2017/10/20

2017年10月20日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 北朝鮮「国難」 圧力だけで突破できぬ
衆院選 若者の投票 社会の形を自ら選ぶ

《読売新聞》
福井・中2自殺 指導に名を借りたいじめだ
対「イスラム国」 ラッカ陥落でも課題は残る

《毎日新聞》
中国共産党大会の習演説 世界と共存できる強国か
日本の岐路 女性の活躍 肝心なのは、「結果」です

《日本経済新聞》
中国の国有企業優遇と民業圧迫が心配だ
IT時代の小売店の魅力とは

《産経新聞》
IS「首都」陥落 再び跋扈許さぬ枠組みを
衆院選と憲法 改正に動く国会が必要だ

《東京新聞》
建設・過労死 五輪の夢を泣かせるな
<衆院選>対北朝鮮政策 衝突させない外交を

 実感的には、実は、安倍さんのやっていることでいいのという不安や不満は、結構、後半に広がっていると思う。そして、野党共闘が、ある程度、成立したことにより、その安倍政治に替わる選択肢についても、一定ひろがっている感じがするのだけど。問題はその規模だし、そこでの「比例は共産党」ということの広がりなのだけど。

校長「引っ張る」系、教員は長時間労働に 早大教授調査

 氏岡さんの記事。なるほどなあ。

校長「引っ張る」系、教員は長時間労働に 早大教授調査(朝日新聞)    校長が自ら教職員を引っ張るタイプだと、教員の勤務時間が長くなる――。こんな傾向が、早稲田大学の菊地栄治教授(教育社会学)の調査で明らかになった。文部科学省は校長のマネジメント能力の大切さを強調してきたが、「トップダウンの学校運営が、教員を疲れさせる一因になっているのでは」と菊地教授は見る。  調査は学校運営の実態を調べるため3月に実施。全国の公立中学校の校長275人と、154校の教員1768人から回答を得た。  校長が「自ら教職員を引っ張っていくタイプかどうか」という質問について、校長自身に「とてもあてはまる」「ややあてはまる」「あまりあてはまらない」「まったくあてはまらない」の4択で聞いたところ、「とても」「やや」の合計は60%で、これらの学校では教員の平日の平均勤務時間が11時間30分だった。一方、「あまり」「まったく」と答えた校長の学校は11時間11分で、19分短かった。「あてはまる」学校の方が、1週間に換算すると勤務時間が1時間30分余、1カ月で6時間以上長くなる計算になる。  ログイン前の続きまた、「学校の目標を全教職員の話し合いで決めているか」という質問でも、校長が「あてはまる」と答えた学校の教員の平均勤務時間は11時間8分。「あてはまらない」と答えた学校は11時間27分で、19分長かった。  菊地教授は2002年にも中学校の校長・教員を調査している。その時と比べると、教員の労働時間は長くなっており、文科省が実施している勤務実態調査とも傾向が一致する。特に「学校で12時間以上勤務している」教員は49%で、前回の26%の倍近かった。睡眠時間は5時間57分で、21分短くなった。  「校長のリーダーシップ発揮は、教育改革で進められてきた方向だ。文科省は教員の働き方改革に取り組んでいるが、教育改革の方向も検討する必要がある」と菊地教授は話す。調査結果は、21日の日本教育社会学会で発表する。

 学校現場が、市場競争的な環境のもとにあるだけに、さらにこのことは加速しているのだと思う。そういう環境のなかで、トップダウンのシステムがつくられていることにたいして、どのように抵抗し、民主的な学校をつくっていくのか。そうとうの智恵と、高い思想が求められていることもよくわかるのだけどなあ。
 教育社会学会かあ。一橋だったっけ。行きたいけど、無理。

熱心な指導、過度な負担か 池田・中2自殺

 背景をしっかり見なければいけない。

熱心な指導、過度な負担か 池田・中2自殺(中日新聞)

 池田町立池田中学二年の男子生徒=当時(14)=が校舎から飛び降り自殺した問題の第三者による調査委員会に対し、遺族は男子生徒が担任と副担任それぞれから同じ宿題などの課題を何度もやらされていたと訴えていた。学力全国トップクラスを競っている教育環境の中、過度な負担が生徒にかかっていた可能性が浮かぶ。
 生徒は小学生のころから文字を書くのが苦手だったといい、担任も調査委に「英語で話すことが好きで、意欲もあったが、書くのは苦手だった」と説明。生徒は中学二年の後期に生徒会の副会長などを担っており、課題の提出が遅れることがさらに増え、担任や副担任から厳しい指導を受けていた。
 人口約二千七百人の池田町には小学校と中学校が一校ずつあるだけで学習塾がない。それでも全国トップクラスの学力を長年維持する県内で上位の成績だったという。教職員は生徒の高校進学のため土日にも出勤するなど教育熱心で宿題にも力を入れていた。特に副担任は宿題の提出について厳しい態度で臨んでいたという。今年二月、生徒が家族に「学校に行きたくない」と訴えたときには宿題の未提出を巡り「副担任は何を言っても言い訳と決めつける。担任にも強く怒られた。どうしていいかわからない」と話していた。
 学校が実施したアンケートで、複数の生徒が「死にたいと言っていた」と回答。男子生徒は亡くなる前日にも副担任から注意を受け、泣きだして過呼吸に陥っており、調査委は「担任、副担任の両教員から立て続けに強い叱責(しっせき)を受け、精神的なストレスが大きく高まった」と指摘している。
 調査委は報告で「教員は生徒の学習活動の遅れや生活態度に目がいきがちになるが、根底にある発達特性を踏まえた生徒理解が必要。生徒指導は生徒の持つ潜在的な能力を引き出す働きかけでなければならない」と求めている。

 教育委員会のホームページに、報告書の概要が掲載されている。
 それなりに、真相に迫ろうとしているが、やはり、大きな視点で背景を考えることも必要か。福井はとても学テ圧欲が強いということも聞く。ひっしになって、好成績を維持する学校の姿も垣間見えるわけだけど、はたして、対策にはそれが反映されているのか? 子ども、学校のあり方、教師の役割、地域のかかわり、さまざまに投げかけている問題は多そうだな。

2017/10/19

2017年10月19日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 辺野古の海 沖縄だけの問題か
中国共産党 疑問尽きぬ「強国」構想

《読売新聞》
日米経済対話 ごり押しの交渉には乗れない
中国共産党大会 習氏は覇権主義を強めるのか

《毎日新聞》
「イスラム国」の拠点を制圧 過激思想からの解放こそ
視点・総選挙 北朝鮮の脅威 「国難」と言うのならば=論説委員・布施広

《日本経済新聞》
17衆院選 具体策のない成長戦略では成長できぬ
米個人情報漏洩を他山の石に

《産経新聞》
日米経済対話 拙速なFTA交渉避けよ
習近平演説 強国路線の拡大に警戒を

《東京新聞》
IS「首都」制圧 大切なのはこれからだ
<衆院選>どうする原発 福島を直視しているか

 世界をつかむって難しいなあ。先日のオーストリアもそうだけど、ヨーロッパは一括りで論じられそうにないし、中東はどういうふうに理解すればいいのか。ISの後はどうなっていくのか、なにが課題なのか。そして、アジア、中国共産党ははた目から見ても異様にうつるが、どう見れないいのかなあ。いろいろ勉強したいなあ。どんな本を読めばいいのかなあ。なかなか、そういう本を読む時間がないなあ。

私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート

 高校生もがんばっている。

私立高生「学費が切実」 全国1万4000人アンケート(東京新聞)

 身近な社会問題について考えようと、高校生のグループが今年六月、全国の私立高校生約一万四千人を対象に、高校・大学の学費などに関するアンケートを実施した。十八歳選挙権の導入後、初めての衆院選を前に、アンケート実行委員会の中心メンバーの一人、大東学園高校(東京都世田谷区)三年の濱中美樹さん(17)は「学費の心配が少しでも減るよう、私たちの声が政治の場に届けばうれしい」と話す。
 グループは毎年五月に「全国高校生サミット」を開いている東京都、愛知県などの私立高校生のメンバー。質問内容を考え、二十八都道府県の私立高百二十六校の協力を得て調査した。
 アンケートでは「切実だと感じる社会問題」(複数回答可)について、36・4%が「大学進学と奨学金」、33・3%が「高校の学費」を選んだ。続いて「少子高齢化」「非正規雇用・長時間労働」「震災・災害復興」「平和と人権」「憲法」「原発」の順に多かった。
 私立高の学費について(同)は、45・4%が「公立・私立間の格差はおかしい」、38・7%が「住んでいる県による負担の差をなくしてほしい」、25・7%が「施設・設備費など含め学費全体を無償にしてほしい」を選んだ。大学の奨学金について(同)は、59・8%が「返済義務のない給付型奨学金を増やしてほしい」、27・1%が「無利子貸与の枠を増やしてほしい」と回答した。
 実行委の高校生は八月、自民、民進、共産、自由、社民各党の国会議員計五人の事務所を訪ねて集計結果を手渡し、私立高通学や大学進学の負担軽減を訴えた。その後衆院が解散し、十八歳が初めて一票を投じる衆院選が実施されることになった。
 「生徒たちの約七割が、親の学費負担を後ろめたく感じていることもアンケートで分かった。私たちの気持ちが表れていると思う」と話す濱中さん。候補者に対しては「高校生の切実な声にもちゃんと耳を傾けてほしい」と注文を付け「選挙権を持ったら、政党や候補者をよく知り、しっかりと投票したい」と意気込んでいる。 
<回答の一部>
私立高校に通うようになり、家庭でどんな影響があったか(抜粋)
・親がアルバイトを始めた
・一家全員で節約し、必要最低限のものしか買わなくなった
・「あんた1人にお金がどれだけかかっていると思っているの」とよく言われる
・親がストレスでイライラしやすくなり、体調を崩しやすくなった
・家族がよくけんかするようになった
・兄弟が進学をあきらめた
・親が妹に「絶対公立に行け!」って言っている
・弟たちに習い事をさせてあげられない
・ローンが払えなくなり、家を売ってアパートに移ることになった
・親が深夜まで働いて、見ているだけで大変そう
・祖父も働き始めた

 午前中、駅で公明党の街頭宣伝に遭遇した。そこでは学費の問題をとりあげ、給付制奨学金を、自分たちの実績として宣伝していた。もちろん、給付制奨学金ができたのは大きな前進だけど、それは大きな運動のひろがりがあったからこそ。しかし、できあがったものの実際は厳しい。なにしろ、今年4月から私立の自宅生約2800人分(月4万円)を対象に先行実施が始まり、来年度から月2万~4万円を約2万人に支給するという計画。これは1学年の学生の人数でみるとわずか「55人に1人」という、極めて“狭き門”にしかならないし、これでとても学費を網羅できるものでもないからだ。残りは大きな借金だと。2人に1人が奨学金を借りなければならないのが現実があり、貸与型を借りた場合、卒業後の返済額は1人平均約300万円に上る。不安定な雇用のもとでは、返済できない人が増える。2万人規模ではとても「本格実施」の名に値しないのだ。本気度がとわれている。
 ちなみに、日本共産党は、(1)大学の授業料を国立も私立も公立も段階的に引き下げ10年間で半減する(2)月額3万円(年間36万円)の給付型奨学金を70万人(学生総数の4人に1人)に支給する制度をまず創設し、規模を拡大する―などの抜本的な改革を提案。税金の集め方と使い方を変え、高等教育予算を経済協力開発機構(OECD)平均並みに引き上げること。憲法が掲げる教育の機会均等にもとづく政治の実現こそ!

比例投票先、立憲伸び13% 希望11% 朝日世論調査

 ほんとうに奇妙なり。

比例投票先、立憲伸び13% 希望11% 朝日世論調査(朝日新聞)

 朝日新聞社は17、18日、衆院選に向けた世論調査(電話)を実施した。比例区投票先を政党名を挙げて聞くと、自民党が34%(3、4日実施の前回調査は35%)と堅調。立憲民主党が13%(同7%)に伸び、希望の党11%(同12%)を上回った。公明党7%、共産党5%、日本維新の会4%などが続いた。
 内閣不支持層に限ってみると、立憲25%、希望20%、共産11%の順。政権批判票は依然、分散している。
 年齢別にみると、18~29歳では41%が自民と答え、希望13%、立憲6%を上回った。一方、60代では自民27%、立憲20%、希望10%と、立憲の支持が比較的高い。
 立憲に「期待する」は31%、特に内閣不支持層では48%が「期待する」と答えた。支持政党別では、自民支持層の20%、共産支持層の45%が「期待する」と答えた。一方、希望に「期待する」は29%で、9月26、27日実施の前々回45%、前回の35%から連続の減少。「期待しない」が60%にのぼった。
 今後、どのような政権がよいか尋ねると、「自民党を中心とした政権」37%(前回43%)、「自民党以外の政党による政権」36%(同33%)と割れた。ただ、国会で自民だけが強い勢力を持つ状況は「よくないことだ」73%が、「よいことだ」15%を大きく上回った。内閣支持層でも58%と半数以上が「よくないことだ」と答えた。
 衆院選の直前に、民進党が分裂し、同党の前議員は希望、立憲、無所属に分かれて立候補した。こうしたことは「よくなかった」が50%で、「よかった」25%を上回った。内閣支持層も57%が「よくなかった」と答えた。
■安倍首相続投「望まぬ」51%
 安倍内閣の支持率は38%(前回40%)、不支持率は40%(同38%)だった。
 安倍晋三首相に今後も首相を続けてほしいかを聞いたところ、「続けてほしい」34%で、「そうは思わない」が51%と半数にのぼった。
 支持政党別にみると、自民支持層は「続けてほしい」68%が、「そうは思わない」22%を大きく上回った。公明支持層では「続けてほしい」43%、「そうは思わない」43%と割れ、与党内でも温度差が出た。
 男性の40%が「続けてほしい」と答えたのに対し、女性は29%と低め。年齢別では18~29歳は「続けてほしい」が49%と多かったが、30代では拮抗(きっこう)。40代以上は「そうは思わない」の方が多かった。60代では60%が「そうは思わない」と答えた。

 安倍続投を望まない人が多いのに、自公で圧倒的な議席をとる予想という不思議。なぜ、そんなことがおこるのか。メディアは野党が割れているからという。しかし、多様な意見があることは、必ずしも悪いことではないはず。そもそも、少ない支持で多数の議席をとるという選挙制度のおかしさがなぜ指摘されないのかのほうが不思議だと思うのだけれども。
 それでも、安倍政権をいまの制度のもとで追いつめるために、野党共闘がすすんだ。それを分断する流れがおこったのが今度の選挙でしょう。では、そこで、本来何が問われるのか、それをわかりやすく解き明かさないメディアって、メディアの役割をはたさないでしょう。その結果、小選挙区制度のもとで、低下し続けた投票率がまた低い選挙になるのか。そのこともよく考えなければいけないよなあ。最後まで、政治的な要求を多くの人と共有し、声をあげる選挙にしたいもの。

2017/10/18

2017年10月18日の新聞社説

《朝日新聞》
俳句掲載拒否 事なかれの先にある闇
衆院選 財政再建 将来世代への責務だ

《読売新聞》
オーストリア 排外主義の強さ示した総選挙
成長戦略 看板掲げるだけでは物足りぬ

《毎日新聞》
職場のストレスと精神疾患 心の健康管理が不十分だ
日本の岐路 財政立て直し こぞって後回しの無責任

《日本経済新聞》
17衆院選 現実を見据え安保政策の議論を深めよう
日米FTAの前にTPP11を

《産経新聞》
エネルギーの選択 「原発ゼロ」こそが国難だ
拉致帰国15年 圧力の中に解決の機探れ

《東京新聞》
香港長官の政治 優先すべきは経済か
<衆院選>9条改憲論 平和の未来がかかる

 オーストラリアの選挙結果も気にかかるところ。国民党が自由党ということだが、国民党の右傾化が目立つとか。31歳か。自由党は一時期ハイダーで有名だったが、すでに時代はかわったが、相変わらず排外主義的な発言が目立つのか。うーむ。なぜ、こういう結果なのか、どういう流れの中で、こうなのか。勉強しなくっちゃなあ。

同型機きょう飛行再開 高江米軍ヘリ炎上 防衛相「極めて遺憾」 知事怒り、日本政府にも

 ほんとに植民地だな。これは。

同型機きょう飛行再開 高江米軍ヘリ炎上 防衛相「極めて遺憾」 知事怒り、日本政府にも(琉球新報)

 在沖米海兵隊の第3海兵遠征軍は17日夕、東村高江で11日に不時着して炎上し、飛行を停止していた米軍CH53Eヘリについて、日本政府と沖縄県への通知後、18日から通常飛行を再開すると発表した。事故原因は明らかにしていない。小野寺五典防衛相は、この発表に「安全性が防衛省側に十分な説明がない状況において、在沖海兵隊が一方的に発表したことは極めて遺憾だ」と異例の強い非難をした。翁長雄志知事は「日本政府に当事者能力がない」と怒りを示した。
 米海兵隊は炎上事故について航空の専門家が整備記録を見直し、懸念につながる運用上の問題などは見つからなかったと概説した。
 飛行再開の決定は「軽々になされたものではなく、調査への支援で米本国から来沖した米海軍安全センターの専門家や、米海兵隊第1航空団の航空関係専門家らとの協議を経て決定された」と説明した。
 発表文の中でローレンス・ニコルソン在沖米四軍調整官は、CH53Eは安全な飛行運用に戻る準備が整ったとした上で「われわれは日本における米海兵隊航空機の飛行の安全性を約束している。安全ではないと思える運用は決して許さない。CH53Eヘリは沖縄や日本本土で長年、日米同盟に奉仕してきた信頼できる航空機だ」と述べた。
 事故機の撤去については「できるだけ早く土地を返せるよう、搬出と復旧作業を素早く安全に作業を進めている」と説明した。
 防衛省は事故現場に同系統の自衛隊ヘリの知見がある操縦士と整備士を派遣し、米軍の事故調査を確認した上で、防衛省として安全性などを判断する予定にしていた。しかし米軍は防衛省に説明する前に飛行再開を発表した。
 ただ、防衛省は米軍が飛行再開した際の対応については「引き続き米側に詳細について報告を求めていきたい」と述べるにとどめた。
 県は17日夕に米軍から電話連絡を受けた富川盛武副知事が「飛行再開は断じて容認できない」とその場で抗議した。衆院選立候補者の決起大会に出席していた翁長知事は応援演説で「事件・事故が続いても日本政府は手出しができない。政府がいかに力がないかが分かる」と批判した。

 こんな日米関係は、もう続けていてはダメなのではないのか? これでは、住民の安全を守れない云々の水準ではなく、はなから住民のいのちなどは考慮にない軍事優先であるということ。
 ニコルソンの言葉はいったいなんなのか? 日本政府には本気度も何もない。

朝鮮人虐殺追悼碑

22491850_1572419189485487_91607808822539926_1572419219485484_825409319 都知事が、追悼文を送るのをとりやめにした関東大震災での朝鮮人虐殺の追悼碑がある横網町公園に行ってきた。大江戸博物館のすぐ横。案外小さな公園で、どーんと慰霊堂があり、その横に、この碑がある。右奥に復興記念館。
 虐殺があったことは自明の事実。警察や内務省の資料にもはっきりある。復興記念館にはこのような展示も。
20171018_091303 流言飛語が、被害をつくりだしたことも明らかだ。
 埼玉でも、本庄や熊谷で、多くの方が殺されている……。ここでは、自治体が主催で、追悼式典をおこなっている。
 忘れてはいけない歴史なのに……。

 植民地支配に抵抗する、3・1運動が広がり、日本政府は、明らかにそれらへの武力弾圧を各地でおこなっていた。その流れの中での、関東大震災。植民地支配の歴史の一幕ということも忘れてはならないなあ。


2017/10/17

2017年10月17日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 教育無償化 優先順位とメリハリを
衆院選 知る権利 民主主義の明日を占う

《読売新聞》
神戸製鋼不正 全容の把握と安全確保を急げ
働き方改革 残業削減へ実効性ある施策を

《毎日新聞》
核禁条約ふれぬ日本決議案 培った信頼が損なわれる
視点・総選挙 雇用改善の実像 人を語らぬ政治が残念だ=論説委員・中村秀明

《日本経済新聞》
17衆院選 女性や高齢者の就業促す抜本策を示せ
イラン核合意を崩壊させるな

《産経新聞》
衆院選と安全保障 国民の命に責任もてるか 論戦と実態の落差は大きすぎないか

《東京新聞》
9条俳句訴訟 市民の言論を守りたい
<衆院選>社会保障の将来 全世代型の負担も語れ

 ずれた議論をするととんでもなく足をすくわれる。教育や社会保障を財源という問題を前提に置き、抑制ということを容認したうえでの議論になっているのが朝日の主張。ボクらも、知らず知らずこういう罠にひっかかる。教員の働きすぎの問題でも、簡単に、仕事の調整だとか、他業種の参入ということにすり替えられるのだから。ここでも、教員増のためのお金の投入こそが問われるべきなのに。なぜなら、こうした問題は権利の実現であり、国の責任が正面から問われる問題であるから。その前提を曖昧にしては絶対にいけないはずなのだが。きちんと、ふみこんだ議論をしっかりみていきたいのだけなあ。

自民「9条改正」案、秋に提示か 衆院選の堅調報道受け

 やっぱり出てくる、こうした動き。要警戒。

自民「9条改正」案、秋に提示か 衆院選の堅調報道受け(朝日新聞)

 自民、公明両党で300議席をうかがう――朝日新聞をはじめ報道各社が実施した衆院選の情勢調査結果が出た。自民党内では結果を受け、秋に臨時国会を召集し、党として憲法9条の改正原案を示す案が早くも浮上。安倍晋三首相も選挙後の改憲議論を見据え、布石を打ち始めた。
 情勢調査で自民党の堅調ぶりが伝わって以降、党憲法改正推進本部の幹部の間では、選挙後に首相指名を行う特別国会の閉幕後、改めて臨時国会を召集し、自民党の9条改正原案を示す案が浮上。幹部の一人は「我々の考え方、議論の方向性を示せるかどうかだ」と語る。
 安倍首相は憲法改正について、街頭演説でほとんど触れていない。だが、今回は自らが提案した「自衛隊明記」など改憲4項目を公約に盛り込み、テレビ出演では自衛隊を明記することについて党内の意見は「まとまっている」と強調。衆院選公示翌日には、テレビ番組で自民党の高村正彦副総裁について、「任期の間は務めてもらう」と表明した。衆院選に立候補しなかった高村氏を来年9月の任期まで引き続き副総裁として遇し、改憲に向けた党内外の調整役として、議論を加速させる考えだ。
 これに対し、公明党の山口那津男代表は「国民の理解の成熟がなければ、発議して信を問うのは時期尚早になる」と慎重姿勢だ。希望の党の小池百合子代表も首相提案に基づく自衛隊明記は「大いに疑問がある」としている。立憲民主党や共産党、社民党は首相提案を批判しており、各党の獲得議席によって、9条改正をめぐる議論の展開は大きく変わる可能性がある。

 秋の内に自衛隊を明記した、改憲案が出てくる可能性があるということ。改憲4項目とは、「9条と合わせ、緊急事態条項の創設、参院選挙区の合区解消、教育無償化」だ。うちの雑誌の11月号で、「安倍改憲の暴走をとめる」という特集をやって、9条加憲(小沢隆一)、緊急事態条項(永山茂樹)、無償化(石井拓児)をやったんだけど。選挙で忙しいところだけど、しっかり語っていくうえでもぜひ読んでほしいなあ。それぞれ、とってもおもしろいんだけど。

ヘリ事故 現場に近づけない状態

 うーん。地位協定の壁って言えばそれまでだけど、酷いなあ。

ヘリ事故 現場に近づけない状態(NHKニュース)

 沖縄本島北部の東村高江地区にアメリカ軍のヘリコプターが緊急着陸して炎上した事故から16日で5日たちましたが、現場の牧草地ではアメリカ軍による機体の周りの立ち入り規制が続いていて、調査を行いたいとしている県や警察が近づけない状態が続いています。
 今月11日に東村高江地区の民間の牧草地にアメリカ軍の大型ヘリコプターが緊急着陸し、炎上した事故から16日で5日がたちました。
 機体の周りでは、アメリカ軍の兵士数人が焦げた残骸をのぞき込んだり、計測器のようなものをかざしたりする様子が確認できました。
 現場では、アメリカ軍が事故直後から機体の周りで立ち入り規制を続けていて、日本側は依然として機体に近づくことができていません。
 県は、規制されたエリアに入り、機体の近くで環境調査を行いたいと求めているほか、警察や消防も任意での調査の協力を求めていますが、アメリカ軍から回答はないということです。

 しかも、健康被害を引き起こす量ではないとしているがヘリは一部に放射性物質が使用されているし。
 民有地だよ、ここは。どこまでも、植民地的扱い、軍事優先、それを住民に押し付ける。

2017/10/16

2017年10月16日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 憲法論議 国民主権の深化のために

《読売新聞》
安全保障 北朝鮮への備えを冷静に語れ

《毎日新聞》
教員の長時間勤務改善 必要な仕事の絞り込みを (2017年10月16日)
視点・総選挙 18歳と政治 関心を阻んでいる人々=論説委員・与良正男

《日本経済新聞》
17衆院選 現実直視し責任あるエネルギー政策を
株式上場制度の透明性高めよ

《産経新聞》
衆院選と経済政策 回復実感得られる成長策語れ ユリノミクスは立ち位置を明確に

《東京新聞》
五輪の未来遺産 ロンドンから学ぶこと

 あたり前のように議論を認めてしまって、きちんと問うべきことを問わなくなっているのではないのか。それで、はたしてきちんとした政策論議ができるのだろうか。たとえば、教員の長時間勤務問題。教員増はさらっとふれられているが、焦点化されていない。だけど、外国とくらべても見る子どもの数が多すぎる。だけど、頭のなかにあるのは、お金がかかるという問題だろう。こうして、教育費の抑制が当然視されてしまうのではないのか。そんな議論の仕方が多すぎる。

比例で希望、立憲民主が拮抗 小池都知事の支持率は66%から39%に急落

 こういう世論調査を読んでいると、結局、安倍内閣は支持はしないが、安倍内閣が続くのはしかたがないということなのかと思えてくる。うーん。

比例で希望、立憲民主が拮抗 小池都知事の支持率は66%から39%に急落(産経新聞)

 産経新聞社とFNN(フジニュースネットワーク)は14、15両日に合同世論調査を実施した。22日投開票の衆院選に関し、比例代表の投票先を聞いたところ、希望の党が15・0%、立憲民主党が14・6%と拮(きっ)抗(こう)した。自民党は32・9%だった。また、希望の党代表を務める小池百合子東京都知事の支持率は前回(9月16、17両日)から27・2ポイント減の39・2%に急落した。
 希望の党に対し「期待しない」は60・7%で、「期待する」の34・6%を大幅に上回った。小池氏が衆院選に立候補すべきだったと答えたのは14・2%にとどまり、都知事を続ける判断をしたのは妥当だとしたのは81・1%に達した。安倍晋三首相と小池氏のどちらが首相にふさわしいかの質問には、安倍首相が54・0%、小池氏は26・5%だった。
 今後の政権の枠組みに関し「自民党を中心とする政権」が50・5%、「自民党以外の政党による政権」も40・6%あった。
 民進党の前原誠司代表が同党を希望の党に事実上合流させると判断したことを「評価しない」は71・8%。同時に、民進党の候補者が希望の党と立憲民主党に分かれたことは「よかった」が52・1%と、「よかったと思わない」の33・3%を上回った。 平成31年10月の消費税率10%引き上げの増税分の使途について「国の借金返済中心の従来方針を見直し、子育てや教育無償化に重点」との回答は37・7%、「予定通り国の借金返済中心」は28・5%、「引き上げに反対」は32・1%だった。
 安倍内閣の支持率は42・5%で、前回比7・8ポイント減。不支持は46・3%で前回比6・3ポイント増えた。安倍政権の北朝鮮情勢への対応について「評価する」が38・6%、「評価しない」は50・6%だった。
 比例代表の投票先について自民、希望、立憲民主の3党に次いだのは、公明党で8・5%。共産党5・4%、日本維新の会4・8%、社民党1・0%、日本のこころ0・9%と続いた。

 安倍政治に対抗する道をさししめしているのはどの政党なのか?

政治を変える最大の力
 共産党を伸ばすには、議席総数の4割をしめる比例選挙が主舞台です。比例で「共産党」と書いてもらえば、かならず議席にむすびつきます。比例は、私たち、日本共産党に投票してください。「市民と野党の共闘」を成功させ、安倍政権から国民の手に政治をとりもどすために。

「聞いた人が身震いするくらい怒られていた」 中2自殺

 教育委員会が調査委員会の報告書を公表した。

「聞いた人が身震いするくらい怒られていた」 中2自殺(朝日新聞)

 福井県池田町で自殺したとされる中学2年の男子生徒は、担任や副担任から再三しかられ、「死にたい」と漏らしていた。町教委は15日、有識者らでつくる調査委員会の報告書を公表。生徒が逃げ場を失い、追い詰められていく状況が詳細につづられていた。
 「改めて亡くなられた生徒さんのご冥福を祈りますとともに、遺族の方々におわび申し上げます」。15日夜に池田町内であった記者会見で、内藤徳博教育長や堀口修一・池田中学校長らは深々と頭を下げた。
 会見では16ページの調査報告書の概要版が配られた。内藤教育長は学校の指導体制に問題があったと認め、「生徒の特性を見極めていきたい。二度と繰り返さぬようにしたい」と述べた。
 調査報告書は男子生徒の自殺の理由を「関わりの深い担任、副担任の両教員から立て続けに強い叱責(しっせき)を受け、精神的なストレスが大きく高まった」「一方で、指導叱責について家族に相談したが、事態が好転せず、絶望感が深まり、自死を選択したものと考えられる」と判断した。学校実施のアンケートで複数の生徒が、男子生徒が死にたいと言っていた、などと回答したことも明らかにした。
 報告書によると、生徒会副会長だった男子生徒はマラソン大会の運営にも携わっていた。だが昨年10月、校門前で担任から大声で、準備の遅れを怒鳴られた。目撃した生徒は「(聞いた人が)身震いするくらい怒られていた。かわいそうだった」と話したという。
 昨年11月、宿題を出していない男子生徒が、理由を生徒会や部活動のためと答えると、副担任は「宿題ができないなら、やらなくてよい」と言った。生徒は「やらせてください」と土下座しようとしたという。
 今年も生徒会の開催日に、担任から大声で「お前辞めてもいいよ」としかられたり、宿題の未提出の理由を副担任にただされ、過呼吸の症状を訴えたりしていたという。
 報告書は、男子生徒は「まじめで優しい努力家だが対人関係が器用でない一面がある」とし、担任らが「よく観察すれば、厳しい指導が不適切だと気づくことはできた」と記した。
 その上で、担任が生徒指導について副担任と協議したり、上司や同僚に報告したりなど、問題解決に向けた適切な行動をとらず、副担任と一緒に厳しい叱責を繰り返したと指摘。土下座や過呼吸の件なども家族に知らせず、その結果、「生徒は逃げ場の無い状況に置かれ、追い詰められた」と結論づけた。……

 報告書はまだ、アップされていない。だけど、教育活動の名の下で、こうも子どもを追い詰める学校の現状って。なぜ、そのようになっているのか?

■男子生徒が自殺するまでの経緯
2016年
10月 マラソン大会のあいさつの準備が遅れたことを理由に担任が校門前で大声で怒鳴る
11月 課題未提出で副担任が問いただす。生徒は土下座しようとする
2017年
1月か2月ごろ 生徒会の日に職員室の前で担任から「お前辞めてもいいよ」と大声で叱責(しっせき)される
2月上旬 忘れ物をした生徒を担任が強く叱責
2月21日 登校を拒否
3月6日 担任から課題未提出の指導。早退を求める
3月7日 登校を拒否。「僕だけ強く怒られる」
3月13日 過呼吸を訴える
3月14日 中学校で自殺

■教員の指導が原因とみられる主な自殺
 2004年3月 長崎市立中学校2年の男子生徒が、校内でのたばこ所持で、教員から指導を受けた直後に校舎から飛び降り自殺。遺族が起こした訴訟で、長崎地裁は08年、判決で自殺の原因を「行きすぎた指導」と判断
 06年3月 北九州市立小学校5年の男児が自宅で首つり自殺。新聞紙を丸めた棒を振り回して女児に当たったことを、担任から胸ぐらをつかまれるなどして注意されていた。両親が訴訟を起こし、福岡高裁で10年、市側が責任を認める内容の和解が成立
 12年12月 大阪市立の高校2年のバスケットボール部主将の男子生徒が、男性顧問から暴力を受けて自殺
 16年3月 広島県府中町の中学3年の男子生徒が、万引きしたとの誤った情報にもとづいた進路指導を受けて自殺したことが学校の報告書で明らかに
 17年2月 愛知県一宮市の中学3年の男子生徒が飛び降り自殺。担任からプリントを何度も配布をさせられるなどし、ストレスを蓄積させた、と第三者調査委が検証
(学年はいずれも当時)

 うーん。

毎日新聞調査 「安倍首相続投望まず」47%

 安倍内閣にはおさらばしたいという声が大きいのに……。

毎日新聞調査 「安倍首相続投望まず」47%(毎日新聞)

 毎日新聞が13~15日に実施した特別世論調査で、衆院選後も安倍晋三首相が首相を続けた方がよいと思うかを聞いたところ、「よいとは思わない」が47%で、「よいと思う」の37%を上回った。今回の情勢調査で自民党は300議席を超える可能性があるという結果が出たが、首相の人気とは必ずしも合致していない。
 安倍首相の続投を「よいとは思わない」は立憲民主支持層で89%、希望支持層で80%、共産支持層で88%に上った。「支持政党はない」と答えた無党派層でも「よいとは思わない」(59%)が「よいと思う」(25%)を大きく上回った。
 逆に自民支持層では「よいと思う」が76%に達した。公明支持層も57%が続投を望んでおり、与党支持層と野党支持層で結果が分かれた。
 「よいとは思わない」と答えた人の比例代表の投票先は、立憲民主党が26%で最も多く、希望の党20%▽共産党11%--などとなった。首相に批判的な層の投票先が野党各党に分散していることがうかがえる。自民党も12%あった。
 一方、「よいと思う」と答えた人の61%は自民党を挙げた。
 主な政党支持率は、自民29%▽立憲10%▽希望9%▽公明5%▽共産4%▽維新3%▽社民1%--など。無党派層は28%だった。
 無党派層の比例代表の投票先は、自民16%、立憲15%、希望11%の順になった。

 これは、ほんとうによく考えなければいけない動向。なぜ、これで、自民300という予想が出てしまうのか。きちんと、政治的な意思表示と、選択ができるような議論、まずは情報提供をやりきらないといけないのだ。

2017/10/15

政府「ヘイト規制強化 日本は不要」 国連審査報告で認識

 「日本でそれほどの人種差別の扇動が行われている状況とは考えていない」だそうである。うーーん。

政府「ヘイト規制強化 日本は不要」 国連審査報告で認識(東京新聞)

 日本政府が十一月に行われる国連人権理事会の対日人権審査に向け提出した報告書で、ヘイトスピーチへの規制強化について「日本でそれほどの人種差別の扇動が行われている状況とは考えていない」として、不必要との認識を示していることが十三日、分かった。国連人権高等弁務官事務所が報告書を公表した。
 報告書は、昨年六月にヘイトスピーチ対策法を施行し、在日コリアンらへの「差別的言動をなくすよう基本理念と施策を定めた」と説明した。しかし対策法には禁止規定や罰則がなく、人権団体などは不十分だと批判、十一月の審査では各国から是正を求める意見が出る可能性がある。
 二〇一二年の前回審査の結果出された勧告には「立法レベルで外国人排斥の発言を禁止する措置を取ること」との項目が盛り込まれた。また、人種差別の扇動などに対し処罰措置をとることを義務付けた「人種差別撤廃条約」第四条の一部条項の留保撤回も求めた。これに対し、報告書は「正当な言論をも不当に萎縮させる危険」を冒してまで処罰措置を取るほどの人種差別思想の流布はみられないと強調した。
 勧告では、東京電力福島第一原発事故後の福島の住民の健康と生活の権利の保護も求めたが、報告書は「政府は住民の中長期的な健康管理を可能とするため福島県に財政的、技術的な支援を行っている」と指摘した。

 首相が首相だからなあ。平気のヘイトが、政権の中枢から発信されるわけだしなあ。そもそも、こういう認識の嘘から、批判しないとなあ。言論をいろいろ抑圧、制限しておいて、「委縮させる危険」という理由説明はどういうことか。ほんとに嘘で固められたものだよなあ。

2017年10月15日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 沖縄の負担 悲鳴と怒り、耳澄ませ
神戸製鋼不正 経営責任が問われる

《読売新聞》
新聞週間 虚偽のニュースを見分けたい
高等教育無償化 奨学金制度の効果的な活用を

《毎日新聞》
きょうから新聞週間 フェイクは民主制を壊す

視点・総選挙 「○○ノミクス」 核心を突く議論がない=論説委員・福本容子

《日本経済新聞》
中国のネット安全法に日米連携で対処を
地方の自立促す具体策競え

《産経新聞》
衆院選と国際情勢 米大統領来日に備えよ 危機下の外交力が問われる

《東京新聞》
週のはじめに考える その選択が未来を拓く

 新聞週間とのからみで、フェイクニュースがあらためて話題になる。だけど、そのことにふれながら、「読売」は、無償化を掲げながら、頭から無償化を無視するようなわけのわからない社説を平然とかかげたりするわけだから。どうしたものかなあ。

2017/10/14

2017年10月14日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 アベノミクス論争 「つぎはぎ」の限界直視を

《読売新聞》
憲法改正 「国のあり方」広く論議したい

《毎日新聞》
神戸製鋼がデータ改ざん 不正の影響は計り知れぬ
視点・総選挙 国際環境の変化 世界の潮流を見据えたい=論説委員・坂東賢治

《日本経済新聞》
全世代よりメリハリの社会保障に

《産経新聞》
衆院選と社会保障 逃げずに「痛み」を求めよ 高齢者対策をなぜ論じない

《東京新聞》
農業と温暖化 「稲作前線」異状あり
<衆院選>教育無償化 改憲を持ち出さずとも

 教育費無償化の問題は、改憲という論点とともに、いまどうそれをすすめるかという問題がある。そして、教育も社会保障も、かならず財源の問題とむすびつけられる。だけど、財政の制約を前提にすると、それは必ず支出の抑制圧力になる。財政のあり方そのものが問われないといけないはず。しかし、支出の抑制は、さらに、自己責任や共助、民間の力みたいな議論になっていってしまう。そのことのおかしさを、どう共有するのか。

<九条俳句訴訟>掲載の期待侵害、さいたま市に賠償命令 掲載拒否は「不公正な扱い」/さいたま地裁

 小さな裁判だけど、大きなことが問われた裁判。

<九条俳句訴訟>掲載の期待侵害、さいたま市に賠償命令 掲載拒否は「不公正な扱い」/さいたま地裁(埼玉新聞)

 さいたま市大宮区の三橋公民館が2014年6月、同公民館で活動する句会会員が詠んだ俳句「梅雨空に『九条守れ』の女性デモ」の公民館だよりへの掲載を拒否したのは、表現の自由を保障した憲法21条などに違反するとして、市を相手に作品の掲載と慰謝料200万円余の支払いを求めた国家賠償請求訴訟の判決が13日、さいたま地裁で言い渡された。大野和明裁判長は「職員の不公正な取り扱いで、原告の利益である掲載の期待が侵害された」とし、市に慰謝料5万円の支払いを命じた。掲載請求は棄却した。
 大野裁判長は判決理由で、公民館は句会が選出した俳句を3年8カ月にわたり公民館だよりに継続して掲載してきた点を述べ、「原告の俳句も掲載されると期待するのは法的保護に値する人格的利益」と指摘。その上で「公民館職員らが原告の思想や心情を理由に俳句を掲載しないという不公正な取り扱いをしたのは国家賠償法上違法」とした。
 公民館職員らが掲載可否の「十分な検討を行わなかった」ことを認定し、その原因について「教育現場で憲法に関連する意見の対立を目の当たりにしてへきえきし、一種の『憲法アレルギー』のような状態に陥っていた」と推認した。
 一方、不掲載が表現の自由の侵害に当たるかについては「公民館だよりという特定の表現手段による表現を制限されたにすぎず、原告が必要とする掲載請求権はない」と棄却。学習権の侵害となるかについても「学習権の内容に学習成果の発表の自由は含まれず、不掲載により原告の学習は制限されない」と退けた。
 判決などによると、「梅雨空に」の俳句は、句会会員でさいたま市大宮区の原告女性(77)が東京都内に出掛けた際、雨の中でデモ行進する女性たちに遭遇し、共感した思いをつづったもの。句会が公民館だよりに掲載する句として選出したところ、公民館が「世論を二分する題材を扱っている」「公民館の考えであると誤解を招く」として掲載拒否を伝えた。
 市は「公民館だよりは公民館側に発行、編集の権限がある」と請求棄却を求めていた。

 不掲載が表現の自由の侵害に当たらないとはしたが、不利益を認め、実質的に、表現の自由を擁護した内容の判決。表現することの粘り強くとりくみが、その自由をまもったともいえるのだと思う。近年、表現の自由をめぐっては、非常にきな臭い、閉塞的な状況がある。それだけに、厳しい面にはしっかり目を向けながら、この判決を力にしたいと思うった次第。

火葬を前に婚約者が指輪 NHK記者、結婚間近に過労死

 NHKの過労死事件の真相がだんだん明らかになりつつある。やっぱり、企業というものは、こういうものだ。だからこそ、厳しい規制と監視が必要なのだけれども。

火葬を前に婚約者が指輪 NHK記者、結婚間近に過労死(朝日新聞)

 日本放送協会(NHK)の記者だった佐戸未和(さど・みわ)さん(当時31)が4年前に過労死していた問題で、佐戸さんの両親が13日、東京都内で記者会見を開いた。
 「かけがえのない宝、生きる希望、夢、そして支えでした。娘亡き後、私の人生は百八十度変わり、心から笑える日はなくなりました」。母は娘を失った悲しみを口にした。
 「未来に平和を」という意味を名前にこめた。3人きょうだいの長女で、弟や妹の面倒をよくみる孝行娘だったという。05年にNHKに入局。鹿児島放送局での勤務を経て、10年に東京・渋谷の首都圏放送センターに異動した。亡くなった当時は東京都庁の記者クラブに在籍。5人の担当記者の中で佐戸さんが最も若く、「人間関係が希薄だ」とぼやいたこともあったという。母は、過労死の原因の一つに「チームワークの悪さがあったと思う」と指摘した。佐戸さんは当時結婚を控えており、遺体を火葬する前、婚約者がその指に指輪をはめたという。
 両親によると、死後3年間は命日の1カ月ほど前にNHK側から連絡があり、日程調整の上で弔問を受けていた。だが、今年は命日の4日前になっても連絡がなく、代理人を通じて問い合わせた後で、命日の2日後の26日に訪問があったという。当時、佐戸さんと親交があったNHK職員から過労死の事実が局内で周知されていないと聞かされた。「不名誉な案件として表に出さない方針ではないか」と疑念を抱き、今夏以降、過労死の事実を局内全体に周知するよう求めてきたという。弔問について、NHK広報局は取材に「毎年命日の後にうかがっており、ことしは7月末にご自宅を訪問した」と答えた。
 会見の最後、父は集まった記者に呼びかけた。「この場に未和と同業の記者の皆さんがいらっしゃる。自分のこととして考え、未和のような過労死で亡くなるということが絶対にないようにしていただきたい」
■NHKと遺族、公表の経緯に食い違い
 佐戸さんは2013年7月24日ごろ、うっ血性心不全を起こして急死。過重労働が原因で死亡したとして、14年に労災認定された。死亡前1カ月間の時間外労働(残業)は159時間にのぼった。
 NHKは死後4年以上たった今月4日夜のニュース番組で、佐戸さんの過労死について発表。翌5日に開いた上田良一会長の記者会見などで、4年余りにわたって公表しなかった理由について、「代理人から、ご両親は公表を望んでいないというふうに聞いていた」と説明していた。
 だが、佐戸さんの父は会見で「亡くなった当時は娘を突然失った悲しみで、公表について考えたこともなかった」とした上で、「両親が公表を望んでいないという事実はない」と反論した。両親の代理人の川人博弁護士も「私が公表しないでほしいと言ったことはない」と述べた。
 NHKは「労災認定後に(佐戸さんが所属していた)首都圏放送センターの責任者がご自宅を訪問したとき、謝罪を申し上げたと認識していた」とも説明していたが、父はこれも否定。労災認定された14年の弔問の際に同センター長から受け取った文書の一部に言及し、「哀悼の意を表す(とは書いていたが)、一言のおわびも記載されていない」と指摘した。
 両親はNHKの公表の方法や内容への不満も吐露した。両親によると、NHKが公表に踏み切った当日の午後も公表の時期や方法について協議していたが、打ち合わせを終えて自宅に戻ると、NHKから突然、「数社から取材があった」ことを理由にその日の夜に放送すると告げられたという。報道内容について母は、「9時のニュースで2分ほど放送しただけで、がっかりした」と話した。……

 弁護士ドットコムの記事もとてもつらい。

 過労死というものが、どれだけ本人にとっても苦しくつらいものであるのか。残された人間にとって、どれだけ悲しいものなのか。何とも言えない思いになる。どうしても許せないし、許してはいけない。こうしたことが放置される社会を、政治を変えなくてはいけない。そのために何が必要なのか。「働き方」改革という掛け声が空々しい。政権や与党からは、その改革すらまともに論議しよう、訴えようという姿勢も感じられないのだから、よけいに。うーん。

2017/10/13

2017年10月13日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 安保法と憲法9条 さらなる逸脱を許すのか

《読売新聞》
衛星みちびき 日本版GPSを有効に使おう
政治姿勢 国民の疑念には真摯に答えよ

《毎日新聞》
沖縄米軍ヘリ不時着事故 基地集中の理不尽さ再び
日本の岐路 エネルギー政策 原発依存からの出口は

《日本経済新聞》
世界の取引網揺るがす神戸製鋼の改ざん
与野党は同じ土俵で議論を

《産経新聞》
森友・加計問題 説明責任は選挙後も続く
姉妹市の慰安婦像 友好損なう捏造を許すな

《東京新聞》
米軍ヘリ炎上 危険が身近にある現実
<衆院選>経済政策 思いつきノミクスでは

 具体的な争点が提示されはじめている。つっこんだ政党間の議論がなされないかなあ。もっと、あつい議論がききたいなあ。

事故現場はヤンバルクイナ繁殖地 今年も幼鳥確認

 豊かな自然の真ん中に基地があるってこと!!

事故現場はヤンバルクイナ繁殖地 今年も幼鳥確認(沖縄タイムス)

 米軍ヘリが炎上事故を起こした沖縄県東村高江の現場周辺は、国の天然記念物で絶滅の恐れが最も高いIA類のヤンバルクイナの繁殖が2012年からほぼ毎年確認され、繁殖地の南限とされている。事故現場となった牧草地も、定期的に生息が確認されているポイントだ。
 世界自然遺産に向けて環境省がユネスコに提出した管理計画では、事故現場が遺産候補地の「周辺地域」に位置づけられており、豊かな生態系に与える米軍の影響を改めて指摘する声が上がっている。
繁殖地の南限
 ヤンバルクイナは東村の福地ダム周辺まで南下してきているが、繁殖が確認されているのは事故現場の周辺まで。09年から生息調査を続けるNPO法人どうぶつたちの病院沖縄によると、事故が起きた牧草地を含む西銘晃さん(64)が所有する敷地内に、今年5月もヤンバルクイナの幼鳥が姿を見せたばかりという。
 同病院の金城道男副理事長は「調査を続けてみないと分からないが、事故の影響がないとはいえないだろう。そもそも事故にかかわらず、米軍ヘリの音がヤンバルクイナの生息地に攪乱(かくらん)を起こすと考えている」とし「やんばるの森の上を飛んでほしくない」と訴えた。
自然遺産影響も
 事故を受け、遺産候補地に隣接する米軍北部訓練場の存在を問題視する動きはいっそう強まっている。
 環境NGOの「OEJP」の吉川秀樹代表は、自然遺産登録に向けて現地調査中の国際自然保護連合(IUCN)の専門家2人に、事故を知らせるメールを送付。「候補地と事故現場の距離や米軍に日本政府がどれほど関与できるのかを審査の参考にしてほしい」と伝えた。
 日本自然保護協会も12日、日本政府に「世界遺産に登録されても、いつ米軍の影響が及ぶか分からないことを示した」とする抗議声明を提出。「国際的に自然環境を保護すべき場所を米軍に提供していること自体が問題で、米軍との間で環境保全のあり方を抜本的に見直すべきだ」としている。

 高江に辺野古、沖縄の新基地の問題は、環境問題という角度からも、もう一度、きちんといろいろ議論する必要があるなあ。自然保護団体の人にも、もっと出てもらわないとなあ。

(天声人語)カメジローの反骨

 今日の「朝日」の「天声人語」。いろいろ考える。

(天声人語)カメジローの反骨(朝日新聞)

 沖縄を支配した米国にとり、1950年代に那覇市長を務めた瀬長(せなが)亀次郎ほど目障りな人物はいなかった。投獄しても、市への資金を凍結しても、給水を止めても、屈しない。米軍布令で市長の座から追い出しても反米の旗を降ろさない▼上映中の映画「米軍が最も恐れた男/その名は、カメジロー」は波乱の生涯を描くログイン前の続き。「大衆の心をつかむ名手。演説会の日は『今夜はカメジローがあるから』と住民が夕食を早めて繰り出したそうです」とTBSの佐古忠彦監督(53)は話す▼炎の演説だった。島言葉を駆使して圧政を突く。政治的立場を異にする稲嶺恵一元知事(83)も「高校時代に最前列で聴いた憧れの人。占領された民に、はけ口を与えてくれた」と映画で語る▼米政府文書の亀次郎評を監督に見せてもらった。「庶民的で豪快」「並の共産主義者のような退屈な話はしない」。弾圧がかえって支持を高めたという反省も残る。「反米の殉教者にしてしまったのは米国自身だ」▼米兵による残虐な事件が続発した時期である。女児が相次ぎ襲われ、県民の土地が次々奪われた。亀次郎を憤らせた抑圧構造は変わらない。米兵の犯罪はやまず、一昨日は米軍ヘリがまたも民家近くで炎上した▼「民衆の憎しみに包囲された軍事基地の価値はゼロに等しい」。そんな言葉を残した亀次郎は16年前に亡くなる。その思いは、本土で考える右・左の色分けにとらわれると到底理解できない。積怒(せきど)の底にあるものをカメジローが教えてくれる。

 沖縄の問題が焦点化されるほど、カメジローへの関心が高まるのは大事なこと。
 一方で、彼の主張を、「本土で考える右・左の色分けにとらわれると到底理解できない」というのは本当なのか。沖縄の人々の思い、アイデンティティーと翁長知事が言った言葉の意味は、もっと重く、深いはずだ。保守は、安保反対は言わないし、安保は必要だという。だけど、地位協定の改定を掲げる。その改定は、抜本改定である。つまり、アメリカへの追随、アメリカの軍事優先は拒否をするということであるはずだ。そういうなかで、保守から革新までひろく一致する合意を積み上げてきたのだ。そのことを無視して、右と左の色分けなどと軽々しく言ってほしくはない。
 だけど、同時に、本土でわれわれが、どう幅広い合意をつくりあげるのか。どう説得的な議論で、少数から脱却するのか。これはつきつけられた大きな課題でもあるなあ。

2017/10/12

2017年10月12日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 安倍首相 説明になっていない
原発賠償判決 国は「安全神話」猛省を

《読売新聞》
社会保障 負担増と給付抑制こそ論じよ

《毎日新聞》
日本の岐路 衆院選の憲法論議 民主主義を強める方向で

《日本経済新聞》
いよいよ憲法改正が問われるときだ
21年ぶりの株高に慢心は禁物

《産経新聞》
神鋼アルミ不正 技術者の良心は消えたか
拉致と衆院選 解決への具体的道筋示せ

《東京新聞》
カタルーニャ 対話を重ねて道探れ
神戸製鋼改ざん ものづくりは大丈夫か

 新聞を見ていると高じてくるもやもや感。どういえばいいのか。生活実感と選挙の乖離、その遠いところにあるように思える政治の舞台でおこなわれる嘘やすりかえ、奇妙なドラマ。どういえばいいのか、すっきりしない。本質もなかなか見えてこない。結構、難しい展開を、どのようにあとづけていくのか?

集落騒然、あわや大惨事 高江の米軍ヘリ炎上 何度も爆発音 「もう少しで死んでいた」

 もう、言葉がないもの…!

集落騒然、あわや大惨事 高江の米軍ヘリ炎上 何度も爆発音 「もう少しで死んでいた」(琉球新報)

 11日夕方、沖縄本島北部の米軍北部訓練場に近い沖縄県東村高江で米海兵隊のCH53大型輸送ヘリが不時着・炎上した事故。地元の住民が日ごろ抱いていた不安が現実となり、衝撃が広がった。昨年12月の名護市安部に米軍輸送機オスプレイが墜落し1年もたたないうちに、再び事故が起こった。
 「もう少しで死んでいた」「ボンボンと何回も燃えた」。東村高江の住民は声を震わせながら言った。満天の星空が広がる集落上空にはヘリコプターが飛び交い、救急車とパトカーのサイレン音が響いた。現場周辺には、消防や警察、米軍車両が行き来し、赤色灯とライトに照らされ、現場付近は油が燃える臭いが充満し、人口約130人の小さな集落は騒然となった。
 11日午後5時半ごろ、炎上現場から200メートルほど離れたところに住む西銘美恵子さん(63)が庭の草刈りをしている時だった。車で戻ってきた義父・清さん(87)が美恵子さんに「臭いがするけど」と言った。清さんは現場から100メートルの豚舎にいた。美恵子さんと清さんが庭のタンクに登ってみると、牧草地から黒煙が上がり、赤々と炎が燃えているのが見えた。
 黒煙の中からはヘリの前方部分が見えた。爆発音が上がると同時に2、3回大きな火柱が上がった。美恵子さんは、燃え上がる米軍ヘリの残骸を見ながら「どこに落ちていたか分からない。もう少しで死んでいた」と思わずつぶやいた。
 清さんから電話を受けた美恵子さんの夫の晃さん(64)は畑から急いで自宅に戻った。操縦席のある前方部分が燃えているのを確認。晃さんは炎上現場に向かおうとしたが、男性の米兵が6人、女性の兵士が1人、ヘリの方向から晃さんの方に向かって来た。
 女性の米兵が英語で「不時着したから逃げてきた。危ないから離れて」と伝えた。清さんは「ボンボン何回も爆発音がした。何かに引火するような爆発音だった。爆発音が大きいのも小さいものもあった」と語った。
 米軍ヘリが炎上した現場は晃さんの牧草地だ。西銘さん一家は牛やヤギのえさになる乾燥した草を売って生計を立てている。
 今は草の収穫時期のピークを迎えている。晃さんは「牧草地のど真ん中に落ちている。機体を片付けるためにどれだけ時間がかかるか分からない」とうつむきながら言った。「もう飼料用としては使えない。もうあきらめるしかない。仕事は完全になくなった」。語る言葉は怒りに震えていた。

 恐ろしい! 住宅のすぐ近くでも事故。200Mだよ!!! 高江は、沖縄は、こんな危険のなかで生活している。それは日本がそうなのだけど。脅かされる生活。
 ちゃんと問いかけないと!

自衛隊明記、賛成35%…40代以上は反対多数/自民支持根強い若年層 目立つ消極的選択 衆院調査概況

 今朝は、各紙がいっせいに、選挙情勢の分析をおこなっているのが話題になっている。自公で300!とか。共産党は伸び悩んで、食われている感じ???とはいえ、あと10日のたたかい次第か。
 いろいろ新聞を眺めていると、調査の結果はなかなか興味深い。

 たとえば。

自衛隊明記、賛成35%…40代以上は反対多数(読売新聞)

 読売新聞社が衆院選の序盤情勢を探るために全国の有権者を対象に行った世論調査で、憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍首相の考えに「賛成」と回答した人は35%、「反対」は42%だった。
 年代別でみると、18~29歳と30歳代では賛成が反対を上回ったが、40歳代以上の各年代では反対が多数を占めた。男女別では、男性が賛成44%、反対42%とほぼ並んだのに対し、女性は賛成28%が反対42%を下回った。
 衆院比例選の投票先に、全国11ブロックすべてに候補を擁立した7政党のいずれかを挙げた人(全体の約8割)で、投票先の政党別に賛否をみると、自民党は賛成が60%に上り、公明党と日本維新の会も賛成が4割台で反対を上回った。
 これに対し、希望の党では賛成25%が反対58%を下回った。同党は憲法改正に前向きだが、投票先とした人の中では反対が半数を超えた。立憲民主党、共産党、社民党では反対が8割近くを占めた。
 憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍首相の考えに「反対」と答えた人の比例投票先は、立憲民主党24%が最も多く、希望の党22%などが続いた。
 安倍内閣の支持率は37%で、前回2014年衆院選時調査の42%を下回った。不支持は48%(14年39%)。政党支持率は自民党36%、希望の党10%、立憲民主党8%、公明党5%、共産党4%、日本維新の会2%などの順。無党派層は21%だった。今回調査は、今月7~8日に実施した全国世論調査とは調査方法や質問が異なるため、数字の比較はできない。

 「憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍首相の考えに「賛成」と回答した人は35%、「反対」は42%だった。」というのは重要だと思う。

 朝日のこの記事もおもしろい。

自民支持根強い若年層 目立つ消極的選択 衆院調査概況(朝日新聞)

 朝日新聞社が実施している衆院選情勢調査の概況によると、自民党は堅調で、希望の党が伸びていない一方、立憲民主党が勢いをつけている。安倍政権のこの5年間への評価は割れるなか、調査結果からは、野党が分裂したことで自民が優位に立つ状況が浮かび上がった。
■政権批判の受け皿分散
 有権者の半数近くを占める無党派層のうち、投票態度を明らかにした人を分析すると、比例区の投票先は自民32%、希望25%、立憲20%などとなった。前回2014年衆院選の序盤調査では、自民には無党派層の41%が投票すると答えたことと比べると、自民の勢いには陰りが見られる。
 さらに、安倍政権のこの5年間への評価も、民意は真っ二つに割れている。にもかかわらず自民が堅調なのはなぜか。
 野党第1党の民進党が事実上分裂した結果、無党派層の比例区での投票先も分散した。加えて、安倍政権の5年間を「評価する」人の大半が自民に投票する意向を示している一方、「評価しない」人の投票先が各党に分散しているからだ。
 10、11日の調査対象となった有権者のうち、安倍政権の5年間を「評価する」は43%、「評価しない」は41%。投票態度を明らかにした人では、「評価する」人の68%が比例区で自民に投票すると答えたのに対し、「評価しない」人の投票先は立憲27%、希望26%、自民18%、共産14%などと各党に分かれた。
 自民が、若年層の支持を集めているのも最近の特徴だ。安倍政権の5年間を「評価する」との回答は、18~29歳で53%、30代では49%に達しており、若い年代ほど「評価する」が多い。
 このほか比例区で自民に投票するとの回答は、18~29歳で61%に、30代では50%に上る。14年衆院選の序盤調査と比べてわずかに減ってはいるが、他党を引き離していることに変わりはない。
 一方、小池百合子・都知事が率いる希望が伸び悩んでいることも、自民の追い風になっている。
 小池知事率いる都民ファーストの会は7月の東京都議選で圧勝。都議選直前に朝日新聞社が実施した東京都民意識調査では、都民ファーストの会は都議選では50~60代の支持が強かった。ところが今回、比例区で希望に投票すると答えた人は、50~60代でも自民に大きく水をあけられている。おひざ元の東京ブロックでも自民に引き離されて失速気味だ。 ……

 自民党への支持に勢いがあるわけでもないし、強い支持でもないということは大事。結局、新しい選択肢が示せているわけではないのも事実。どう一歩をふみだすことができるのかをしっかり示さないとなあ。

 

2017/10/11

2017年10月11日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 安倍政権への審判 民意こそ、政治を動かす

《読売新聞》
電通有罪判決 過重労働の悪弊を断つ契機に
衆院選公示 安倍政権の「信任」が問われる

《毎日新聞》
日本の岐路 衆院選がスタート 「よりまし」を問う12日間

《日本経済新聞》
17衆院選 次世代に責任ある経済政策論議を

《産経新聞》
原発被災者訴訟 上級審の判断を聞きたい
衆院選公示 複数の選択肢ないままか

《東京新聞》
<衆院選>公示第一声 原発なぜ語らないのか
福島原発判決 国の責任を明確にした

 毎日が特徴的な路線を掲げているなあ。「よりまし」ねえ。反安倍を掲げながら……。それはそうと、有権者目線で議論するってどういうことだろうなあ。そんなに簡単に、ボクらの言っていることに合意が広がるわけではないのだろうけれども、少しでも接点を広げていく切り口、可能性はどこになるのかなあ。

横田騒音、国に6億円の賠償命令 将来分と飛行停止は認めず 東京地裁立川支部

 基地の問題はもっと真剣に向き合わなければいけない。

横田騒音、国に6億円の賠償命令 将来分と飛行停止は認めず 東京地裁立川支部(産経新聞)

 米軍横田基地(東京都)の周辺住民1000人余りが、米軍機と自衛隊機の夜間・早朝の飛行差し止めと、騒音被害の賠償を国に求めた「第2次新横田基地公害訴訟」の判決で、東京地裁立川支部(瀬戸口壮夫裁判長)は11日、国に総額約6億1000万円の賠償を命じた。飛行が続く限り生じる将来分の被害に対する賠償は認めず、飛行差し止め請求も退けた。
 住民側は、将来分も含め、1人当たり月2万2000円を請求。全国の基地訴訟ではこれまで、騒音レベルの指標「うるささ指数(W値)」75以上の地域の住民だけに賠償が認められてきたが、これを下回る地域を対象に含めることも求めた。
 国側は、住宅の防音工事などの対策によって被害は軽減されてきたと指摘。こうした事情を考慮した上で賠償対象を選び、額を算定すべきだと主張していた。
 横田には航空自衛隊の施設もあり、自衛隊機もたびたび飛来している。

 横田の状況もどんどん変わってきている。もともと後方支援基地だった横田が変貌してきている。沖縄から移ってきたパラシュート降下訓練は日常化しているし、オスプレイもきている。より実践的になっている。そういう変化の中で、基地被害の増大であるのだと思う。しかし、騒音は認めるが、差し止めはしない。こうして、一貫して、司法の責任を放棄するのが日本の裁判所の現状。うーん。

衆院選 投票に「必ず行く」56% NHK世論調査

 公示直前の世論調査。

衆院選 投票に「必ず行く」56% NHK世論調査(NHKニュース)

 10日公示された衆議院選挙について、NHKが行った世論調査によりますと、投票に「必ず行く」と答えた人は56%で、先週行った調査と比べて3ポイント高くなりました。
NHKは、今月7日から3日間、全国の18歳以上の男女を対象にコンピューターで無作為に発生させた固定電話と携帯電話の番号に電話をかける「RDD」という方法で世論調査を行いました。調査の対象となったのは5389人で、57.9%にあたる3119人から回答を得ました。
 それによりますと、安倍内閣を「支持する」と答えた人は、先週の調査と変わらず37%、「支持しない」と答えた人は、1ポイント下がって43%でした。
 10日公示された衆議院選挙に、どの程度関心があるか尋ねたところ、「非常に関心がある」が32%、「ある程度関心がある」が44%、「あまり関心がない」が16%、「まったく関心がない」が5%でした。
 次に、投票に行くかどうか聞いたところ、「必ず行く」と答えた人は56%で、先週の調査に比べて3ポイント高くなりました。また、「行くつもりでいる」が27%、「行くかどうかわからない」が10%、「行かない」が5%でした。
 投票先を選ぶ際に最も重視することを6つの政策課題をあげて尋ねたところ、「経済政策」が18%、「財政再建」が11%、「社会保障」が29%、「外交・安全保障」が15%、「憲法改正」が11%、「原子力政策」が7%でした。
 安倍総理大臣が、今回、衆議院の解散・総選挙を決めたことを評価するかどうか聞いたところ、「大いに評価する」が6%、「ある程度評価する」が23%、「あまり評価しない」が34%、「まったく評価しない」が31%でした。
 東京都の小池知事が立ち上げた「希望の党」に期待するかどうか聞いたところ、「大いに期待する」が7%、「ある程度期待する」が29%、「あまり期待しない」が35%、「まったく期待しない」が22%でした。
 枝野幸男氏らが結成した「立憲民主党」に期待するかどうか聞いたところ、「大いに期待する」が6%、「ある程度期待する」が24%、「あまり期待しない」が36%、「まったく期待しない」が27%でした。
 今回の選挙で、与党と野党の議席がどのようになればよいと思うか尋ねたところ、「与党の議席が増えたほうがよい」が21%、「野党の議席が増えたほうがよい」が32%、「どちらともいえない」が41%でした。
 安倍総理大臣は、消費税率を10%に引き上げた際の使いみちを見直し、高等教育や幼児教育の無償化などにもあてる考えを示しました。これを評価するかどうか聞いたところ、「大いに評価する」が11%、「ある程度評価する」が38%、「あまり評価しない」が28%、「まったく評価しない」が17%でした。
 北朝鮮への対応など、安倍内閣の外交・安全保障政策について尋ねたところ、「大いに評価する」が11%、「ある程度評価する」が39%、「あまり評価しない」が29%、「まったく評価しない」が13%でした。
 憲法を改正して、自衛隊の存在を明記することに賛成か反対かを尋ねたところ、「賛成」が32%、「反対」が21%、「どちらともいえない」が39%でした。

 前回の総選挙前の世論調査で、「必ず行く」は57%ほどだったので、そう変わりはない。しかし、前回の投票率はものすごく低かった。ただ、ここにきて、メディアでも選挙がかなりとりあげられるということもあり、関心は高まる方向にある。最終的にどこまでいくのか。
 ただ、いまのままだと、圧倒的に、自民党に有利になることは間違いない。もちろん、政権への支持は減っているから、現有からは減るだろうが、自公で、過半数を大きく超えてしまう。これに対して、野党・市民は、まだ、大きな流れをつくっているとは到底言えないのだろうなあ。相当、リアルに見る必要があるだろうなあ。

 ちなみに、各党の支持率は、自民党が31.2%、希望の党が4.8%、公明党が3.8%、共産党が2.7%、立憲民主党が4.4%、日本維新の会が1.3%、社民党が0.5%、日本のこころは0%、「特に支持している政党はない」が39.1%。

2017/10/10

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟判決を受けての声明

 嬉しい判決のニュース!「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団・弁護団の声明を紹介。

「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟判決を受けての声明

 本日、福島地方裁判所(裁判長金澤秀樹)は、「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟の判決(以下、「判決」という。)を言い渡した。

1 国の法的責任と東京電力の過失
 判決は、本年3月17日言渡の前橋地裁判決に続き、国の法的責任と東京電力の過失を認め、断罪した。
 判決は、
ⅰ 国が2002年の地震本部「長期評価」等の知見に基づき、2002年末までに詳細な津波浸水予測計算をすべきであったのにこれを怠ったこと(予見義務)。
ⅱ 予測計算をすれば、福島第一原子力発電所の主要施設の敷地高さを超える津波が襲来し、全交流電源喪失に至る可能性を認識できたこと(予見可能性)。
ⅲ 非常用電源設備等は「長期評価」から想定される津波に対する安全性を欠き、技術基準省令62号4条1項の技術基準に適合しない状態となっていたこと(回避義務)。
ⅳ 2002年末までに国が規制権限を行使し、東京電力に適切な津波防護対策をとらせていれば、本件津波による全交流電源喪失を防げたこと(回避可能性)。
をいずれも認めた。また、必要な津波対策をとらなかった東京電力についても過失があったと認めた。
 本日の判決は、安全よりも経済的利益を優先する「安全神話」に浸ってきた原子力行政と東京電力の怠りを法的に違法としたものであり、憲法で保障された生命・健康そして生存の基盤としての財産と環境の価値を実現する司法の役割を果たすものとして、今後の司法判断の方向を指し示すものと評価される。

2 被害救済の範囲と水準
 判決は、被告らの「年間20ミリシーベルトを下回る被ばくであれば健康リスクは極めて小さい」「原告らの被害は、科学的根拠のない危惧不安のたぐいにすぎない」などの主張について、放射性物質による居住地の汚染が社会通念上受忍すべき限度を超えた平穏生活権侵害となるか否かは、「低線量被曝に関する知見等や社会心理学的知見等を広く参照したうえで決するべき」との理由で退けた。
 その上で、判決は、平穏生活権侵害による慰謝料について、本件原告3824名のうち、約2907名の請求を認め、原賠審の中間指針等に基づく賠償対象地域よりも広い地域について賠償の対象とし、かつ既払の賠償金に対する上積みを認めた。
 しかし、避難者原告のうち帰還が困難となった原告らが求めていた「ふるさと喪失慰謝料」については、実質的にこれを認めなかった。
 原告らが居住していた全ての地域について救済対象とする判断ではなく、また上積みの額についても原告らが求めていた水準に達していない地域もあり、その点は極めて不十分である。判決は、権利侵害性の判断枠組みについては国や東京電力の被害隠しの主張を明確に退けたものの、実際の損害認定については、現地検証、原告本人尋問等で明らかにしてきた原告らの被害実態を正しく反映したとは到底評価しがたい。
 しかし、原告ら被害者に対する権利侵害を認めて、賠償の対象地域の拡大や賠償水準の上積みを認めた点は、原告らのみにとどまらず広く被害者の救済を図るという意味においては一歩前進と評価することができる。

3 原状回復請求について
 原告らが求めた原状回復請求については、判決は「本件事故前の状態に戻してほしいとの原告らの切実な思いに基づく請求であって、心情的には理解できる」と理解を示しつつ、「求める作為の内容が特定されていないものであって、不適法である」として、これを棄却した。
 この点は非常に残念であると言わざるを得ないが、現在の裁判実務において、作為内容を具体的に特定しない作為請求が認められることは技術的に困難な部分があり、現在のわが国の司法判断の限界を示しているとも言える。原告らは、今後も、「もとどおりの地域を返せ」という被害者の正当な要求を実現するため、迅速かつ実効的な原状回復を求めて法廷内外で奮闘していく。

4 訴訟団の原点とたたかい
 私たち生業訴訟団は、次の要求の実現を求めている。
ⅰ 二度と原発事故の惨禍を繰り返すことのないよう、事故惹起についての責任を自ら認め謝罪すること。
ⅱ 中間指針等が最低限の賠償を認めたものにすぎないという原点に立ち、中間指針等に基づく賠償を見直し、強制避難、区域外(自主的)避難、滞在者など全ての被害者に対して、被害の実態に応じた十分な賠償を行うこと。
ⅲ 被害者の生活・生業の再建、地域環境の回復及び健康被害の発生を防ぐ施策のすみやかな具体化と実施をすること。
ⅳ 金銭による損害賠償では回復することができない被害をもたらす原発の稼働の停止と廃炉。
 原告団・弁護団は、本日の判決を力にして、これら4つの要求の実現に活かす活動に踏み出す。そして、全国各地で進められている原発事故被害者の方々の集団訴訟において、各地の裁判所が正義の判断を示すことを心から希望する。またその実現のために、引き続き、全国の原告・弁護団・支援の方々とともに闘う決意である。
                           以上                                        
2017年10月10日
                          「生業を返せ、地域を返せ!」福島原発訴訟原告団
                                       同             弁護団

 ちなみに判決の骨子・要旨はここ。

憲法研究者と市民のネットワーク発足 憲法を考える場に

 昨日は行きたかったのですが、なかなか仕事が終わらず……。

憲法研究者と市民のネットワーク発足 憲法を考える場に(朝日新聞)

 総選挙で憲法改正が焦点になろうとする中、「憲法研究者と市民のネットワーク」が9日、発足した。100人を超える研究者が参加を表明し、市民と緩やかにつながり、憲法をともに考える場を作る。日本国憲法には条文が103条あることから、略称を「憲法ネット103」とした。
 東京・春日の中央大での発足記念集会に先立ち、記者会見した三輪隆・埼玉大名誉教授は、「新しい改憲の動きが生まれ、市民とともに取り組みを起こす必要を感じた」という。市民と学習の場を作ったり、シンポや重要問題で声明を出したりしながら「粘り強く活動していく」と話した。
 植野妙実子・中央大教授は、安倍晋三首相ら政治家が解散権を「首相の専権事項」と公言していることに言及。「解散権は内閣にあり、首相にはない。誤った言説がメディアを通じて大手を振るう状況は耐えられない」とし、「市民や学生の立場に立って憲法とは何かを一緒に考えていきたい」と語った。
 集会では、安倍首相が目指す憲法9条への自衛隊の明記も議論になった。稲正樹・国際基督教大元教授は「(自衛隊明記は)護憲派の分断が狙いで、いったん改正されれば、(戦力の不保持をうたった)9条2項削除が出てくる可能性がある」と話した。藤井正希・群馬大准教授は「(自衛隊を憲法に)書くことでさらに拡大解釈が進み、海外での武力行使につながる危険がある」と訴えた。
 ホームページは、https://kenpokenkyushanet.wixsite.com/toppage

 憲法研究者って、結構、お高くとまっている感じはないわけでもない。そうい人たちが、ここのところ、いろいろ積極的に発言し、運動の輪の中に入ってきている。少しずつ形をかえ、進化してきている感じがするなあ。いろいろな議論の幅ができることもいいことだし、そういうなかで、憲法の議論がわかりやすく、身近になっていくのも大事なことだしなあ。これから、いよいよ憲法の議論は本番になっていくのだからなあ。

2017/10/09

2017年10月09日の新聞社説

《朝日新聞》
中国の歴史観 政治利用の不毛な動き
衆院選 あす公示 「語らぬ争点」に目を

《読売新聞》
あす公示 責任ある政策論争を展開せよ

《毎日新聞》
日産で無資格検査が横行 消費者への重大な背信だ
日本の岐路 首相の討論会発言 これが丁寧な説明なのか

《日本経済新聞》
安倍政権5年へ審判を下す衆院選

《産経新聞》
衆院選あす公示 日本の針路を堂々と語れ 危機突破の処方箋が見たい

《東京新聞》
週のはじめに考える 政治に良識取り戻すため

 明日は新聞が休みだから、今日、選挙をテーマにしたものが多い。中身はどうか? どう受けとめたらいいのか。深刻な政治の状態、安倍政治の暴走への突っ込みは、よわいなあ。なんとなく、これでいいのかあという感じでもああるなあ。

自民が比例名簿発表 安倍晋三首相、小泉進次郎氏は重複せず 鈴木貴子氏は北海道2位 杉田水脈氏は中国で出馬

 なんかすごいなあ。この名簿。ここまで、やるかって感じ。基本、反対の議論は受け付けない。自分たちの仲間が中心。広く多様なということはなくなっている感じだなあ。

自民が比例名簿発表 安倍晋三首相、小泉進次郎氏は重複せず 鈴木貴子氏は北海道2位 杉田水脈氏は中国で出馬(産経新聞)

 自民党は9日、衆院選比例代表の公認候補者計313人を発表した。選挙区との重複立候補は258人で、比例単独は55人となった。安倍晋三首相(党総裁)、小泉進次郎筆頭副幹事長らは重複しなかった。
 同党はあわせて比例代表の名簿登載順も発表した。選挙区の定数減に伴い比例に転出する前職が単独で名簿1位になるケースが目立った。東北は江渡聡徳氏、近畿は奥野信亮氏、九州は園田博之氏がそれぞれ単独1位となった。奥野、園田両氏は党の内規で定めた「73歳定年制」の対象外となる。
 前回は民主党(当時)で当選した鈴木貴子氏は比例北海道の単独2位、選挙区調整で比例に回った宮路拓馬氏は比例九州の単独2位となった。失言で復興相を辞任した今村雅弘氏は比例九州の単独3位に入った。
 比例名簿の下位では元職も目立ち、いずれも次世代の党に在籍した杉田水脈氏(比例中国17位)、上野宏史氏(比例南関東32位)、藤井孝男氏(比例東海33位)らが自民党から出馬する。群馬1区での出馬を検討していた中曽根康弘元首相の孫の中曽根康隆氏は比例北関東の30位となった。

 結果、テレビの討論会などでも、明らかな嘘も繰り返される。そういう人たちなんだ。ポスト・トュルースとはよく言ったもの。そのぐらい政治は劣化し、民主主義はあぶない状況になっているということなのだと思うけど。

自民32%、希望13%…衆院比例選の投票先

 うーむ。読売の調査だなあ。

自民32%、希望13%…衆院比例選の投票先(読売新聞)

 読売新聞社は7~8日、全国世論調査を実施した。
 衆院比例選の投票先は、自民党32%がトップで、衆院解散直後調査(9月28~29日)の34%からほぼ横ばいだった。希望の党は13%(前回19%)に下がり、立憲民主党が7%で続いた。
 このほかの投票先は、公明党5%(前回6%)、共産党4%(同5%)、日本維新の会3%(同2%)などの順で、「決めていない」は27%(同25%)。
 安倍内閣の支持率は41%(前回43%)でほぼ横ばい。不支持率は46%(同46%)だった。
 今回衆院選で、自民党と公明党の与党が過半数の議席を「維持する方がよい」は44%で、「そうは思わない」の42%と意見が割れた。衆院選後の望ましい政権は「自民党中心で一部の野党が協力する政権」54%が最も多く、「今の野党が中心の政権」20%、「自民党中心の政権」16%となった。
 東京都の小池百合子知事が代表を務める希望の党に「期待する」は36%で、「期待しない」の58%を下回った。全体の4割近くを占める無党派層では「期待する」43%、「期待しない」50%。都内有権者では「期待する」が25%だった。
 民進党の前代表代行の枝野幸男氏らが結成した立憲民主党に「期待する」は、全体の28%で、「期待しない」が64%に上った。
 小池知事が希望の党の代表を務めていることについては、「都知事の仕事に専念すべきだ」が71%(前回62%)に上昇した。「今のまま、希望の党の代表と都知事の兼務を続けるべきだ」は19%(同21%)、「都知事を辞職して、衆議院選挙に立候補すべきだ」は7%(同12%)。
 政党支持率は、自民党33%(前回32%)、希望の党8%(同9%)、立憲民主党が4%などで、無党派層は38%(同40%)となった。

 腹をすえて、本気で、比例での議席増をめざさないと。浮足立っている場合じゃない。

2017/10/08

2017年10月08日の新聞社説

《朝日新聞》
衆院選 過労死根絶 各党の本気度を問う
イシグロ氏 国を超え時代を抜けて

《読売新聞》
経済政策 消費増税に正面から向き合え

《毎日新聞》
カズオ・イシグロ氏に文学賞 日本的感性に感謝したい
電通に罰金50万円 金額では測れぬ企業の罪

《日本経済新聞》
東京23区限定の私大定員抑制は合理的か
グーグルが変えるものづくり

《産経新聞》
体育の日 本来の意義忘れぬために
希望の党と防衛 集団的自衛権をどうする

《東京新聞》
電通に罰金 命を守る職場でないと
ICAN平和賞 核保有国は耳を傾けよ

 選挙。特徴は、うそがまかりとうるような論戦になっていること。政治の劣化。どれにメディアがどうせまれるのか。
 過労死。ほんとうに世界からどう見られているのか。真剣に考えあいたいなあ。

ポピュリズムと「民意」の政治学 : 3・11以後の民主主義

14 はい。感想書きましょうね。少し前に、読んだんだけど。ほんとうに、この数年は、政治が大きく変わる時代だった。その時代に、路上にあった人々とともにあった政治学者の本だもの。新しい事態にどう向き合うのか。それはボクたちの大きな課題だもの。
 ボクは彼を当たりはずれの激しい人と評していた。そもそも、この本だって、題からして論争的。いまの時代の起こっていることをちがやくんは、ポピュリズムという言葉であえて分析する。あえてね。それはそれで、半分は共感する。だけど、ポピュリズムという言葉で分析できるのかは、ボクにはよくわからない。新しいアナキズムとまであえて言ってしまう。そもそものアナキズムとはどういう整合性があるかもよくわからない。いまの政治現象をあえて冒険的に分析するのはかなり冒険的。だから、かなり無理して、やっちゃっているというところも多々ある。だけど、それは、どう分析するのかの過程でもあるのだけど。とにかく現実に向き合うのだ。そういう刺激を与えてくれるのだよなあ。新しい学生の運動の分析は秀逸。


重重写真展 消せない痕跡Ⅱアジアの日本軍性奴隷被害女性たち

22289780_1563710787022994_509108915Img_0_m 忙しくって取材に出れないと、こころが乾くなあ。ホントは今日も、あとのことを考えて、取材に出たかったけど、なかなかそうはいかず。それで、でも夕方はここに行きました。安さんにも会ってきました。安さんと仕事して、1年ほどたって、安さんは、インドネシアとか、フィリピンの取材をすすめていた。そこで描かれたその事実をどう受けとっめるのか。いろいろ考えさせられた。そう向き合わなきゃ。そう迫られた。


2017/10/07

2017年10月07日の新聞社説

《朝日新聞》
核廃絶運動 世界に新たなうねりを
衆院選 「希望」公約 浮かぶ自民との近さ

《読売新聞》
ノーベル文学賞 頂点極めたイシグロ氏の情感
希望の党公約 政権を目指す責任感に欠ける

《毎日新聞》
核廃絶NGOに平和賞 大きな国際世論の反映だ
日本の岐路 希望が公約を発表 「立ち止まる」余裕はない

《日本経済新聞》
増税凍結と原発ゼロだけでは無責任だ
過重労働の是正促す電通裁判

《産経新聞》
イシグロ氏受賞 日本を見つめ直す契機に
希望の党と経済 これで受け皿たり得るか

《東京新聞》
イシグロ氏受賞 人のユーモアと悲しみ
<衆院選>希望の党公約 政権選択と言えるのか

 希望の公約を見ていると、保守2大政党というか、右翼2大政党というのを本気で考えているのか、自民と連立することを考えているのか。しかし、まあ、民主党(当時)が左旋回し、リベラルな路線、自民党との対抗路線をとることで、政権交代をめざしたことそのものを否定しようという思惑・意思が一方で、見えてくるなあ。それでも、自民党との違いをつくるから、いろいろ矛盾がおこるって感じかなあ。

核廃絶NGO、平和賞 禁止条約実現に貢献 日本から7団体参加「ICAN」

 これも画期的なニュース。まあ、ノーベル平和賞そのものは、ちょっとうさん臭いんだけどね(苦笑)。今回の政治的センスは肯定できる。

核廃絶NGO、平和賞 禁止条約実現に貢献 日本から7団体参加「ICAN」(東京新聞)

 ノルウェーのノーベル賞委員会は六日、二〇一七年のノーベル平和賞を、スイス・ジュネーブに拠点を置く国際非政府組織(NGO)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN(アイキャン)=International Campaign to Abolish Nuclear Weapons)に授与すると発表した。ICANは平和や軍縮、人権などの問題に取り組む約百カ国の約四百七十団体で構成し、日本からはNGOピースボートなど七団体が参加。史上初めて核兵器を非合法化する核兵器禁止条約の制定を目指して広島や長崎の被爆者と連携し、今年七月の国連での条約採択に貢献した。
 ベーリット・レイスアンデルセン委員長は授与の理由を「核兵器使用による壊滅的な人道被害に警鐘を鳴らし、このような兵器を禁じる条約成立に革新的な努力をした」と説明。「核兵器使用のリスクはこれまで以上に高まり、北朝鮮のように核開発を行う危険な国もある。地球上の人類と生命への深刻な脅威」と指摘した。ICANは六日、受賞決定を「非常に光栄。広島、長崎の被爆者や世界の核実験被害者と共に与えられたものだ」とする声明を発表した。
 ICANは一九八五年の平和賞受賞団体「核戦争防止国際医師会議(IPPNW)」が提起してオーストラリアで二〇〇七年に発足。ICANの中核的な役割を担う国際運営委員にはピースボートの川崎哲(あきら)共同代表(48)が就いている。
 核兵器禁止条約は国連で百二十二の国と地域の賛成で採択された。しかし米国、ロシア、英国など核兵器保有国や米国の「核の傘」の下にいる日本や韓国は参加しなかった。
 委員長は「今の禁止条約だけでは一つの核兵器も排除できない。核なき世界の実現を目指す次のステップには核保有国を巻き込むべきだと強調したい」と、この平和賞が条約不参加の国々への呼び掛けであるとした。
 北朝鮮については「(核兵器をなくす)機運が高まれば核の廃絶や不使用について全ての国の行動に影響すると思う」と強調した。
 授賞式は十二月十日、オスロで開催。賞金九百万スウェーデンクローナ(約一億二千四百万円)が贈られる。
◆連携 被爆者の声伝え
 ICANに日本から参加するのは、NGO「ピースボート」(東京都新宿区)、同「ヒューマンライツ・ナウ」(台東区)、同「平和首長会議」(広島市)、「核戦争防止国際医師会議日本支部」(同市)、「反核医師の会」(東京都渋谷区)、「創価学会インタナショナル」(新宿区)、芸術家グループ「Project NOW!」(広島市)の七団体。非核・平和運動の担い手として国内外で活動している。
 このうち中核の活動を担ったのが、ピースボートだ。同団体共同代表の川崎哲さんは、ICANでも二〇一四年まで共同代表も務めるなど、〇七年のICAN創設時から中心メンバーとして活動に関わってきた。
 〇八年、世界一周する船に被爆者を乗せて各国を巡るピースボートの「おりづるプロジェクト」が始まると、川崎さんはICANのネットワークを生かし、渡航先で延べ百カ国の首脳や議員を招き証言会を開催。百七十人以上の被爆者の声を届ける活動を担った。
 川崎さんは六日、「条約の重要性を公認するこの賞は、いまだに条約に署名・批准していない政府を後押しすることになるでしょう」と談話を出した。……

 何よりも、核兵器廃絶というのが、世界の、国際社会の大きなテーマであることをあらためて確認してくれたし、そのなかで、今回の条約というものが、現実的な選択肢であることを示してくれたのだから。これはとっても大きな問題提起にもなる。国民のなかで、そういう議論が進む契機に。選挙の中でも大いに争点にしてほしい。ちゃんと、公約に掲げている政党もあるんだから、井上さん!!!

 ニューヨーク事務所で各国政府に条約締結を働き掛けてきたヒューマンライツ・ナウの伊藤和子事務局長は「核兵器の廃絶は非現実的なものだとみられていた。条約がもうすぐ発効という状況での受賞は現実的な選択肢として評価され、テーブルに上ってきたことの表れではないか」と話した。

特集ワイド アウシュビッツのガイド、中谷剛さんに聞く ヘイトとガス室は一本の線 「今の日本は黄信号」

 以前、ETV特集だったか、彼をとりあげたドキュメントはとてもよかった。家には、『アウシュヴィッツ博物館案内』と、『ホロコーストを次世代に伝える―アウシュヴィッツ・ミュージアムのガイドとして』はあるかなあ。

特集ワイド アウシュビッツのガイド、中谷剛さんに聞く ヘイトとガス室は一本の線 「今の日本は黄信号」(毎日新聞)  ナチス・ドイツのアウシュビッツ強制収容所の跡地にあるポーランド国立博物館(オシフィエンチム)で、唯一の日本人公式ガイドを務める中谷剛(なかたにたけし)さん(51)を訪ねた。ぜひ聞いてみたかったからだ。戦後72年。戦争の記憶が薄れ、排外主義が台頭する中、「負の歴史」を繰り返してしまう懸念があるのか、と。  9月17日午後。アウシュビッツ強制収容所跡に降り立つと、朝から降り続く雨で視界はかすみ、赤レンガの建物群は、陰気な空気を漂わせていた。  日本語での見学ツアーの参加者は記者を含め25人。博物館として公開されている、アウシュビッツ第1収容所(20ヘクタール)と、3キロ先のビルケナウ(140ヘクタール)の両収容所跡を3時間かけて歩いて回る。  中谷さんは大学卒業後、ベッドメーカーに就職。転機は1991年だった。学生時代に旅したポーランドで出会った若者と再会するため、仕事を辞めて再訪した。永住権を取り、働いていたワルシャワの日本料理店で、同僚のポーランド人から「アウシュビッツに収容されていた」と打ち明けられ、壮絶な実体験に衝撃を受けた。「歴史に関わろう」と一念発起し、ガイドを目指した。日本人初の公式ガイドとなって20年。昨年は年間430組を案内した。  アウシュビッツは、ナチス・ドイツが第二次世界大戦中の40年、占領下のポーランドで政治犯を収容するため開設、後にユダヤ人らを大量虐殺する「絶滅収容所」となった。130万人以上が連行され、ユダヤ人がその9割を占めた。  「ここは、博物館であると同時に犠牲者を追悼する場でもある。どうか忘れないで」と中谷さん。  「ARBEIT MACHT FREI(働けば自由になる)」と書かれた収容棟の正門前ではこう語った。「収容者は毎日、この門を通って十数時間の労働に出ました。逃亡を防ぐ有刺鉄線が敷地を囲み、電流が通っていました。少ない食事で重労働を強いられ、餓死する人も少なくなかった」  正門をくぐると、赤れんがの収容棟が整然と並んでいた。ポプラの緑が目に染みる。大学のキャンパスを歩いているかのようだ。心中を察したのだろうか。中谷さんが口を開く。「水たまりに気をつけて。水はけの悪い道がなぜこのままか。収容者がローラーを引き、地ならしした道だからです」 収容所生んだ民主主義  展示室は収容棟などとして使われていた建物だ。敷地内には、ユダヤ人らが虐殺されたガス室や焼却炉跡、犠牲者の骨粉を捨てた池が残されている。欧州各地に住んでいたユダヤ人は当時、「東部に移住させる」と言われ、連行された。ナチス親衛隊(SS)が没収した犠牲者の革靴やかばんに加え、命を奪った害虫駆除薬「チクロンB」の空き缶などが虐殺の痕跡を残している。  あるガラスケースは部屋ほどの大きさがあり、犠牲者の髪で埋め尽くされていた。目にした時、「どれだけの量があるのか」と聞かずにはいられなかった。中谷さんが語調を強める。「8トンですが、何人分かは計算していません。衝撃的ですが、それ以上の人が殺された。もっとも数が問題ではありません。たとえ1人でも、『髪や目の色が違う』『ユダヤ人だから』と殺されたのが問題なのです」  ユダヤ人は人間らしい扱いを一切されず、列車で到着すると、引き込み線脇の荷降ろし場でSSの医師らに「選別」された。労働できるか否か、を顔色を見て決める医師の指先が生死を分けた。連行されたユダヤ人の75~80%がすぐさまガス室に送られたという。  収容所ではドイツ人の精神的負担を軽減するため、ガス室への連行や死体焼却はユダヤ人らに担わせた。証拠隠滅のため、こうした役割の収容者も定期的に殺した。  一枚の写真に言葉を失った。ガス室に送られる直前の人たちを収容者が隠し撮りした白黒写真。野外で裸にされた女性らがガス室へと誘導されている。天地が傾き、ピントがずれていることが撮影者の緊迫感をも伝える。戦後、ナチス・ドイツの戦争犯罪を立証する一枚となった。「事実を伝えなければとの思いがあったのではないか。フィルムは歯磨き粉のチューブに隠し、抵抗組織を通してポーランドの古都クラクフに送った。彼らの命を懸けた知恵と工夫によって、今知ることができるのです」  歴史を冷静に伝えることを信条にする中谷さんだが「ぜひ認識してもらいたい」と熱弁を振るう場面があった。「収容所をつくった政治家は民主主義の下で、国民から選ばれました。だから国民が訴えれば閉鎖できたでしょう」と。  加えて、国際社会の役割にも言及する。「多くのユダヤ人が列車で欧州各地からこの地に連行された。世界は当然知っていたのに見て見ぬふりをした。過ちを一国だけで防ぐのは昔も今も難しい。でも、国際社会が連携して働き掛けていたら、ナチス・ドイツの行動を止められたかもしれない」  解説は「本質」に近づいていく。「ナチス・ドイツはなぜ収容所をつくることができたと思いますか」。次のような解釈が広く知られている。  第一次世界大戦に敗れ、多額の賠償金にあえぐドイツに、世界大恐慌が追い打ちをかけた。社会荒廃が進む中で、裕福な人が多いと思われていたユダヤ人への妬み、積年の偏見が噴き出した。そこにナチス・ドイツが受け入れられる土壌が生まれた--。  中谷さんはさらに踏み込む。「当時の政治家は国民のこうした『反ユダヤ』感情を利用し、社会不安の要因をユダヤ人のせいにした。しかもこうした政治家ほど人気を集めた。常識から離れた『人間の優越性を髪や目の色で決める』という政策にブレーキがかけられなかったのは、なぜか。国民の支持があったからです。異を唱えた学者は主流派から外され、国民も『都合の悪い真実』に耳を貸さなくなった。衆愚政治の結果、アウシュビッツの悲劇は起きた。民主主義の恐ろしさ、その教訓は今にも通じています」  参加者からの反応が少ないことが気になっていたのだろうか。見学が終盤に差し掛かった時、中谷さんは私たちを「挑発」するかのような言葉を発した。  「皆さんがアウシュビッツに関心を持つということは、今の社会にも多かれ少なかれ(排他的な空気が)見え隠れしているからでしょう。でも考えてください。今、私の話を『聞かなくては』という雰囲気ですよね。私はこの場でもう権力を持っている。危ない道に入っています。いぶかしげな目を向けるならいいが、皆が身を乗り出して私の話を聞いている。これこそが誤った道を歩んだ権力者と国民の姿というものなのです」  危険な社会を生み出す萌芽(ほうが)は日常生活に常に隠れているということなのか。 私たちの選択が次世代左右  見学後、中谷さんの考えを詳しく知ろうとインタビューに応じてもらった。語り口は変わらず、穏やかだ。「ホロコーストの始まりは市井の人々が口にした『反ユダヤ』感情、ヘイトスピーチでした。それが時間をかけ、ガス室での虐殺につながった。ヘイトスピーチとガス室は『一本の線』で結ばれている。歴史を学ぶことは、私たちの国が今どこに位置しているかを知る『道具』となるのです」  ならば、日本の「現在地」が気にかかる。中谷さんは「黄色信号ではないか」と危機感を募らせている。日本でのヘイトスピーチを伝えるニュースに心底驚いたからだ。「参加者の中にはナチスのシンボルであるかぎ十字を身につけ、ヒトラーへの忠誠を表すあいさつを使う人もいた。悪意がないだけに、無知は怖い」……

 最後に未来を語っていることも大事かなあ。「一人でも多くの人が歴史の現場に足を運び、自らが正しいと思う歴史を選ぶことが大切です。私たちの選択は次世代の20年、30年先をも左右する。政治指導者の歴史観をうのみにするのでなく、自分自身で将来を引き受ける覚悟が重要なのです。そう生きる人が増えていけば、おのずと社会はバランスが取れていくと思います」。次世代に伝えるということかあ。
 アウシュビッツには、一度は行っておきたいけどなあ。そういう機会はなかなかなあ。(お金も)

«2017年10月06日の新聞社説

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