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2005/03/15

9条が世界を変える(2)

 先日、かもがわ出版からだされたこの本の感想は後日と書いたので、今日、少しふれておきます。別に、この本の内容に不満があるわけではありません(笑)。たぶん、今年に入って読んだ本の中では、伊勢崎賢治さんの『武装解除』(講談社現代新書)とならんで、刺激的で、面白かった本だと思います。そして、この2冊には共通した思想があると思います。現実政治のなかで、日本がアメリカに追随して戦争政策をくいとめるためにも、憲法9条は変えてはいけないという点です。
 以前、紹介したように『武装解除』は、現実に紛争があった地域に国連の職員としていって、シオラレオネや東チモール、アフガニスタンでの武装解除をすすめるという経験にもとづいて書かれています。現実の政治のなかで必ずしも武力の保持や行使を否定しているわけではありません。しかし、9条をもつ国だからこそ果たせることがあり、9条を変え、歯止めないアメリカの戦争政策につきすすんでいくことに警鐘を鳴らしています。一方、松竹さんの『9条が世界を変える』は、現実の世界の政治の流れが、いかに9条の精神を必要としているかを、ハーグ平和市民集会やミレニアム・フォーラム、そして小型武器規制の世界的な動きのなかでの日本の役割から明らかにし、さらに実際に世界にある核や紛争、人道問題なども解決が求められる課題に対し、9条がつくりあげてきた力がこそが求められていることを世界の議論をとおして明らかにしています。
 武力の行使と武力による威嚇を禁じ、そのため武力の不保持を宣言した9条は、たしかに今こそ旬なのです。私は、そのとき軍の論理自体がもつ危険性そのものを直視することが大事だと思っています(『武装解除』にはそのことに言及した記述があります)。ドイツなどもともと、軍隊をもち、それを社会的に規制するシステムをもってきた歴史をもつ国に対して、日本はこうした点での議論(その在り方についての)は未熟だと感じています。自衛隊を是とする人たちと、9条の改憲を許さない共同を広げていこうとするとき、私たちは、そういう人たちを十分に包み込める、もっと成熟した、幅の広い議論ができるようにならなければと思うのです。

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