問がきわめて、誘導的な内容となっています。だから、全体として改憲世論が高まっているように感じるのですが、よく見てみると、強調したい理念や考え方では「平和の大切さ」が六八%で断然トップにあり、平和憲法への信頼が読みとれます。そして焦点の九条については、「解釈や運用で対応するのは限界なので、憲法第九条を改正する」は四三・六%で、「これまで通り、解釈や運用で対応する」二七・六%と「憲法九条を厳格に守り、解釈や運用で対応しない」一八・一%という九条を変えないという意見の合計四五・七%より、今回の調査でも少ないのです。読売の調査でさえ、依然、九条改憲反対が多数派なのです。
教科書検定の結果を韓国の人々はどう受けとめているんだろうか。そう思って、韓国の新聞をホームページでしらべてみた。6日の新聞社説は以下の通りだ
【朝鮮日報】日本の次世代が心配だ
3月17日の「侵略の歴史を美化する日本の教科書が、修正されないまま通過する公算が強く、憂慮される」との韓国政府の談話に対し、日本の中山文部相は「韓国の心配に配慮する」とした。
しかしこの言葉は嘘だった。 ……
【東亜日報】再び日本市民の良識に期待する
昨日、日本文部科学省が、06年から使用する歴史・公民などの教科書の検定結果を発表した。韓国は、検定内容が悪化した韓日関係の復元の重大なヤマと見て注目してきた。しかし、発表内容は一言でいって、失望的だった。 ……
【中央日報】教科書わい曲、日本政府が主導したのか
「独島(ドクト、日本名・竹島)は日本領土」など問題となっている日本教科書のわい曲された記述が、文部科学省の主導によって行なわれたもの、との疑惑が浮上し、波紋が広がっている。それが事実ならば、重大な事態となる。 ……
ローカルネタで申し訳ありません。5月14日午後に、高谷清さんの講演会が鳥取で行われます。
「2005takaya.pdf」をダウンロード
滋賀県の大津に近江学園を開き日本の障害児教育のパイオニアと言うべき糸賀一雄さんの思想と生涯を一冊の本にまとめられました。ぜひ、お近くの方はどうぞ。
暑い一日でしたね。花粉症がほんとうにひどく、抗アレルギー剤と抗ヒスタミン剤の副作用で、もうフラフラです。そんな最悪の体調ですが、取材の一日でした。午前中は、会議の報告を聞くばかり。午後からは、あるメディア政治部のOBの方の話を聞いてきました。巨大組織メディアの政治部が、政治と渾然一体化していくなかで、敢然とたたかった勇気あるジャーナリストの大先輩です。当時の話や、その後今日にいたる巨大メディアと政治との関係の実態をいろいろ伺ってきたのですが、あらためて、日本社会のもつ闇をかいま見た思いがしました。
昨日、文部科学省が来年度から中学で使われる教科書の検定結果が公表されました。侵略戦争を美化する「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書、日本国憲法を否定し改憲をすすめるといっていい同公民教科書も検定を合格しました。戦争責任資料センターのホームページに、 「つくる会」歴史教科書はこう変わった!(インターネット版) 、 「つくる会」教科書問題についての共同アピール、「つくる会」教科書の問題点などがすでにアップされています。すでにつくる会の教科書が、ルールをやぶって学校の教師などに配布されていたことが明らかになっていますが、白表紙本段階での前回の記述との比較もふくめ、同ページでは、今回の教科書の問題点を明らかにしています。
マスコミ9条の会の集会に行ってきました。会場いっぱいの参加者で、おくれていった私はしっかり、立ち見でした。詩人の大岡信さん、漫画家の石坂啓さん、脚本家のジェームス三木さん、教科書ネットの俵義文さんの4人が発言した後、桂敬一さんのこの間の新聞がどのように憲法をあつかってきたのかという講演がありました。詩の朗読、漫画家らしいシニカルなコメント、そしてユーモアたっぷりの話、今日解禁となった教科書検定の報告と4人の発言は、それぞれ個性的でした。桂さんの講演はいつもながらシャープで、地方紙の奮闘など全国的な特徴を指摘した後、読売への警鐘と、朝日への激励と疑問をいくつかの実例を紹介しながら指摘されていました。軍事時大国化をすすめる政府を先取りする読売の動きを紹介するとともに、マスコミ人の良心として、3月の読売の夕刊に、在日の都職員の管理職採用をめぐっての裁判の、原告本人の「日本国憲法の輝きを手に」という記事を掲載していることを紹介したことなどは勉強になりました。
@nifty:NEWS@nifty:マスコミ九条の会を設立(共同通信)
読書の一日。実務を処理しながら、インタビューの準備のための読書の一日。と同時に、帰りの電車のなかでは、村上龍の『半島を出よ』を読み始めています。現在、おこっているいろんな事件をつなぎ合わせると、何を読みとることができるのでしょうか。おそろしい近未来小説だけど、とてもリアリティがあったりします。長編小説を、こつこつ読むことになるのでしょうが、十分楽しませてくれそうな予感です。感想は、これも後日。
10日にまた、青年たちを相手に話をする。そろそろ準備をと、仕事を終えて家に帰ってきてから、準備にとりくみはじめた。今回のテーマは、「イラクのように日本も以前アメリカ軍に占領されていた」というものだ。いまの青年たちと話をしても、日本はなぜこんなにアメリカのいいなりになるのかということは疑問に感じている。
できれば、日本のこのような、アメリカ追随の出発点にあった、占領という時代や、サンフランシスコ条約と日米安保がつくられた時代=吉田外交の時代の特徴をわかりやすく話をできればと思っている。ポイントになるのは、日本の再軍備の経過になるんだと思う。
もう1つは、その後、現在にいたる経過をうまく説明できればと思っている。とくに軍事面で、アメリカの基地というものが、どのように展開しているのかという点だ。米軍と自衛隊の基地の共同しようが異常に拡大し、内容の点でも、米軍の”殴り込み”戦略の強化が図られている点などだ。イラクのファルージャ攻撃をすすめた第31海兵遠征隊などなど。そして、米軍再編をどう読むか。日本の米軍基地は、世界でもまれにアメリカの軍事戦略の強化のための重要な役割をはたそうとしていること。そのなかで、憲法の問題や防衛大綱の問題なども話せたらと思っている。わかりやすい、図表や写真を駆使してできればと思っていて、いろんなデータを整理しはじめているところ。どこまで準備できるかな。その成果はまた後日。
理由もわからず15年監禁された男の物語ということ以外は、何を書いてもネタバレになりそうな作品です。2時間あまりの時間、まったく飽きさせない仕上がりです。娯楽サスペンスでも、ドラマでも大事なことは、人間がどう描かれているかでしょうが、韓国映画のこの点での成果はみごとなものがありますね。俳優さんたちの存在感は抜群です。たとえ突拍子もないようなストーリーだとしても、登場人物の愛憎や葛藤が、びんびん響いてくるのです。
今日、長男の引っ越しだった。私も18歳のとき、一人暮らしをはじめた。それから29年。長男とももしかしたら、もう一緒に暮らすことはないのかもしれない。門出の一日であった。
赤ちゃんのときから、母親が、夜勤のある仕事だったので、小さいときは、週2~3回、私と2人で暮らした。小さいときから、私は、彼にとって父親か母親かわからない存在だった。それだけに私も、彼の小さいときのことはほんとうによく覚えている。はじめて歩いたとき、病気にうろたえたとき。小学校、中学時代も、いろんなことがあった。学校にいかなくなったときのこと。親に反発し、家中の壁やドアにいくつもの穴ができた。いつもハラハラし、オロオロした。高校時代はほんとうに勉強をしない生活だった。とても自信のもてる子育てではなかったけど、自慢の子に成長してくれた。はたして、どんな学生生活をおくるのだろうか。主のいなくなった部屋をみるとちょっと寂しい気分になる。まだまだ支えていかなくてはならなのだろうが、これからの日々が実り多いことを願う。感傷的な気分の一日だった。
いやー、参りました。すごい映画(DVD)でした。雪に閉ざされた豪邸でおこる密室殺人という感じのコミカルなサスペンスですが、登場する8人の女たちの個性的で魅力的なこと。強く、したたかで。びっくりするのが登場する女優さんが、実際の年齢よりはるかに若く、魅力的なこと。もう参っちゃいます。やはり女性の時代です。
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