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2005年2月

2005/02/28

職業としてのジャーナリスト

0263970 岩波書店から「ジャーナリズムの条件」というシリーズとして出版がはじまった、第一巻『職業としてのジャーナリスト』を読みました。筑紫哲也さんの総論のほか、防衛庁リスト事件や、沖縄返還密約事件報道を検証したドキュメンタリー、薬害エイズ、水俣病報道の検証、台湾問題などⅠ章の「ジャーナリストの仕事」には、すぐれた報道をすすめたジャーナリスト自身がその経験やそれをささえたものが何であったのか、興味深く読みました。知らなかったことも少なくなく、励みにもなります。Ⅱ章では、「ニュース・バリューとは何か」と題して、ジャーナルズムをとりまく状況を、発信者自身が語っていて面白かったです。そして、Ⅲ章で「ジャーナリズムに求められているもの」経験のある大物ジャーナリストが、その在り方を問いかけます。ここのジャーナリストの奮闘は少なくありません。しかし、メディアをとりまく大状況はむしろ閉塞感のほうが大きいように思えます。日本の閉塞感をつくりだしている最大の要因でもあるように思えます。どこに、その打開の道があるのでしょうか。私は、大谷昭宏さんが書いていた「北海道新聞」と「高知新聞」の警察の裏金づくりを丹念におった話に興味が引かれました。

「ミリオンダラー」が主要4部門獲得…アカデミー賞(読売新聞)

@nifty:NEWS@nifty:「ミリオンダラー」が主要4部門獲得…アカデミー賞(読売新聞)
 最近は、アカデミーショーで注目される作品は、ほとんど事前に日本で公開されることが少なくなりました。この時期に公開することで、観客の注目を集めようというのでしょうか。結果、受賞作品は、ほとんどまだ見ていません。
 でも、ことしは、わりあいと真面目に、真正面から人物をあつかった伝記物が多かったのは、めずらしい特長だと思います。それがアメリカの何を反映しているのでしょうね。

2005/02/27

上田城

NEC_0010NEC_0011 家の用事で、信州上田に行って来ました。山の中の町、とても静かなところです。上田城跡にもいってきました。真田昌幸、幸村父子の城。この上田城でのたたかいで足止めをくったため、徳川二代目将軍秀忠軍が、天下分け目の関が原の合戦に、間に合わなくなったのは、あまりに有名ですね。私が生まれ、育った大阪天王寺には、茶臼山というところがあります。大阪夏の陣で真田幸村が陣をはり、奮戦したところです。上田の町にも少し親しみを感じました。

2005/02/26

府中ビエンナーレ

NEC_0012  「第2回府中ビエンナーレ――来るべき世界に」を見に、府中市美術館に行って来ました。若い8人の芸術家たちによる展覧会です。会場入り口は、照屋勇賢さんの、昨年8月の沖縄・宜野湾の国際大学への米軍ヘリ墜落をモチーフにした作品です。僕は、正直、美術はよくわかりません。ただ、作品の多くは、なんとなく作者の思いが伝わってきて、面白かったです。石川雷太さんの武器をあしらった作品や、磯崎道佳さんのモップ、安岐さんの子どもの手形をあしらった作品、池田さんの各地での窓を通して人の動きを伝える映像、ご存じ桃色ゲリラの増山麗奈さんの平和の主張! その他……・
 若い人の感性、そして、それを表現しようと言う、姿勢やその過程にあるだろう葛藤にはほんとうに学ばなければという思いを強くもった2時間でした。

14歳からの仕事道

4652078064 玄田有史さんの『14歳からの仕事道』という本を読みました。私の二男も14歳。何事にも意欲のないような、自信なさそうな姿は心配のたねです。将来にも希望のないような……。そんな14歳にたいして、どんな言葉をもてばいいのか、そういう問題意識で読んだ本です。
 玄田さんの本は、『仕事の中の曖昧な不安』や『ジョブクリエーション』ではやられたと思いました。『ニート』では、この人の若者にたいする目線の確かさと、やはり、教育の専門家でないためか、単純に兵庫のトライアルウイークを評価する点などには、不安を覚えました。職場体験のとりくみは、子どもにとって意味をもっていくためには、前後のとりくみもふくめ、教育現場の努力なしには成功しないと思います。そのあたりの分析はありません。
 この本はどうでしょう。14歳への応援歌でもあります。ただ、これが14歳にとどくのかどうかは自信がありません。14歳には14歳なりのいきづらさがもっとあるように思います。そのいきづらさを私たちはもっと聞き出さなければなりません。でも、この本は、私はすごく励まされました。私たちがもっと自信と勇気を持つことが前提なんだと思います。まず、14歳にたいしては、そこからはじめなければなりません。

オウム10年

 この3月で、地下鉄サリン事件から10年になります。昨日の朝日新聞のオピニオンの欄で、その特集が組まれていました。江川紹子、森達也、宮台真司の3氏の意見が掲載されていました。三氏に共通する、「『どう生きるか』に迷う若者たちにどう応えるか」という課題に応えてきたのか、つらさより「つまらさは深刻」、理解できない他者をひたすら憎み、排斥する姿がそこにあったなどの問題提起は、いずれも共感できるものです。
 いま、若者のたちのなかで、しずかに広がっているように思えるナショナリズムのなかにも、同じような形のニヒリズムがあるように思えます。僕らが若いころ味わったのと違う、閉塞感、絶望感がただよっているのでしょうか。僕らは、そこに心を通わすような言葉を見つけなければなりません。

2005/02/24

リベラル・アーツ(その2)

kyouyou  『教養の再生のために』(加藤周一、ノーマ・フィールド、徐京植)を読みおえました。わりあいとオーソドックスな教養論なのでしょうね。加藤周一さんのお話を読んでいると、発せられる言葉の重みというものを感じます。世界的、歴史的な視野でものごとをとらえているからなんでしょうか、1つひとつの言葉がいつまでも心をとらえて話さないという感じがします。文章を仕事にしている人間として、すごく反省させられるというか、自分も少しでも、そういう思想を語れるようになりたい(とても無理なんですが)とは思います。
 ノーマ・フィールドさんの話は、短いものですが、刺激に満ちていました。想像力という言葉には、私もこだわりたいと思います。予想以上に面白かったのは、(もちろん、もともと大好きな人なのですが)徐京植さんのものです。加藤さんや大江健三郎さんの師である渡辺一夫先生や、ブリーモ・レーヴィの話は、私自身直接、読んだことがないので、ちょっとそそられました。読書っていいものですねと、純粋に思います。
 ただ、民主主義の成熟というものを考えたとき、この教養のハードルはとてつもなく高いなあと感じてしまいます。そのあたりも探ってみたい課題です。

普天間、嘉手納のいま

 23日から沖縄・普天間基地では、昨年夏の墜落事故と同型のヘリの訓練が再開されました。小学校の上空をも飛行する訓練です。先日、判決があった嘉手納基地では、住民の気持ちを逆なでするように、夜間もふくめた戦闘機の離発着がくり返されています。「2プラス2」で、日米同盟が大きく変質に踏み出そうとしているいま、沖縄の現状はきわめて重大です。しかし、本土のマスコミは、このような検証がまったくありません。
 現地のメディアの報道の見てみると、同じく国のものなのかといつも愕然としてしまいます。たとえば、嘉手納基地のいまのリポートが琉球朝日のステーションQのホームページに動画で掲載されています。一見の価値があります。
アドレスは、http://www.qab.co.jp/01nw/05-02-23/index7.html

東京新聞の憲法連載

 最近、新聞各紙では、憲法に関する記事が多く目立ちます。その多くが、自民党や民主党などの改憲勢力の動きや主張を伝えるもので、まるで、改憲の「広報紙」になったのかと思わせるような傾向が目立ちます。
 そのなかで、ちょっと注目できるのが、東京新聞の憲法連載です。2月1日からはじまっているのですが、憲法の前文から、逐条的に検証しようという企画です。もちろん、憲法を守ろうという企画ではないし、憲法を生かすため、現実との乖離を検証するものというのでもありません。だから、内容そのものは、すべて共感できるというものではないのですが、ただ、丁寧に、逐条的に議論を紹介しているのは面白いと思います。
 憲法と言っても、その文章をすべて読んでいるという人は少ないと思います。東京新聞のホームページにはバックナンバーもすべて掲載されているので、この機会に、憲法を読んでいくのもいいかもしれません。いかがでしょうか。

2005/02/23

皇太子の発言

 最近、皇室の発言がワイドショーはじめ、ニュースをにぎわしています。そして、昨日、今日の発言です。昨日の発言で、興味深かったのは、米国の教育学者ドロシー・ロー・ノルトの詩「子ども」の紹介です。スウェーデンの「あなた自身の社会」という教科書に掲載されている詩です。子どもを発達の主人公としてあつかったとてもいい詩です。
 こういう詩が皇太子の口から発せられるとき、いろいろな感想をもたざるを得ません。この間の経過がありますから、皇太子の発言は、天皇家のなかでいっていの調整がされていることが想像されます。この詩は、昨今の、教育基本法や愛国心などのめぐる議論の基礎にある子ども観とは、真っ向から対立します。そこからは、こういした議論に、天皇家を巻き込んでほしくないというメッセージのようなものを感じざるをえないと言えば深読みでしょうか。こうした発言にたいする共感とともに、ある意味では政治的な発言とも評価せざるをえないような「危うさ」も、同時に感じざるをえない、とても複雑で、ナイーブな問題も同時に感じるのですが……・

2005/02/22

Tさんとの再会

 昨年まで、近所に住んでいて、保育園や学童保育の仲間だったT父と、職場近くでばったり再会。ほぼ1年ぶりでした。子どものことがあって、子どもたちを賢治の学校というフリースクール(自主学校)へ通わすため、多摩のほうへ引っ越していきました。昨年秋には、お昼の番組で、お子さんとT母がテレビに映っていたそうです。みなさん元気にしているそうです。
 賢治の学校は、私も一度見に行きたい学校です。鳥山敏子さんの授業は見てみたいですよね。私は共同通信の横川さんのルポルタージュのなかでしかしりません。
 Tさんちは3番目のお子さんも、この春から小学生。自主運営の学校ですから、3人を通わせるとなると、バカにならない学費?です。T母も、この2月から、仕事に復帰したとのことです。いずれまた、Tさんちの生き生きしたたよりが、届くことを心待ちにしています。

2プラス2

 いわゆる「2プラス2」、日米の外務、防衛担当閣僚による日米安全保障委員会が20日までおこなわれ、「共同発表」の文書が発表されました。片や米軍のトランスフォーメイションと基地の再編、片や新防衛大綱の策定など、日米の軍事=安全保障政策はいま、大きく変わろうとしています。そのとき日米で一体何が合意されたのでしょうか。
 発表文書を読んで見ると、「日米同盟関係が…地域及び世界の平和と安定を高める上で死活的に重要な役割を果たし続けることを」という下りです。いつのまに、日本は「世界の平和と安全」のために、軍事同盟にもとづいて行動する国になったのでしょうか。しかも対「テロ」戦争のため、「軍事力の近代化を」すすめることも誓約し、台湾問題をあげることで、文面からは、日米の共通の敵として中国を想定しているとも読める文章です。
 改憲論議が華やかな昨今ですが、同時に、安保=日米軍事同盟の性格がいま大きく変わろうとしていることは、よく見ておかなければならないではないでしょうか。

2005/02/21

労働組合について

 作家の村上龍さんが発行するJMMというメール雑誌があります。村上龍さんの質問に、雑誌づくりに参加するエコノミストたちが回答していく形式の雑誌です。そこで、今回のテーマは、「日本の労働組合に未来はあるのか」でした。
 一線のエコノミストたちなので、どんな回答するのかと思いましたが、読んでみると意外や意外です。共通しているのは、このグローバル化時代に、労働組合が役割をはたさなくて、「労働者の権利を守ることができるのか」という問題提起です。そして論者たちは、日本特有の企業内組合という形態や、企業と癒着する組合のあり方に、疑問を投げかけていました。中には、『沈まぬ太陽』の恩地元のたたかいを紹介した論者もいます。グローバリズムのもとでは激しい競争を、経済のありようとしてどう評価するかは意見が分かれます。しかし、たとえ、それを是とする立場であっても、労働組合がふさわしい役割を果たさなければ、人間らしい社会はきずけない。この、あたりまえのことが、もっと社会全体で共有されるような状況をつくらなければなりませんね。興味深い、メール雑誌の記事でした。

リベラル・アーツ(その1)

 私が、学生だったころ、大学には教養部というところがありました。社会科学が3つ、人文が3つ、自然科学が3つ、外国語と体育と……。大学から、このような教養課程が消えて、もう随分たつようです。
 最近、リベラル・アーツという言葉や、教養という言葉が、また、少しですが論壇でとりあげられているように思います。この問題に私が関心をもつのには、いくつかの理由があります。たとえば、若い人といっしょに学習をしていても、いろんな問題で基本的知識がなく、なかなか共通の認識をとりにくい……。もちろん、だからと言って、今の若い人が能力が低いとは思いません。また、この点は、若い人だけではなく、もう少し年齢がうえの人の場合も共通しているのですが。
 もう1つ、自分の子どもたちと話をしていても、もう1つ、2つ何事にも意欲がないことです。長男は、将来の夢をもっているようですが、大人から見ると、すぐ吹き飛びそうな感じで、それにむけてのどん欲さというのはあまり感じられません。もちろん、この問題は、教養という問題でだけでは解けないようには思いますが、やはり、自由に、自立して生きていくうえでの基礎的なものが欠けているように思います。
 これらの問題は、日本の民主主義が成熟していくことと直接、関係しているようにも思います。同時に、この間の関心事の1つである「学力」の問題とも表裏一体の関係にあるのでしょう。そんな関心から、『教養の再生のために』(加藤周一、ノーマ・フィールド、徐京植)を読み始めました。何冊か、読んでみようと思っています。感想は、また、後日。

2005/02/20

流星ワゴン

 今日も、半日寝ていました。なかなか体がすっきりしません。めずらしく何もしない2日間です。
 さて、先日、重松清の『流星ワゴン』を読みました。この本は、実は読んでなくて、劇団銅鑼が舞台化するというので、文庫化されたので読んでみることにしました。
 作品のストーリーは、ひきこもり、暴力をふるう息子、浮気を重ねる妻、会社からはリストラ寸前…そんな37歳・秋。「死んでもいい」と思っていた僕は、ある夜不思議なワゴン車に乗り、自分と同い歳の父と出会った…。ちょっと幻想的な話、その文章のうまさには、つかれた気持ちはすぐ引き込まれます。ただ、重松さんの話は、いつものように登場人物はいい人なんだよなあ。僕はそこまで精神的に健康でないし、自分の親とも簡単に向き合えそうにない。自分の後悔を、自分をあらためることで、乗り切ることなんてできないし、そんなに簡単に人とわかりあえたりするのだろうかなんて思えてしまうのです。厳しい現実に前向きにやり直そうなんて、自分にはできないなあ。
 やさしい気持ちになれる、重松さんらしい作品ですが、何か逆に落ち込んじゃうところもある一冊でした。

2005/02/19

風邪ひいちゃいました

 ここのところ、ずっと調子が悪かったんですが……。昨日の夜ふかしがよくなかったのえしょうか、熱を出してしまいました。ほんと、くそ忙しい時期なのにね。困ったものです。あまり高い熱ではないの、インフルエンザではないようですが。誰かさんの風邪をもらったのでしょうか。
 ほんとここのところ調子が悪く、寝ることが多いのですが、今日は、12時間ぐらい寝てしまいました。

2005/02/17

安保が見える丘

P8080047 新嘉手納爆音訴訟は、騒音被害を認めたものの、身体被害認めず 飛行差し止めを棄却しました。沖縄の基地の実態をどれほど理解しているのでしょうか。
 さて、新聞の報道によると、この嘉手納基地の「安保が見える丘」が閉鎖されるそうです。現在では県道をはさんで、つくられた道の駅の屋上から嘉手納基地を見渡すことができます。しかし、安保が見える丘は、沖縄のたたかいにとっても象徴的な場所だったのだと思います。私も2度行ったことがあり、沖縄を体感した貴重な場所でした。現在は基地と丘の間にフェンスがあるのですが、米軍は、丘の外側に(県道側に)フェンスを移すというのです。
 写真は安保の見える丘から見た嘉手納基地です。 

ああ息子の学費

 カウンターをつけてみて、思いの外たくさんの人に見ていただいているのにびっくり! うれしいやら、恥ずかしいやら! コメントもいただきました。まつぼっくりさん、のっさんありがとうございます。これからもよろしく!
 さて、今日は、仕事をいつもより早めに切り上げて、よるにつれあいと重要な?相談。そう子どもの学費をどうするかの相談です。長男は、今春から大学生、中部地方某県の山のなかの田舎町にある、小さな私立大学に進学します。入学金に授業料、アパートを借りるお金、その他新生活にかかるお金もバカになりません。じっちゃん、ばっちゃんからのお祝いをあてにしつつも、なかなか巨額のお金が必要です。もちろん、子どものためですから、親の責任としてがんばるとつもりです。でもどうしてこんなに高いのでしょうか。
 こんな額では、子どもは学生のあいだじゅう親がかりです。ニートだとか、若者の自立の問題が大きな社会問題になっています。でも、こんな状況で、どうして子どもが社会の主人公として自立を勝ち取っていけるというのでしょうか。先日TBをつけてくれた大学の先生が、「貧乏人は大学に来るな」という状況があると書かれていました。同時に、若者にいつまでも、自立をするなといっているような社会の状況にあるような気がしてなりません。

2005/02/16

無駄な公共事業

 今日、報道ステーションで、無駄な公共事業についての特集企画をしていました。無駄につくられたリゾートを旅する企画で、今日のは、茨城編でした。33億円つかって、渡って、鐘をならして帰ってくるだけの釣り橋、7000万以上つかった、巨大獅子がしら、江戸の町を再現した誰も訪れないパーク……。あらためて驚きです。古館さんも言っていました。これで増税を言い出されたら絶対に納得できないと。その通りです。

ミサイル防衛

 政府は、自衛隊法を「改正」し、他国の弾道ミサイルをミサイル防衛(MD)システムで迎撃する際の手続きを簡素化し、首相の承認や防衛庁長官の迎撃命令がなくても、現場指揮官が迎撃を判断できるようにするそうです。いよいよ、日本は、ミサイル防衛に大きく踏み出そうとしています。
 もともと、このミサイル防衛は、SDI構想以来、技術的に疑問がもたれ続けている構想です。事実、先日も、アラスカ沖から発射した弾道ミサイルを太平洋上で迎撃する実験を行ったものの、迎撃ミサイルを発射できず失敗に終わりました(14日)。地上発射の迎撃ミサイルによる実験の失敗は、02年末、昨年末に続いて3回連続になるそうです。こんな不安定な構想に日本でも莫大な予算がつぎ込まれようとしています。しかも、日本のこれに参加する際、これまでの集団的自衛権の考え方や、文民統制の考え方が大きく変えられようともしているのです。
 私たちは、この問題を、決して軽視はできません。
 ただ、こうした議論には、必ず次のような疑問が出されます。「でも、ミサイルが飛んできたらどうするの」と。9条をもつ国に生きる人間として、この疑問にもしっかりこたえられる言葉を私たちはもたなければなりません。

国会周辺の風景

 仕事で、今日は、国会周辺でうろうろ。衆院での予算審議の真っ最中。たくさんの人でごった返しています。議員の部屋を回る若手官僚、陳情にやってくる一定裕福そうな人、そして、降りしきる冷たい雨の中請願デモをおこなう障害者団体の一群。日本の縮図のような光景がそこにありました。いま、今回はどんな役割をはたせるのでしょうか。

2005/02/15

カウンターをつけました

 カウンターをつけました。よくわからなかったので、結局、@homepageのものをつかっています。少しずつ、ブログのステップアップです。はずかし。

ライブドアvsフジ??

 ホリエモンのライブドアがニッポン放送の大株主になって、フジテレビとの間で、大きな争いになっていることが、話題になっています。これはまったく私が個人として感じていることですが……。
 フジは、ライブドアの経営参入を嫌って、ニッポン放送の株を25%以上占有する対抗措置をとり、ニッポン放送のフジでの議決権の無効化という対抗措置をとると言われています。同時に、ニッポン放送の株所有の寡占状況をつくって、上場廃止をねらっていると言われています。これはどういうことなんでしょうか。
 放送局というのは、もともときわめて公共性が高い事業です。この公共性をどう担保するのでしょうか。まず第一に、「市場」です。しかし、「市場」だけでは、えてして歪みが生じます。だからそのうえで、社会的な規制が必要です。
 日本の放送局の株については、最近も日本テレビをはじめ、社会的に決められたルールに違反する状況があったことが話題になりました。では、いま伝えられるフジの態度はどうなのでしょうか。上場廃止をねらうなどどう考えても、公共放送の在り方としてふさわしいとは思えません。たしかに、ホリエモンのやり方そのものには、いろいろな議論が生じるとは思います。私も彼が本音で何を考えているのかよくわかりません。しかし、どうやら、日本の放送事業というものがマスメディアにふさわしく開かれたものになっていないことだけは事実なようなのです。そこに投げられた課題は小さくはないようにも思います。ライブドアとフジの問題から、そんなことを感じてしまいます。

2005/02/14

森住さんの写真展

 17日から22日まで、紀伊國屋画廊(新宿)で、森住さんの「バグダッド路上の子どもたち」という写真展があります。とてもつきあいが深い、このテーマも、私のかかわる雑誌でとりあげたものですが、魅力的な写真です。高遠さんが、バグダッドで援助していたストリート・チルドレンをあつかった作品です。すべてが破壊された町で、子どもたちは必死に生きています。苦しみにはドラッグの誘惑もあります。とても、切なく、そして訴える力の強い作品です。ぜひ、見に行ってください。

2005/02/12

夕凪の街 桜の国

yunagi 静かな話題になっている漫画『夕凪の街 桜の国』を今日、買ってきて読みました。帰りの電車のなかで、思わずポロポロと泣いてしまいました。電車のなかで夢中で2度読みました。ヒロシマの原爆をテーマに、被爆から10年後のヒロシマを舞台に、被爆した皆実を主人公にした「夕凪の街」と、現在の東京を舞台に、皆実の弟の娘を主人公にした「桜の国」からなります。中身は実際の作品をぜひ読んでいただくとして、あらためてヒロシマはけっして終わっていないこと、この歴史と向き合っていくことの必要性を考えさせられる一冊でした。現代の戦争とかさねあわせながら……。

2005/02/11

飲み会

NEC_0008今夜は、飲み会です。久しぶりに子どもが保育園の時代の仲間です。もう子どもも、大学生になろうとしています。40代後半の忙しい時期ですが。いつまでもいい仲間です。

2・11集会

NEC_0009 東京の星稜会館であった、2・11集会にいってきました。昨年は千葉と埼玉の集会にいったので、東京の集会は2年ぶりです。後藤道夫さんの、憲法改悪の背景となる新自由主義改革のもとですすむ格差の実態、とくにワーキング・プアの話はおもしろかったです。尹健二さんの話は、はじめてお聞きしましたが、迫力のある話のなかで、ポイントをついててすごく良かったです。
 印象にのこったのが憲法会議の川村さんの話の中であった鞍馬寺の話。奥の院の山門に次の言葉が掲げられているそうです。
 「遙か昔、お釈迦様はお説きになりました。憎しみと怒りと貪りの心を捨てたときに、平和は訪れる。今、私たちは持っています。たたかわないという勇気ある選択をした人類の至宝・日本国憲法を、その昔、一ノ谷、屋島、壇ノ浦、たたかって、たたかって、たたかった義経は、たたかいの惨さ、空しさに気づき、平泉ではたたかいませんでした。少し前、真珠湾、硫黄島、沖縄とたたかって、たたかって、敗れた我が国は戦争の悲惨さ、理不尽を知り、永久にたたかわないと誓いました。戦争で悲しまないために、戦争で悲しませないために、平和の道を目指したのです。日本国憲法は平和の基盤、世界に誇れる宝です」。

2005/02/10

民営化される戦争

 以前買っていた『民営化される戦争』(本山美彦著)を、今、読んでいます。巨大化した軍事請負会社は、いまでは世界各地で米国の戦争を支える存在になっています。そして、彼らはブッシュ、チェイニー、ラムズフェルドなどと一心同体の関係でもあります。その実態の暴露にはあらためて驚かされます。
 かつてアイゼンハワー大統領が、軍産複合体の支配の危険を警告しました。その今日的姿をここにみることができます。最近では9条の会の加藤周一さんが日本での同じ危険を指摘ました。そのときはピンとこなかったのですが、この本を読んでいた、日本の軍事化もアメリカの軍事請負会社と切り離せないこと、多国籍企業化するこの軍事請負会社と日本の大企業との関係も進行していく、そうしたことを背景にした日本での軍産複合体の支配の強まりと考えれば腑に落ちます。ぞっとさせられる一冊です。

2005/02/09

キング・アーサー

 日本vs北朝鮮。勝ててよかったですね。試合は、あまりにもミスが多くて、ちょっとつまんなかったです。でも、初戦のホームだし、勝ち点3でよしとしましょう。
 そんなわけで、我が家では、二男といっしょにDVDで「キング・アーサー」を見ました。あまりアーサー王と円卓の騎士の伝説は知らなかったので、案外おもしろかったです。映画館で見れば、どうだったかはわかりませんが、子どもも親も、それない楽しんだ2時間でした。

2005/02/08

フリーター漂流

 先週土曜日に放映されたNHKスペシャル 「フリーター漂流~モノ作りの現場で」の再放送を昨夜見ました。今、モノ作り大国・日本の製造現場は、フリーターによって支えられている……。番組は栃木県にある通信機器メーカーの工場で、請負という形態で全国から集められるフリーターたちの実態をたんねんに追っていました。請負のリーダー役をつとめる青年は、あまりにも過酷な労働実態のため1週間寝込んだため、その月の手取りは6万円台。ある人は、この番組をみて、もう奴隷以前、人と見ない現状があるといっていました。
 若者のあいだに広がる、請負という雇用形態。労働者の権利は守られず、きわめて劣悪で不安定の雇用形態に追いやられています。私のかかわる雑誌での、この問題は取り上げてきましたが、やはり映像で見せつけられると息がつまりました。
 日本の格差社会は底がぬけたと言われます。もう底なしの、何でもありということが実感されました。そして、その対極にあるのが、先日紹介した、『働くということ』で描かれた極端な競争社会です。ここでおしすすめらている「勝ち組」になるための競争も、何でもありとしかいいようがありません。若者とどういっしょに未来を描いていくのか。とても困難で、同時に、どうしても考えていかなければいけない大きな問題なんだと思います。


2005/02/07

花粉症です

 日曜は、午前中学習会に参加。午後、実務仕事を職場で、夜は今度は若者たちと学習会の講師です。
 数日前から、花粉症の薬を飲んでいます。眠くってだるいです。
 さて、長男の受験のピークです。そろそろ発表もはじまるので、長男は、ずいぶんハイになっています。

2005/02/05

LOVERS

 やっとDVDで「LOVERS」を見ました。チャン・ツィイーのための映画です。風景も、格闘シーンも、そしてチャン・ツィイーもとてもとてもきれいでした。いろいろ理屈はあるのでしょうが、ただただチャン・ツィイーを見て、楽しめる作品です。これは映画館で見なかったのをものすごく悔やまれます。DVD、手元におきたいなあ。

再びNHK政治介入問題

 今月の論壇誌の前半が発売されました。やはりいちばん大きな話題はNHK政治介入問題です。私がかかわった論文をとりあげて批判するものもありました。
 先行する『正論』『諸君』を見て、いちばんの特徴は、朝日の取材のあり方を問題の焦点にしていることです。しかし、これは問題のすりかえにすぎないと思います。核心は、政治介入があったのかです。くり返しますが、この点では、問題は単純です。NHKの番組は、何度も改編がおこなわれた。その最後は、30日の番組放送直前におこなわれた。その直前に、NHKの幹部職員は安倍さんに会いに行って、この問題を報告をしている。安倍さんは、番組の内容を知っていて、NHKの職員にたいして、あと意図をもって「公正に」と要望した。安倍さんのこの問題について、主張は社会的に知られていた。そして安倍さんと同じ特定の主張をもった政治家のグループもNHKの幹部職員とこの問題で会っている。これらは、すでに当事者も認めている事実です。これらはもって政治介入と言わなければ何を政治介入というのでしょうか。しかし、当時の安倍さんたちの主張、そしてNHKの番組がどのように改編されたかを検証するような内容の企画は、残念ながら月刊の論壇誌では見られません。
 こうした政治介入の内容にかかわるのをさけるためか、ひたすら朝日の報道姿勢を問題にし、同時に、もう1つみられるのがおきまりの「慰安婦問題」そのものを否定するような、「商行為」論や、「女性国際戦犯法廷」は特異な法廷だったという中傷です。それも、まともに法廷の関係者を取材した形跡はありません。もともと、法廷についての安倍さんの発言は、関係者が明らかにしているように、伝聞にもとづく虚偽のいろどられています。そもそもNHKの改編番組で登場させた法廷の傍聴者というふれこみの秦さんは、実際には、判決を聞いているだけで、法廷の審理は傍聴すらしていないのですから……。
 NHKの受信料支払い拒否者が急速に広がっているのは、良識の現れだと感じています。政治家に番組内容を報告にいくことを通常業務と言ってはじない放送局が公共放送と言えるのでしょうか。この点では、さすがに新しい会長は、はげしい動揺を見せているようですが。いま、あらためて公共放送のあり方が根元から問われているように思います。

2005/02/03

経団連の改憲案

 少し、時間がたっていますが、日本経団連が先月18日に発表した、憲法改正にかかわる意見書についての感想です。発表されたとき、新聞はいっせいに復古的な特徴をしてきました。僕が読んでの感想としては、そんなに復古的な主張が全面に出ているとは思いません。たしかに、伝統などもキーワードの1つになっていて、それなり、役割をあたえていることは事実です。ただ、一番の特徴は、課題に優先順位をつけていることだと思います。第1に安保・外交政策の転換と確立、第2に9条と96条の「改正」、第3に「改革」をすすめるための強力な政治システムの確立、そしてそのうえにたって第4に競争時代に見合う社会の改造です。自民党と民主党の改憲案のがつぎつぎ出されるなかで、改憲論議の推進に筋道をつけるということを強く意識していると思わざるを得ません。そして、緊急の課題として提起しているのが、日本の軍事大国化への道筋であり、9条の「改正」なのではないでしょうか。憲法調査会が、その権限をこえて、改憲への方向性を持った報告書がつくられようとしている局面で、決して、軽視できない重大な動きのように思えます。

2005/02/02

学生について考える(その1)

 雑誌の仕事でも若者や学生をどう見るかは一つの大きなテーマになります。とくにこの4、5年前から、今の若い人たちには、僕らとちがうように世界(社会)が見えているのではないか、と考えるようになりました。とくに学生にとっては就職難というこれまでにない事態があります。それは、大人社会に入れないという問題でもあります。近年では、ニートとよばれる新しい問題も現れています。
 ここ数年、たくさんの研究書も出されています。私も進路指導にかかわる先生たちの研究会や、大学の研究者たちとこの問題を討論してきましたし、また、いろんな本を読みました。
 最近のベストセラーの1つに日経が出した『働くということ』という本があります。最近、かって読んでいます。財界からのこの問題の対応とでもいうのでしょうか。この本を読んでいると、学生の外にある、企業の世界では、異常なほどの競争社会が、これまでにもまして、グローバリゼイション時代のなかでより激しくなっている様がよくわかります。まさに「勝ち組」「負け組」の格差社会です。就職は、その世界で生きることをある意味では強いるわけですが、それはあまりにも非人間的でもあります。そしてその就職そのものが、想像を絶するほどの競争です(出発に元々格差のある)。こうした社会を学生はどう見ているのでしょうか。どう感じとっているのでしょうか。
 こんな社会でいいはずはないと思います。そのためにも、私たちは学生たちに対し、胸をはって、いきいきと未来を語らなければなりません。どう未来を語るのか。そのことを考えています。

2005/02/01

我が家のぬいぐるみ

 我が家のぬいぐるみのムーミンとキティ。ムーミンは誰かさんのソファ用マクラになっていて、すっかり顔が歪んでいます。
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今日の一日は

 朝、家を出るまでと、出勤途中で、新聞を1時間半ほど読んで、職場に着くと、メールチェック、そしてインターネットとしばらく、にらめっこ。このようにして僕の仕事ははじまります。おもしろそうなネタやいまとりかかっているテーマに関係するものを発見すると、資料室などにいっていろいろ資料を集めます。
 あとは、まず、いろんな人と話します。今日は、午前中、ある出版社の書籍編集者と会話。企画を豊かにしていくうえでの、意見をもらったりします。午後、会議のあと、今度は、ある大学の研究者とうちあわせに大学へ。1時間ほど、意見を聞いたり。このようにしながらだんだんと企画は煮つまっていったりするものです。
 帰りに渋谷で、久しぶりに王将の餃子を食ってきました。

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